2005年度前期推薦論題決定のお知らせ



 

JDA会員の皆さま

日本ディベート協会(J.D.A.)論題検討委員会は,学生・社会人有志の皆さまの立ち会いの下,去る2月5日に会員投票を集計し,論題文言について検討を加えた結果,以下のように推薦論題を決定いたしました。

  
日本政府は出入国管理関係法令を改正し、原則すべての職種で海外からの移住労働者の雇用を認めるべきだ。

同日,英語推薦論題についての検討も行われ,以下のワーディングを推薦することにいたしました。

  Resolved: That the Japanese government should allow the employment of migrant workers from overseas in all or most workplaces by amending the immigration laws.

両論題とも投票時点の文言が修正されておりますので御注意下さい。まず、当初、和文では「入管法」という語を使用していましたが、外国人労働者の雇用は「入管法以外の関連法律」の改正でも可能であるとのご指摘をいただき、「出入国管理関係法令」に変更しました。また、案段階では「外国人労働者」という語句を使用していましたが、論題の範囲をより明確にするために「海外からの移住労働者」に変更しました。和文の変更に伴い、英語の文言に "from overseas" という語を追加しました。また、不定詞の使用を避け、当初の "amend the immigrationlaws to" を "by amending the immigration laws" という表現に改めました。なお日本語と英語の論題は,あくまでほぼ同じ領域を持った別個の論題とご理解下さい(それ故,英語論題の解釈は,日本語論題によって必ずしも制限されず,逆もしかりです)。

論題の背景

現在日本政府は,就労を目的とした外国人の入国・滞在を,原則として,技能・専門職種以外では認めておりません。本論題案では,外国人労働者が,いわゆる「単純労働」を含む原則全ての職種においても就労できるよう,労働市場の門戸を開くことの是非を議論することになります。予想される肯定側議論としては,今後急速に進む少子高齢化社会における労働力不足の解消や,社会保障費用の軽減, 外国人労働者の雇用条件の改善などを挙げることが出来ます。他方,否定側としては,外国人労働者受け入れに伴う行政的・社会的コストの増大,治安の悪化の危険性,日本人雇用に対する悪影響などを論じることができるでしょう。また,現在25万人を超えるといわれる「不法就労外国人(超過滞在外国人労働者)」の処遇や,外国人労働者の具体的な受け入れ方法(目標数値など)も議論の射程に入ることでしょう。いずれにせよ,世界的なグローバル化の潮流の下,日本社会の行く末を考える一つのきっかけとなる論題になることでしょう。



投票の詳細
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 個人会員一人あたりの票数 = 1.0 (小数点2位以下切り捨て)
 団体会員票総計(1×20+1×15+5×10+21×5)÷有効個人会員181=1.04.. 
         
 
A) 代理出産・着床前診断 63.0票 (団体 0×20+1×15+2×10+3×5=50 個人
13×1.0)

B) 移住労働者  90.0票 (団体 1×20+0×15+3×10+4×5=70 個人 20×1.0)

C) 国連制裁  33.0票 (団体 0×20+0×15+0×10+4×5=20 個人 13×1.0)

               (参考:投票率 - 団体会員13/23 個人会員31/181)

今回も多くの方々に御投票いただき,誠にありがたく存じます。前回同様,今回も,有志による三つのリサーチ担当班より,それぞれ案を出して頂き,大変ユニークな論題案を揃えることができました。班長の三人の方々をはじめ有志の皆さまに,委員会一同,謹んで御礼申し上げます。

JDAでは有志の皆さまとの御協力の下,よりよい推薦論題を発表できるよう努力する所存です。様々なディベート界をつなぐ架け橋の役割を果たす大切な公共財である,推薦論題作成へのご協力を今後ともよろしくお願い申し上げます。

                JDA論題検討委員会を代表して  師岡淳也 

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