2000年度後期推薦プロポジションの会員投票のお知らせ

 


JDA 会員各位:

日本ディベート協会プロポジション委員会委員長の小野 剛です。 推薦プロポジションの候補案が出そろいましたので、まずはご報告します。 投票権を持つ会員の方には追って郵送により投票用紙が届きます。 電子メールによる投票は認めておりませんので、注意してください。

来たるシーズンが実り多いものになることを願って         小野 剛


 

日本ディベート協会

プロポジション委員会委員長

小野 剛

 

 

日本ディベート協会(JDA)プロポジション委員会は,2000年前期の推薦プロポジションの候補として,次の三つのプロポジション案を選びました。

 

1. Resolved:That the Japanese government should increase its restriction on the editorial content of the press coverage of crimes that violates individuals' right to privacy.

 

日本政府は、個人のプライバシー保護のために、犯罪報道を規制すべきである。

 

2. Resolved:That the Japanese government should make a law that substantially increases a patient's participation in making informed decisions concerning his or her medical treatment.

 

日本政府は,患者が自己の治療方針の決定に関与できる医療環境を法的に整備すべきである。

 

3.Resolved:That the Japanese government should prohibit the production, import, and sale of any and all genetically modified food.

日本政府は,全ての遺伝子組替え食品の輸入・製造・販売を禁止すべきである。

 

会員の皆様は,同封の投票用紙にお答えの上,小野宛に7月23日(日)必着でお送り下さい。最終的な推薦プロポジションは,これら三つの案の中から下記の方法に従い7月24日に決定・発表することになります。(若干の用語上の変更はありえます。)

なお、2000年度の会費を未納の会員は,投票前にお払い込みください。また、日本語推薦論題(プロポジション)は, 英語推薦プロポジションの翻訳ではなく,おおむね同じエリアを持つ別のプロポジションです。ご注意下さい。。

 

 

投票用紙の郵送先

 

<略>

投票に関する質問

 

投票方法等に関する御質問等ございましたら,委員長の小野(03--3448--9524)か,JDA-ML まで御願いします。(なお投票自体は,電子メールでは受け付けておりませんので御注意ください。)

 

 


投票方法

 

投票方法に変更が加わりました。ご注意ください。

1.3つの候補のうち,後期のプロポジションとしてふさわしいものを選んでマルをつけてください。マルをつける候補を複数,選んでも構いません。

2. なお複数票 (N 票)を持っている団体会員は,マルを付けた候補それぞれに,N 票を投じたものと同じ勘定になります。 二つの候補にマルを付けたか
らといって,それぞれに N/2 票づつ投じることになるわけではありません。

3. 投票の結果,最も多くの投票のあったプロポジション案を推薦プロポジションとします。




集計方法の詳細

JDAプロポジション委員会は,推薦プロポジションの最終決定を会員投票の形で行っております。その際の採否は,団体会員,特に大会を主催する団体会員
の意見をより重視する形で決定します。これは,例年推薦プロポジションが大学英語サークルを中心として用いられるためです。(ただし集計は全てプロポ
ジション委員の方で行いますので,会員の皆様は複雑な手順を辿る必要はありません。)

採決は,以下の規則に従って決定します。

1. 7月24日に会員として承認されている,個人会員ならびに団体会員は,投票権を持つ。

2. 団体会員は,基本票として 5票持つ。ただし団体会員のうち,春期に大会を主催し,この推薦プロポジションをその大会で使用する予定がある場合は,次のように大会規模に応じて上乗せした票を持つ。(大会規模に関しては自己申告に従います)

その大会の昨年度の参加校数が
25校以上 計20票
10校以上25校未満 計15票
10校未満 計10票
不明、または今年度新設 計10票

3. 個人会員は,団体会員の票数の総計(棄権票も含む)を,投票権を持つ総個人会員数(棄権者も含む)で割った票数を持つ。(小数点2位以下切り捨て)

参考:一例として,ある投票時における団体会員の分類が
昨年度の春季大会の参加校数
   25校以上 1団体
   10校以上25校未満 1団体
   10校未満 2団体
   不明、または今年度新設 4団体
春季に大会を持たない団体 9団体であり、個人会員の会員数が100人だった場合を考える。個人会員の票の割り当ては、
(20 x 1 + 15 x 1 + 10 x 2+ 10 x 4 + 5 x 9) / 100 = 1.55
よって一人あたり 1.5票となる。

4. 各会員の票が確定後,最も多く得票したプロポジション案を推薦プロポジションとする。

 

各プロポジション案の背景

 

第一案 犯罪報道とプライバシー

 

マスコミをにぎわせた砒素入りカレー事件、また14歳の少年が小学生を殺害し犯行声明を出した酒鬼薔薇事件などは、犯罪報道と個人のプライバシーの問題を改めて浮き彫りにしました。また、事件そのものではなく被害者のプライバシーがTVのワイドショーで商品化されることも、プライバシーと言論の自由の兼ね合いの上で問題があるでしょう。

 

本命題は、このような風潮を背景にして、政府がマスコミの犯罪報道に対して規制を行うことの是非を問うものです。肯定側は、個人のプライバシー保護を利益として主張できるでしょう。また否定側は、マスコミに対する威嚇効果による言論の自由の侵害などを弊害として指摘することができるでしょう。また、プライバシーそのものの線引きをどこで行うか、ということも議論になるでしょう。

 

第二案 医者と患者の関係

 

現在、患者がは医者の専門性を信頼して,治療方針の選択を委ねていることがほとんどです。しかし,このような医者/患者関係が,医療過誤や不必要な治療の温床となっている面も否定できません。医療サービスを受ける側にも,より積極的な関与が求められているといえます。

 

このプロポ案は,これらの問題に対して立法的な解決を行うことの是非を問うものです。予想される肯定側の論点は,ニーズに沿ったよりよい医療サービスの提供,不必要な治療の低減,患者の側の意識向上などがあげられるでしょう。否定側の論点としては,医者に今まで以上の責任を負わせることで,医者が必要な治療においても消極的になる可能性,患者の反対による必要な治療プロセスの阻害,コストの増大などがあげられるでしょう。

 

第三案 遺伝子組替え食品


目覚しい発展を遂げた遺伝子工学を、医療や工業の分野だけではなく農業や畜産業の分野にまで応用したものが遺伝子組替え食品です。例えば、害虫がより付かない毒素を出す遺伝子をどうもろこしに組み込むことによって、大量の農薬を使用すること無く害虫の被害を防ぐような作物を作ることができます。

この遺伝子組替え食品の是非を巡って、世界規模で論争が起きています。この命題案は、日本が取るべき対応を議論するものです。

肯定側は、将来起こりうる遺伝子組替え食品の被害を中心にして議論を組み立てることが可能となるでしょう。否定側は、遺伝子組替え食品を輸出している他国との関係悪化、食糧調達が困難になることの影響を中心にした議論を出すことになるでしょう。

 

さいごに

 

プロポジション候補案を作成するにあたってご協力頂いた個人、団体の皆様に感謝します。推薦プロポジションの最終決定を会員投票に委ねることによって,より多くの声をプロポジションに反映させるという,この制度の趣旨が生かされるよう,是非とも御協力お願いします。

 

JDAプロポジション委員会

小野 剛(委員長) 鈴木 健 瀬能 和彦 青沼 智 臼井 直人

矢野 善郎 飯田 浩隆 安井 省侍郎

 



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