小野 剛@JDAプロポ委員長です。
99年度前期の、推薦命題が決まりました。先に ML上にて発表させて頂きます。
JDA会員の方には、後ほど郵送にて決定を知らせるお手紙を送らせて頂きます。
決定された命題案は、以下の「北朝鮮」に関する命題です。
Resolved:That theJapanese government should take non-threatening diplomatic measuresto promote amicable relations with North Korea.
日本政府は、北朝鮮に対し、より友好的な外交政策をとるべきである。
日本語文案のほうに、ワーディングの変更が一箇所ありました。(一般的に推薦命題の日本語案は、英語案の直訳ではなく、だいたい同じ範囲を持つ別のディベート命題です。ご注意ください。)
<命題の背景>
亡命者の続出、食糧危機、内部の権力闘争、そして出口の見えない経済不振など、北朝鮮をめぐるニュースは暗いものばかりであり、崩壊の危機に面した北朝鮮が自暴自棄になって隣国を攻撃するかもしれない、という懸念は常に日本に付きまとっています。そんなおり、テポドンの威嚇発射は日本に衝撃を与えました。この事件を期に、TMDや偵察衛星を開発・装備して有事にそなえるべし、という論調も力を持ってきました。
しかし、やみくもに危機意識を煽り立てて対抗的な軍事力増大を行うことは、逆に相手への挑発となる危険もあります。また、東アジア情勢に不安定要因を持ち込むことにもなりかねません。
本命題は、このような状況において、北朝鮮に対して融和的な外交政策をとることの是非を問うものです。政策としては、援助や技術提携の申込、国交関係の樹立などがあげられるでしょう。想定される利益としては、北朝鮮との戦争のリスク低減、アジア地域の安定への貢献、また直接支援による北朝鮮の民衆の救済などが上げられるでしょう。想定される弊害としては、援助した物資が軍事増強に使われてしまうこと、またアメリカや韓国との関係悪化などがはいるでしょう。さらに、本当に北朝鮮側が友好的な外交に応じるのか、という解決性を論点として出すこともできるでしょう。
採決は,以下の規則に従って決定しました。
1.1月9日に会員として承認されている,個人会員ならびに団体会員は,投票権を持つ。
2. 団体会員は,基本票として5票持つ。ただし団体会員のうち,春期に大会を主催し,この推薦プロポジションをその大会で使用する予定がある場合は,次のように大会規模に応じて上乗せした票を持つ。
(大会規模に関しては自己申告に従います)
その大会の昨年度の参加校数が
25校以上 計20票
10校以上25校未満 計15票
10校未満 計10票
不明、または今年度新設 計10票
3.個人会員は,団体会員の票数の総計(棄権票も含む)を,投票権を持つ総個人会員数(棄権者も含む)で割った票数を持つ。(小数点2位以下切り捨て)
4.各会員の票が確定後,最も多く得票したプロポジション案を推薦プロポジションとする。
----------------------------------------------
投票結果です。
春季大会の規模による団体会員の分類
第一区 25校以上 1団体
第二区 10校以上25校未満 1団体
第三区 10校未満、校数不明、新設 3団体
第四区 春季大会なし、または棄権 9団体
棄権 8団体
個人会員 122
個人票は、
(20x1 + 15x1 + 10x3 + 5x(9+8)) / 122 = 1.229.. = 1.2票
一人あたり 1.2 票となる。
+-------+-------+-------+-------+
|第一案 |第二案 | 第三案| 第四案|
------------+-------+-------+-------|-------|
個人 (1.2票)|15 18 |12 14.4|18 21.6| 7 8.4|
------------+-------+-------+-------|-------|
第一区(20票)| | 1 20 | | 1 20|
第二区(15票)| | 1 15 | | |
第三区(10票)| 1 10 | 2 20 | | 5 25|
第四区( 5票)| 2 10 | 4 20 | | 5 25|
------------+-------+-------|-------+-------+
計 38 | 89.4| 21.6| 83.4|
------------+-------------------------------+
各マス目の数字のうち、左側は素票、右側が換算票
(複数投票がありえることに注意)
第一案 マスメディア
第二案 北朝鮮
第三案 民主主義
第四案 医療
--------------------------------------
投票された JDA 会員の皆様、本当にありがとうございました。
またリサーチに協力頂いた各団体の代表者の方々、どうもありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
今期のプロポ委員会では、大学 ESSのディベートに限らず、社会人の団体や日本語ディベート団体での使用にも耐え得る論題を目指して、多角的に検討を進めてまいりました。プロポ委員一同、この推薦命題が多くのディベート大会で活用されることを願っています。
JDA プロポ委員
小野 剛(委員長)
鈴木 健 瀬能 和彦 青沼 智 臼井 直人 矢野 善郎 飯田 浩隆 安井 省侍郎