第3回委員会結果


日時:平成8年12月12日 19:00~出席者:臼井、瀬能、安井(以上委員)、山村、三浦(以上NAFA) 審議内容  

1.リサイクルについて

・利益については、ゴミが減量することによって、産業廃棄物処分場や、一般廃棄物処分場からの公害が減る、具体的には、地下水や水質汚染が無くなる、基準を超えるような廃棄物が不法投棄されることが減る、処分場を作るために木を切ったりすることによる洪水などを防ぐ、等々。医療廃棄物の場合は、不法投棄によるバイオハザードなど。・ただし、不法投棄は、リサイクルしたら無くなるとは限らない、環境汚染があるにしても、実際にそれによって具体的な人的被害が発生している例が少ない、など、非常に小さく、かつ文献も少ない。・弊害に関しては、リサイクルのコストによって製品価格が上がり、日本経済に悪影響がある、等が検討されたが、抽象的でわかりにくい。文献も多くない。・以上、あまり有望とは言い難いが、次回委員会までに、委員間で協議を行い、命題の原案を作成することとした。  

2.病院自由化、福祉事業への参入自由化

 ・まず、老人福祉事業に関して言えば、リサーチャーが厚生省に問い合わせたところ、規制が存在しないことが明らかとなった。むしろ、事業としてペイしないので、福祉事業として国や地方自治体が運営し、または社会福祉法人に委託して補助金を渡しているという。参入を阻むことはない、とのこと。・基準や規制はあるが、それはあくまで補助金を出すかどうかの基準であって、参入規制ではないとのこと。・有料老人ホームなどは、完全に民間が自由に行っているが、ここ10年くらいは横這いで増えていない。・ということで、自由化すべき参入規制が存在しないため、絶望的。 ・病院の自由化に関しては、利益として、効率化による国の財政負担の軽減、入院環境の改善、料金の低下等がみこまれる。・弊害としては、コストのかかる患者の切り捨て、利潤の追求による乱診乱療が行われ、医療水準が低下する、などがある。・ただ、利益に関しては、ポイント制によって、治療行為当たりの料金が決まっていることから、価格が下がることは難しいということで、むしろ自由化よりも、ポイント制の廃止が本質的との意見が出た。・ただ、ポイント制を廃止しても、個人負担が2割や1割程度しかないため、競争原理が働きにくく、かえって価格が高騰する可能性さえある。では、個人負担率を上げると、競争原理は働くかもしれないが、高齢者や低額所得者の切り捨てとなり、政策としては難しい。・結局、命題化するには困難で、今回は見送りということとなった。 ・その他、医薬品の販売許可制の緩和も議論されたが、薬価は法定であって競争が価格の低下を生み出さない、ではということで、薬価の自由化等の議論もなされたが、ポイント制とのからみがあり、利益を出すのが難しいとの感触を得た。文献もあまり多くない。・弊害としては、薬価格の高騰や、薬の事故、などがあり、肯定側が苦しい。・これも今回は見送りとなった。   

3.stop infliction of death penaltyのwordingについて

 ・上のwordingでは、「死刑の執行だけやめる」というc-pが提出される可能性があるとして、検討が行われた。infliction の代わりに、sentencing and / or executionを使うことも検討されたが、そうなると、今度は肯定側がこのプランをtopicalとして使えることとなり、これも望ましくないとして紛糾。abolish death penaltyとする意見も出されたが、問題を解決することはできないことがわかった。・結局、「死刑の執行だけやめる」のc-pとaff-planの両方をwordingによってラウンドに提出させないようにすることは不可能であることがわかり、であるなら現状のままで良いのではないかということとなった。・ディベーターは、「執行停止」でなく、「制度の廃止」を中心的な論点として議論するしかないであろうと言う見解が示された。  

4.今後の予定

 ・リサイクルの義務づけ対象となる工業製品の選定が難しいため、(自動車や機械だけに限るか、全ての工業製品を対象とするのか)wordingについて、次回委員会までに委員間で協議し、原案を作成することとした。 ・リサイクルが候補として難しいとなった場合にそなえ、別のエリアをもう一度検討し直すこととし、次回委員会までに委員が候補を検討することとなった。・議論の俎上に上ったのは、教育関係、農業への営利法人の参入自由化、など。もう一度幅広く検討することとなった。  

みなさんのアイディア募集

 プロポ委員会へ、みなさんのアイディアをお知らせください。ちなみに、いままで検討されてボツになったものは、 外交関係・安全保障理事会、常任理事国入り・PKFへの参加憲法関係・9条の改正・有事立法司法制度・アイディアなし規制緩和関係・情報通新分野の自由化・金融分野の自由化・郵政V事業民営化・福祉関係事業への参入自由化・農業への営利企業の参入自由化教育関係・国の教育への関与を減らす・教員の任期制導入やめる税制・環境税の導入・土地関係税の減税情報通信・情報通新分野へのインフラ整備 などでした。極力、これ以外のアイディアを募集します。  **********************************************オブザーバー、リサーチャー大募集!!!!********************************************次回委員会 12月26日(木) 19:00~ 上智大学SJハウス 最近、オブザーバーやリサーチャーが委員会に参加してくれません。自分たちのプロポですので、もう少し問題意識を持って参加してください。委員だけでは限界がありますので。  安井省侍郎 


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