第6回委員会結果

  
    JDA-ML の皆様:小野 剛@JDAプロポ委員長です。 97年度後期の、命題候補案が出そろいましたので、この ML 上で発表させて頂きます。 TeX 形式の元原稿から起こしたので、ちょっと見にくい部分がありますが、御容赦ください。JDA 会員の方には、この説明文と投票用紙が後ほど郵送されます。 小野 剛Tsuyoshi ONO, Software Lab., Architecture Laboratories, SONY Corp.E-mail: ono@soft.arch.sony.co.jp  ---------------------------------------------------------------------1997年7月9日 日本ディベート協議会 プロポジション委員会委員長 小野 剛 1997年度後期推薦プロポジションの会員投票のお知らせ日本ディベート協議会(JDA)プロポジション委員会は,1997年後期の推薦プロポジションの候補として,次の三つのプロポジション案を選びました。 Resolved: That the Japanese government should adopt a comprehensiveprogram which increases the utilization of recycled material asingredients in all or most industrial production. Resolved: That Japan should increase direct politicalparticipation of the people through the introduction of a comprehensive system of referendum and/or the direct election of the Prime Minister. Resolved: That the Japanese government should abandon its program which promotes nuclear fuel recycling.  会員の皆様は,同封の投票用紙にお答えの上,小野宛に7月19日(土)必着でお送り下さい。最終的な推薦プロポジションは,これら三つの案の中から下記の方法に従い7月20日に決定・発表することになります。(若干の用語上の変更はありえます。) 推薦プロポジションの最終決定を会員投票に委ねることによって,より多くの声をプロポジションに反映させるという,この制度の趣旨が生かされるよう,是非とも御協力お願いします。 投票用紙の郵送先 〒141 東京都品川区東五反田 4--6--11ソニー五反田ユースハウス 303号小野 剛 どうしても期限に遅れそうな場合にのみ,下記宛にファックスして下さい。(過去に何通もファックスが集まり混乱も生じましたので,なるべく郵送にて御願いします。)なお電子メールでの投票は受け付けられません。 0474--63--6334 安井 省侍郎03--3729--2486 矢野 善郎 投票方法等に関する御質問等ございましたら,委員長の小野(03--3448--9524)か,電子メールを御使用される方は,jda-ml@csl.sony.co.jp まで御願いします。(なお投票自体は,電子メールでは受け付けておりませんので御注意ください。) 3つの候補のうち,後期のプロポジションとして最もふさわしいものを選んで投票して下さい。(なお複数票持っている団体会員も,票を分散させることは出来ません。紛らわしいと判断される場合,全て無効票となります。)投票の結果,最も多くの投票のあったプロポジション案を推薦プロポジションとします。 JDAプロポジション委員会は,推薦プロポジションの最終決定を会員投票の形で行っております。その際の採否は,団体会員,特に大会を主催する団体会員の意見をより重視する形で決定します。これは,例年推薦プロポジションが大学英語サークルを中心として用いられるためです。(ただし集計は全てプロポジション委員の方で行いますので,会員の皆様は複雑な手順を辿る必要はありません。) ----------------------------------------------採決は,以下の規則に従って決定します。  - 7月9日に会員として承認されている,個人会員ならびに団体会員は,投票権を持つ。  - 団体会員で大会を主催する団体会員のうち,昨年度の主催大会の参加校が, a) 50校を越える場合は,20票 b) 30校を越える場合は,15票 c) 10校を越える場合は,10票を持つ。 d) それ以外の団体会員は,5票を持つ。  - 個人会員は,団体会員の票数の総計(棄権票も含む)を,投票権を持つ総個人会員数(棄権者も含む)で割った票数を持つ。(小数点2位以下切り捨て) { 一例として,ある投票では, 参加校50を越える団体 1 参加校30を越える団体 2 参加校10を越える団体 2 それ以外の団体 13 個人会員 85 よって個人会員の票数の割当は, ( 20x1 + 15x2 + 10x2 + 5x13 ) / 85 = 1.5票 1人1.5票 となる}  - 団体会員,個人会員とも,複数のマルを付けてはならない。複数の票を持っていたとしても,それは一まとまりとして取り扱われる。そうでない場合(票を分割して別の組み合わせを書く等)は,無効とする。  - 各会員の票が確定後,最も多く得票したプロポジション案を推薦プロポジションとする。 ----------------------------------------------各プロポジション案の背景 Resolved: That the Japanese government should adopt a comprehensiveprogram which increases the utilization of recycled material asingredients in all or most industrial production.  リサイクルの促進により,資源の保護を図ることが重要である,ということは世界的にほぼ共通認識になっているにも関わらず,ドイツなどいくつか注目に値する国はあるにしても,徹底したリサイクルを実現するために強力な政策を推進することは世界的趨勢にはなっていません。 日本国内においても,自治体や企業による取り組みは見られるものの,国の政策としてはカンやビンの再利用に関する促進政策が見られる以外には,見るべきものはありません。この命題は,このような状況下,製造業の資材調達において,リサイクルされた資材の使用量の増加を目的とした,包括的な政策を国が遂行することの是非を問うものです。 肯定側としては,第一に,資材リサイクルによる資源保護・資源枯渇の防止,地球環境の保護などを議論することになります。より具体的に,個々の産業廃棄物から発生する公害,廃棄物処理場による環境汚染を防ぐことなどを論じることもできるでしょう。 否定側としては,製造原価の上昇から来る日本企業の国際競争力の低下,製品価格の上昇からくる日本経済への悪影響,省資源化による原材料の輸出国が受ける経済的なダメージ,あるいは,製造業の海外流出にともなう公害輸出や産業の空洞化,または政策の不備により,かえって国内の不法投棄などが増加する可能性などを議論することができるでしょう。  Resolved: That Japan should increase direct politicalparticipation of the people through the introduction of a comprehensive system of referendum and/or the direct election of the Prime Minister. 現代の日本政府は,代議制に基づく間接的民主主義によって運営されています。しかし原発の是非,沖縄の基地問題など,国民的な関心の集中する事例では,間接的な参加方法だけではなく,国民の意見を政策に直接反映させる制度を導入したほうがよい,という議論がでてきました。 各地方自治体レベルでは,既に住民投票条例などを制定し,住民投票を行ったケースもありますが,しかし国政レベルでの検討が必要となる議題に関しては,憲法に憲法改正の際の国民投票の規定が定められているのみで,直接的民主主義を実現する制度は事実上ありません。 このプロポ案は,重要な議題に関して国民投票を行う制度の導入(レファレンダム制)と,日本の首相を国民の投票によって選ぶ首相公選制の二つを具体的な政策オプションとして用意し,直接民主制度と間接民主制度のどちらが望ましいかという,政治思想史でも重要な問題を取り上げます。 予想される肯定側の論点は,より良い政策決定,国民の政治意識の向上などが柱となるでしょう。首相公選制に関しては,政治的リーダーシップの発揮,任期を区切ることによる政権の安定化なども主張できるでしょう。 否定側の論点としては,一貫性のない意思決定,代議制の崩壊などがあげられます。首相公選制は単なる人気投票に終わる,という議論も可能でしょう。 また,直接投票による国民的熱狂は,ファシズムの契機となるなど負の側面を持つという議論もできるでしょう。 Resolved: That the Japanese government should abandon its program which promotes nuclear fuel recycling. 日本政府は,「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」(``Long-Term Program for Reserch, Development and Utilization of Nucler Energy'') の中で,「・・・使用済み燃料を再処理して,回収したプルトニウム,ウランなどを再び燃料として使用する核燃料リサイクルの実用化を目指して着実に研究開発を進めることによって,将来のエネルギーセキュリティの確保に備えます」として,核燃料リサイクルの将来の実用化へ向けた政策を推進しています。 しかしながら,もんじゅ事故等によるリサイクル施設の安全性への不信感,リサイクルのコスト面の問題から,この政策を見直すべきであるという意見が高まっております。この問題は文献資料等も多く,また多面的な議論が可能であることから,論題案として取り上げました。 肯定側としては,もんじゅ等の施設の事故や,日本の核武装を未然に防止すること,放射線作業従事者の被ばく問題等を,また否定側としては,エネルギー不足による経済疲弊,化石燃料の使用による温暖化問題等を議論することが考えられます。 投票用紙 略 


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