ディベート関係書籍案内 [松本 茂] |
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このページでは、当協会の理事執筆による書籍、また、当協会理事の推薦によるディベート関係書籍を掲載しています。
●鈴木 健(JDA理事)・大井恭子・竹前文夫編 『クリティカル・シンキングと教育-日本の教育を再構築する』 世界思想社 教育基本法の改定をめぐり、戦後の民主主義教育の役割、成果が、問い直されている現在、本書が出版された意義はたいへん大きいものと思われる。ぜひ、教育者のみならず、ビジネスに関わる方々、あるいは教育のありかたに疑問を感じているすべての方に読んでいただきたい本である。そこには、日常の思考を破り、気がつかなかった思考の範囲の可能性を広げるための術が様々な視点から、わかりやすく説明されている。著者は錚錚たる、各分野の専門家である。 大学英語教育でのクリティカル・シンキング紹介の草分け的存在である竹前文夫氏、日本最高のディベートの権威・松本茂氏、英語教育で常に新しい視点を発信し、デイリー読売のリンガフランカのコラムでもおなじみの鈴木健氏、そして、英文ライティング指導者として名高い大井恭子氏、NHKの基礎英語講師であった富田祐一氏、また日本語教育専門家の林さと子氏である。理論、歴史(第1部)と実践編(第2部)の両面から、クリティカル・シンキングとは?という質問に、各章、各分野で、それぞれの著者が詳しく、ていねいに定義づけ、読者の「思考の旅の誘い役」をつとめてくれる。 ディベートから異文化理解までも含めたクリティカル・シンキングの範囲の広さと柔軟な思考法に、「目からうろこ」の連続である。本書を通読したあと、教育とはかくあるべきという「方法としてのクリティカル・シンキング」のみならず、「態度としてのクリティカル・シンキング」(鈴木、p.8)を大いに学ばせてもらった、貴重な一書である。 [花岡 民子] (はなおか たみこ JACET会員) ●西部直樹(JDA会員)著 『誰でもできるディベート入門講座』(ぱる出版)1400円 本書は、第1章 ディベートとは何か、第2章 議論の基本構造、第3章 議論を展開する技術、第4章 議論を深める技術、第5章 ディベートの練習方法、第6章 ディベート 事例と解説、第7章 議論を鍛える問題集、の7章で構成されている。 「ビジネス・コミュニケーションを活性化させる技術」という副題がついているが、ビジネスパーソンに限らず、ディベートをはじめて学ぼうという方にディベートの基礎を図や表を多く使い、わかりやすく解説している。第7章には論理的思考や議論構造の基本を確認するための問題を収録してあるのが特徴。 ●安藤香織(JDA非会員)・田所真生子(JDA会員)編 『実践! アカデミック・ディベート』(ナカニシヤ出版)1800円 本書は、第1部 ディベートの理解、第2部 ディベートの実践、第3部 ディベートを活かす、の3部で構成されている。 「1章ごとにプラクティスを取り入れ、易しい課題からむずかしい課題へと進んでいけるようにした」と書いてあるように、ディベートを準備の段階から試合まで、どのように進めてよいかがわかりやすく説明されている。大学などのディベート講座のテキストとして適している。なお、コラムを担当された著者の一人の友末優子さんはJDA会員である。 ●松本 茂(JDA専務理事)著 『日本語ディベートの技法』(七宝出版)1400円 本書は、第1章 ディベートとは何か、第2章 ディベートの時代、第3章 リサーチの方法、第4章 議論構築の技法、第5章 わかりやすいプレゼンテーションの技法、第6章 ディベートの実際、の6章で構成されている。 この本は、基本的にはディベートに興味があるがまだやったことがないという初学レベルの方々と、少しはやってはみたがディベートの面白さや準備の仕方がまだよくわからないという初級レベルの方々のためのものである。ただし、「第2章 ディベートの時代」では、ディベートの教育的価値などにも言及しており、学校の教員、研修のプラニング担当者や担当講師にはぜひ読んでいただきたい。 西部直樹著(JDA会員) 『はじめてのディベート』(あさ出版)1500円
藤川大祐著(JDA会員) 『ディベートで学校はよみがえる−知的ゲームによる教育改革−』 (学事出版)1600円
近藤 聡著(非会員) 『反駁ゲームが楽しいディベート授業』 (学事出版)本体1700円
全国教室ディベート連盟編 『第2回ディベート甲子園−中学/高校決勝戦・全記録』 (学事出版)1238円
中嶋洋一(非会員) 『英語のディベート授業 30の技』 (明治図書)1850円
Michael H. Lubetsky(非会員) MAKE YOUR POINT: Debate for EFL Students (Harcourt Brace Japan)
松本茂(JDA専務理事)
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