2000年度前期の、推薦命題が決まりました。
決定された命題案は、以下の命題です。
Resoleved:That theJapanese government should abandon all nuclear facilities used forthe national energy supply.
日本政府は、エネルギー供給のための原子力施設をすべて廃止すべきである。
ワーディングの変更がありましたのでご注意下さい。なお、一般的に推薦命題の日本語案は、英語案の直訳ではなく、だいたい同じ範囲を持つ別のディベート命題です。ご注意ください。
<命題の背景>
日本における原子力の「安全神話」は、昨年末の東海村における臨界事故で完全に過去のものとなった感があります。しかし資源小国である我が国においては、他のエネルギー源が現実的ではない以上、安定供給のために原子力開発を進めていくべきだという意見もあります。
このプロポ案は,エネルギー供給のために原子力を用いることの是非を問うものです。予想される肯定側の論点は,事故の危険性の低減、核ジャックなどの危険性の排除でしょう。否定側の論点としては,原子力の代替策が不在であることを指摘して、安定したエネルギー供給が脅かされることを指摘できるでしょう。また代替エネルギーが持つ固有の問題を論じることも可能でしょう。
採決は,以下の規則に従って決定しました。
1.会員として承認されている,個人会員ならびに団体会員は,投票権を持つ。
2. 団体会員は,基本票として5票持つ。ただし団体会員のうち,秋期に大会
を主催し,この推薦プロポジションをその大会で使用する予定がある場合は,
次のように大会規模に応じて上乗せした票を持つ。
(大会規模に関しては自己申告に従います)
その大会の昨年度の参加校数が
25校以上 計20票
10校以上25校未満 計15票
10校未満 計10票
不明、または今年度新設 計10票
3.個人会員は,団体会員の票数の総計(棄権票も含む)を,投票権を持つ総
個人会員数(棄権者も含む)で割った票数を持つ。(小数点2位以下切り捨て)
4.各会員の票が確定後,最も多く得票したプロポジション案を推薦プロポジ
ションとする。
投票結果です。
春季大会の規模による団体会員の分類
第一区 25校以上 1団体
第二区 10校以上25校未満 1団体
第三区 10校未満、校数不明、新設 13団体
第四区 棄権 11団体
個人会員 133
個人票は、
(20x1 + 15x1 + 24x10) / 133 = 2.067 = 2.0票
一人あたり 2.0 票となる。
+-------+-------+-------+
|第一案 |第二案 | 第三案|
------------+-------+-------+-------|
個人 (1.2票)|16 32 |14 28 |20 40 |
------------+-------+-------+-------|
第一区(20票)| | | 1 20 |
第二区(15票)| | 1 15 | 1 15 |
第三区(10票)| 4 40 | 5 50 | 8 80 |
------------+-------+-------|-------+
計 72 | 93 | 155 |
------------+-----------------------+
各マス目の数字のうち、左側は素票、右側が換算票
(複数投票がありえることに注意)
第一案 プライバシー
第二案 医療
第三案 原子力
投票された JDA 会員の皆様、本当にありがとうございました。
またリサーチに協力頂いた各団体の代表者の方々、どうもありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
今期のプロポ委員会では、大学 ESSのディベートに限らず、社会人の団体や日本語ディベート団体での使用にも耐え得る論題を目指して、多角的に検討を進めてまいりました。プロポ委員一同、この推薦命題が多くのディベート大会で活用されることを願っています。
JDA プロポ委員
小野 剛(委員長)
鈴木 健 瀬能 和彦 青沼 智 臼井 直人 矢野 善郎 飯田 浩隆 安井省侍郎