8JDA春季ディベート大会決勝戦

「日本政府は日本国籍の取得条件を大幅に緩和すべきであるか。」

慶應高校ESS vs. TEAMエラ星人

編集:安藤温敏




2002年3月2日、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、第8回JDA春季ディベートが開催された。3試合の予選により上位2チームを選出した結果、決勝戦は慶應高校ESS対TEAMエラ星人の組み合わせとなった。

決勝戦の審査員は、臼井直人氏(愛国学園大学)、矢野善郎氏(東京大学)、飯田浩隆氏(日立製作所)、佐藤浩一氏(三井物産)、竹田さやか氏(全日本英語討論協会)の五名。この内四名が肯定側に投票し、慶應高校ESSが優勝した。

また、決勝審査員の協議により、最優秀ディベーターとして、TEAMエラ星人の村上彰慶氏が選出された。

本トランスクリプトは、決勝戦の模様を記録したものである。明らかな間違いを除いて、ディベーターの喋った内容を、極力そのまま記録している。文中引用される証拠資料についての検証等は一切行っていないので、もし使用を検討する場合は、原文を確認していただきたい。


肯定側第一立論

肯定側第一立論:竹内直志 慶應高校ESS

 

誠に勝手ながら、始める前に、まず最初にサンクスワードをしたいと思います。私たちは、今回ディベートに出るのも結構偶然的で、ヘルパーとかもいなくて、ここまで二人で頑張ってきて、本当に、こんなところに立てるとは思っていなかったので、結構緊張していますが、最大限の力を出したいと思います。また、今日応援に来てくれた先輩の中村さんと稲垣君、同じ学校で、一緒にこの試合を戦った原田君と松林君、あと、顧問の先生で、折田先生にお礼を言いたいと思います。あと、もう一人、ここに、今確認できないんですけど、深井先生という英語の先生がいらっしゃるんですけれども、色々アドバイスを下さって、感謝しています。最後に、色々アドバイスとか協力してくださったKDSの皆さんにもここでお礼を言わさせていただきたいと思います。

それでは始めたいと思います。

まず最初に、プランを読んでから、利益の論点1と論点2に行きたいと思います。

まず最初にプランです。

日本国政府は以下の条件で無国籍者の国籍取得条件を緩和すべきです。

a)      戸籍法57条の「棄児」に準じ、父母が二十四時間以内に確認できない場合

b)      他国においてその子が国籍取得をすることが不可能な場合

c)       20歳に達するまでに、外国の国籍を取得したことが明らかになった場合は、日本の国籍のままでいるか、選択権を得る、ということにします。

d)      今いる無国籍者には無条件で国籍取得を許可します

e)      国籍取得後、日本人として、当然福祉は保証します

 

利益です。無国籍児の権利です。

 

論点1 現状分析を示します。

 

A 無国籍についての前提です。

1 無国籍が生まれるのは、以下の理由によります。98年の毎日新聞によると、

引用開始。「在日外国人の子供が『無国籍』と登録されるのは、(1) 両親が不法滞在などで、行方不明となった場合、(2) 親の国籍をこどもに与える『血統主義』をとる日本の父親と、自国で生まれれば自国籍を与える『生地主義』をとる国の母親から生まれた婚外子で認知されない場合。」引用終了。

2 政府は無国籍を保護しません。ジャーナリストの阿部さんが99年に述べています。

引用開始。「国籍法では、『父母がともに知れないとき』にも日本国籍を取得することができるが、法務省は出入国管理記録など書類上の調査で母親に該当する女性を特定すると、たとえ母親が行方不明であっても国籍取得を認めようとしない。」引用終了。

3 ですから数が増加しています。無国籍の人数は以下の通りです。99年の毎日新聞によると、

引用開始。「しかし現在までに抜本的な対策は取られないまま、無国籍時の数は増え続けている。法務省の統計では、97年末時点の国内の外国人登録者のうち無国籍者は2394人。4歳未満933人で、過去十年間で12倍にまで増えた。」引用終了。

 

次にBです。無国籍は権利の侵害を受けています。

1 権利が受けられなくて、それで死ぬ可能性もあるのです。また教育も受けられません。これは実際に起こっていることです。水島広子が述べています。

引用開始。「無国籍児は国民健康保険への加入が認められておらず、医療費が高額で病院に行けません。心臓手術が必要なのに受けられずに死を待つのみという子供も存在しております。未熟児で生まれた場合、保育器の使用が十分に行われないということもあります。予防接種、特にポリオについては、集団接種の対象から外される自治体もあります。また、公立保育園への入所ができません。小学校への就学を認めない自治体もあると聞いております。小中高を通して私立への就学はほとんどできません。」引用終了。

2番目です。無国籍救済には国籍付与しかないのです。自由人権協会が97年に述べています。

引用開始。「重要な点は、その様な取扱があくまで恩恵的なものであり、地方自治体によって規定の取扱も異なり、権利として保障されているものではないと言う点である。恩恵的に1つ1つの取扱を改善するだけでなく、根本的な無国籍からの救済がなされない限り、無国籍児の制度的不利益は彼に一生付きまとうのである。」引用終了。

3番、経験的に国籍のみが人を保護します。もりき和美が95年に述べています。

引用開始。「日本のパスポートを肌身はなさずもっていたために、あのカンボジアのポル・ポト派による下方政策から逃れて日本に帰ってこられた内藤康子さんの例は、私たちにパスポートを持つ効力、つまり国家による国民の保護義務を教えてくれる。何らかの理由で国籍が無い場合、その人は何処の国にも属していない為、どこからも保護が受けられない状態に置かれている。」引用終了」

 

次にCです。無国籍はアイデンティティの崩壊を起こします。

1 無国籍であると、国籍がないことから、アイデンティティの崩壊を起こします。これは実際に起こっていることです。92年の朝日新聞によると、

引用開始。「数年後、予期せぬ国籍問題が浮上。『ずっと日本人として育てられてきたのに、日本政府から『戸籍謄本に名前がない』と切られてしまったんです。』それからタイ国籍を取得する32歳まで無国籍だったという。タイ人社会の底辺の生活を味わい、肉体労働者、バーテン、歌手など様々な職業を経験。(中略)『戦後、自分は一体、何者なんだと自問し、一時は自殺まで考えました。』」引用終了。

2番目です。アイデンティティ崩壊は自殺や殺人を引き起こします。森岡正博が述べています。

引用開始。「アイデンティティが崩壊したとき、その人間は危機的状態に投げ込まれるであろう。いままで自分の生の基盤を形作って、私の自意識や世界観を支えていたものが、突如としてなくなるのである。(中略)ここで、自分が存在し続けていく意味を完全に見失ってしまえば、その日とは死を選ぶかも知れない。あるいは、自分の生の基盤を支えてくれて、自分の生に外側から意味を与えてくれるなにかのイデオロギーや、運動や、人間などを、なんでもいいからつかみとって、みずからの新たなアイデンティティとして当てはめようとするかもしれない。」引用終了。

 

最後にDです。価値判断基準です。国として当然、無国籍を守るべきです。99年1月22日の毎日新聞にこうあります。

引用開始。「親が超過滞在でも、子供に責任はない。日本で暮らしている以上、平等なサービスを受ける権利がある(中略)国連子どもの権利条約は、すべての子供に国籍取得を保障し、日本も批准している。無国籍児を放置しているのは近代民主主義国家として異常だ。」引用終了。

 

最後に論点2です。解決性です。国籍をとると解決します。

 

A 無国籍はいなくなります。なぜなら、無国籍そのものに国籍を与えるからです。

 

B 権利は日本人として当然保障されます。なぜなら、国民に保障される全ての権利は国籍がもとだからです。論点1のBの2番目と3番目の証拠を参照してください。

最後にCです。彼らのアイデンティティも守られます。なぜなら、彼らの混乱は国籍が無いことに発しているので、与えればなくなるのは当然です。時事ジャーナル、ニッチ通信によると、

引用開始。「国籍は必要です。国籍がなければあなたはアイデンティティをもてない。家族、コミュニティ、そして国。あなたは自分をそこで確認します。自分を理解します。」引用終了。

 

以上です。
質疑応答

否定側質疑:市野→竹内

 

市野:はい、ではお願いします。プランが全然聞き取れなかったので、もう一度お願いします。

竹内:はい。a)で、戸籍法の57条に「棄児」という、捨て子についての条件があるのですが、それと同様に、父母が24時間以内に完全に確認できない場合に与えます。b)においては、他国において、その子が国籍を取得することが、不可能な場合、で、c)で、20歳に達するまでに、外国の国籍を取得したことが明らかになったときは、日本の国籍のままでいるか、選択権を得ます。d)で、今いる無国籍には、無条件で国籍取得を許可します。で、e)で、国籍取得後、日本人として、当然福祉を保障します。

市野:はい、分かりました。それで、要は、他国に…b)について、もう一度繰り返していただけますか?

竹内:はい、b)は、他国において、その子が国籍を取得することが不可能な場合です。

市野:不可能な場合…、はい、分かりました。要は、日本に住んでいれば…日本で子供を産めば、その子は国籍を取得する、ということでよろしいでしょうか。

竹内:だから、それは、無国籍なら、ということで…

市野:無国籍…要は、全ての無国籍児は、そういう状態で生まれている、ということなんですか。

竹内:それは…はい。

市野:わかりました。じゃ、933人というのは、全て、こういうプランをやれば、全て救われる、ということでよろしいですか。

竹内:はい。

市野:はい、わかりました。d)のところで、アイデンティティの資料を挙げられましたが…

竹内:d)というのは、c)ですか…

市野:論点d)のところで、アイデンティティの崩壊をすると、殺人や自殺が起きる、とおっしゃっていました。

竹内:はい、c)です。

市野:c)ですか。でも、それで、森岡さんの資料を挙げたのですが、それは、はたして無国籍児だけの話なんでしょうか。

竹内:それは、1の方を見れば分かると思うんですけど、つまり、これ、アイデンティティが…

市野:無国籍児は[アイデンティティが]崩壊することは分かりましたが、じゃ、それは、我々のアイデンティティが崩壊するときと同じ、もしくは違う、どっちなんですか。

竹内:違います。

市野:どうしてですか。

竹内:それについては…というか、とりあえず、私たちの議論としては、国籍の話しか出していないので…

市野:それはわかりますけど、でも、挙げている1の資料が、アイデンティティが崩壊する、と一般的に話をしている、と。だったら、無国籍児と、我々が普段生活していてアイデンティティが崩壊するときと、どっちが多いんですか。

竹内:国籍ですね。

市野:どうしてですか。

竹内:私たちとは違います。なぜなら、国籍というのは、全てのもとですよ。私たちは…

市野:それはわかります。全てなんですが、じゃ、どっちが多いか、という数の違いというのは明らかにしているんですか。

竹内:数の…

市野:数字の違いは明らかにされているんですか。

竹内:述べていません。

市野:はい、わかりました。ありがとうございます。続きまして、ポリオとか、死を待つのみ、という話がありましたが、これは、じゃ、どれだけの人が…無国籍児が死んでいるのか、そういう、特殊な害の状態なのか…

竹内:それについては、述べていませんが、実際に起こっている、ということは確実です。

市野:わかりました。933人全てが、そういう状態に…危険性がある、ということでよろしいですか。

竹内:はい、ただ、それは2300という方の数字を…

市野:では、どれだけの無国籍児が[時間切れ]救われるのでしょうか。
否定側第一立論

否定側第一立論:村上彰慶 TEAMエラ星人

 

じゃあ、何か一応[サンクスワードを]喋ってもいい、という話なんですが、何を喋っていいか良くわからないので…緊張しているので、もうやります(笑)。では、始めます。

では、否定側第一立論を始めます。まず、デメリットを挙げましょう。

 

デメリット1:不法な移民が増加する。

子供に国籍を与えると、それは、不法滞在者に正当な権利を与えることになります。それは、不法滞在者を増やしてしまうことになるでしょう。実際に生地主義を取るアメリカではそうなっています。

資料を引用します。出典は「週刊朝日」92年1月24日号です。

引用開始。「生地主義を取る国では、その国で生まれさえすれば、その国の国籍を取得することになる。米国がその典型的な例だ。ロサンゼルスには、メキシコから不法入国者が大量に入り込んでいるが、仕事の口は少なく、失業者が多い。ダウンタウンのメソジスト教会では、毎週土曜日の朝、そういう職のない不法入国者やホームレスのために食料を配る。一時間以上前から教会の入り口に列ができ、配給開始の頃には百人近くが並んだ。その列の中には、乳飲み子を抱えたメキシコ人夫婦もいた。子供を抱えて大変だろうと話し掛けると、彼らの反応は違っていた。『この子はこっちで生まれた。だから、アメリカの国籍を持っているんだよ。』不法入国してきたメキシコ人夫婦にとって、こちらで子供が生まれたことこそが、これからの生活の希望となっているのだ。」引用終了。

このように、不法移民を許して…生地主義を取ってしまうと、その、子供に、そういう権利を与えることを許すと、不法移民が増えてしまうんです。

じゃ、[不法移民が]増えちゃうとどうなるんでしょうかね。問題点があります。それは、犯罪が増加する、ということです。

資料を引用します。出典は「論座」2000年5月号、関西学院大学教授、井口泰の文章です。

引用開始。「いわゆる単純労働力の分野に外国人労働者が大量に流入した場合、国内の労働力市場の底辺に不安定で労働条件も悪い二次的な市場を作り出すという『二重労働市場』論の指摘がある。とりわけ不法就労の形で二重構造が定着する場合は、劣悪な環境が維持されたまま、一般的な労働市場と切り離されかねない。こうした構造は外国人労働者にとって好ましくないだけでなく、社会的な不安定さを増す方向にも影響する、という見方がある。また警察庁は、不法残留者が増えれば麻薬の密輸などの凶悪犯罪が増えるとともに、外国人自身が犯罪の犠牲者になりやすくなる、と指摘している。また、日本に定住した日系人に対して、差別的な行動がとられたり、いやがらせ事件が起きたりするケースも現実に存在しており、移民・外国人労働者の受け入れを拡大する場合、排外的な動きを生み出さないための努力は必要だ。」引用終了。

このように、凶悪犯罪…まあ、ここでは麻薬の密売とか、そういうものなんですけれども、まず、そういうものが増えたり、外国人労働者自身が被害を受けてしまう、という、深刻なことが起きるんですね。

さらに、そういう不法入国の子供が多い地域では、現在よりも差別的な政策が取られるようになってしまいます。実際にアメリカで教育問題についての例を挙げたいと思います。

資料は、「外国人労働者新時代」2001年3月20日の発行ですね。関西学院大学教授、井口泰の文章です。

引用開始。「アメリカのカリフォルニア州では、『提案189』が住民投票で支持され、不法移民の子供に学校教育を受けさせないことになってしまった。こうした提案が通ったのは、同州には不法移民の流入が非常に多く、しかも同州の付加価値税率が他州に比べて高いという不満と結びついたためである。」引用終了。

例えばですね、今では不法移民の子供とかも、まあ一応ある意味[学校へ]いけるんですけど、そういうのもできなくなってしまう、ということがあって、問題だと思います。

 

つづきまして、[肯定側メリットに対して]反駁をしていきたいと思います。

まず、無国籍[不明]なければならない、とですね、肯定側はだめだ、という話をおっしゃいました。現状でもですね、対策は十分だ、ということを示していきたいと思います。

一点目。現在でも無国籍児に対する支援が行われていて、国籍を取得できる状態にある子供には国籍を取るようにしているんですね、まず。

「海外社会保障研究」2001年春号、日本社会事業大学教授、荻原康生の文章です。

引用開始。「東京都児童相談センターの児童福祉士が、無国籍や未就籍の子供たちの状況を個々に調査検討し、国籍取得の可能性のあるこどもについては、法務省や、各国大使館と折衝し、日本国籍あるいは他の国籍取得を勧めている。」引用終了。

これはまず、国籍を取れる可能性が少しでもある人に対しては、まず、対応している、ということを理解してください。

二つ目。アンデラ君事件、というのを皆さんご存知ですかね。両方とも親がですね、日本人かよくわからないんですけど…父親が、いなくなって、母親がフィリピン人だ、というようなことを言っただけで[母親が]消えてしまって、どこの国の人かわからない、という裁判があったときに、国籍上の…国籍法の方にですね、両方の親の国籍がわからない場合は、もう既に国籍を取得する、という条約が…条例か何か…法律があって、最高裁の判例で、もう、どっちか本当によくわからないときは、もう[日本国籍を]上げましょう、という判例が出ているんです。ですから、現状でも、そういう、どっちの親がわからない、という場合には、解決する、ということを確認していただきたいと思います。

三点目としては、現在でも、無国籍の子供が将来的に簡易帰化できるように、母親を強制送還しないようになっている、ということを示したいと思います。

資料を引用します。出典は、立命館法学、96年6月発行の[不明]の立命館大学教授、二宮周平の文章です。

引用開始。「法務省は、1996年7月30日付けで、日本人代生徒の間に生まれた実子を親権者として相当期間、監護養育し、かつその子が日本人の父親から認知されている外国人母について、一年間の定住を許し、更新を認めるという通達を出した。父からの認知による日本国籍の取得を認めるという方法によらないで、母子が国内に定住することを認め、将来的に帰化の道を開き、安定的な定住にしていく方針かもしれない。国籍法では、日本国民の子で日本に住所を有するものについては、簡易帰化という方法を用意しているからである。正攻法ではないが、少なくとも母子共々の強制送還という過酷さを軽減したことは評価できる。」引用終了。

このように、そういう不法入国の場合でも、短期間の方策を取ることで、強制送還を免れて、日本に[不明]ことができます。

もう一つ、論点としてはですね、一応今でも日本には施設がありまして、そういう無国籍の人は、児童福祉法とか、ならびにそういう法律を使いまして、一応法の下にそういうことをやっている、ということをまた、確認しておきたいと思います。

 

というわけで、現状でも十分なのですが、肯定側は十分でない、と、そういうふうにおっしゃるのであれば…そういうふうにに示すのであれば、ま、小幅修正をとればいいと思います。それは、要するに、子供に権利だけを与えれば十分だ、ということです。そうすれば、権利だけを与える、と。

命題性というのは、[論題が]「国籍条件の取得を緩和すべき」ですから、そういう、権利だけを与える、というのは当然非命題性[的]であります。

優位性については、権利だけを与える場合には、不法な移民、というのが増加しないだろう、と。

競合性については、わざわざ、そうしたデメリットを発生させるもの[プラン]を取る必要は無い、というふうに示したいと思います。

 

そして最後に反駁なんですが、国籍について、アイデンティティの話があったんですが、アイデンティティ、まず一つ言いたいことは、今の人たちと、何が違うのか、無国籍だと、何故アイデンティティがより崩壊しやすいのか、教えてください。

二つ目。[証拠資料の]中にはバーテンダーや肉体労働をやっていて、「自分は何だろうと思った」とありますが、だったら今の肉体労働者やバーテンダーの人は、皆アイデンティティが崩壊して自殺してしまうんですかね。そんな日本じゃないですよね、[時間切れ]皆さん。

 

以上で否定側第一立論を終わります。ありがとうございました。

質疑応答

肯定側質疑:竹内→村上

 

竹内:お願いします。

村上:はい、お願いします。

竹内:まず最初に、あなたは、デメリットを提示されましたね。

村上:はい、言いました。

竹内:デメリットを提示されて、で、次に、現状についての反論を四点。

村上:そうですね、大きくは。

竹内:あと、最後に小幅修正。

村上:ま、そうですね。

竹内:で、小幅修正について最初に述べていきたいんですけど、二点目で優位性を述べましたね。それについてもうちょっと詳しく述べて…詳しくというか、整理してもらいたいんですけど、優位性は何ですか。

村上:優位性は要するにデメリット…

竹内:デメリットが起きない、と。

村上:そうです。

竹内:はい、わかりました。ありがとうございます。で、デメリットの方なんですけど、生地主義…最初の資料で、生地主義のアメリカで不法滞在者が増加している、ということですか。

村上:そうです。要するに、生地主義を取る国では、その国に生まれさえすれば、その国の国籍を取ることになると、資料で言っていて…

竹内:もう一回ゆっくりお願いします…

村上:生地主義を取る国では、その国で生まれさえすれば、その国の国籍を取得できる、と。で、米国がその典型例としてあった、と。

竹内:わかりました。生地主義の国…わかりました。で、その理由として…理由というか、根拠としては、メキシコの人の話を述べていたと思うんですけど…

村上:はい、そうですね。

竹内:そうですよね、ありがとうございます。で、それが原因となって、犯罪が増える、と。

村上:ま、そういうことがあるかな、と。

竹内:で、見ておきたいのは、現状についての分析というのはありますか。現状で犯罪についての分析、というのは。

村上:現状では…これはプラン後の話ですよね。

竹内:はい、わかりました。では、現状の話はない、と。では、次に利益への反論を見ていきたいと思うんですけど、三点目、って良くわからなかったんですけど、もう一回説明をお願いします。

村上:要するに、無国籍の子供が、将来日本に帰化…ま、すぐには与えられないんですけど、将来簡易帰化できるように、母親を強制送還しないような運用ができるようになってきた、という話です。

竹内:母親の強制送還ですか。

村上:はい?

竹内:これは、母親が強制送還をしているのが現状で、ということですか。

村上:そうですね。要するに、母親とか親が、強制送還をやめて、無国籍の子供が帰化しやすい環境を作っていく方向になった、ということです。

竹内:はい、わかりました。じゃあ、つまり、母親を強制送還しない環境が今ある、と。

村上:母親を強制送還…、ま、そうするんですけど、そういうような場合もある、ということです。

竹内:そういうような場合もある…場合もある…。はい、わかりました。あと…すいません、戻っちゃうんですけど、小幅修正の三点目の競合性のところ、いまいちよくわからなかったんですけど…。

村上:要するに、両方取るとデメリットが出る。出ちゃうから、[プランが]いらない、ということですね。

竹内:両方とも取ると、デメリットが増える、ということですか。

村上:デメリットがあるから…そうです。

竹内:なるほど。わかりました。じゃあ…[時間切れ]
肯定側第二立論

肯定側第二立論:庄司佳晃 慶應高校ESS

 

ではまず、彼らの不利益、それからマイナーリペア…小幅修正、それから我々のケースについて、触れて行きたいと思います。

 

まず第一点目に、彼らの弊害は、不法滞在の母親がいる捨て子に国籍を…母親がいる子供に国籍を与える、そうすると不法滞在が増えて、犯罪が増える、という点です。しかしながら、我々のケースの…A)、そしてその1、2を見て下さるとわかるように、無国籍者は捨て子として現れます。その理由を示したいと思いますが、不法滞在であるということは、子供をかくまっている、ということは、国籍を子供に与えなくてもいいと思っている母親です。ということは、国籍が大事、という話について彼らは触れていないし、国籍は非常に大事なわけです。我々のB)から見てくださってもわかると思います。大事なのに与えない、ということは、子供が大事じゃない、ということです。ということは…子供が大事じゃない、ということは、当然子供を捨てる、ということです。よって、彼らの議論はまず、不法滞在者が子供を連れまわっているみたいな前提になっていて、矛盾しているし、我々の利益は、不法滞…我々のA)の1をチェックしてください。不法滞在の子供…不法滞在者が捨ててしまった、その捨て子を守ろう、と言っているのですから、不法滞在者を守ることには、まずなりません。

次に、これに対して…彼らのDA[不利益]に対して、現状でも犯罪は増加する、というカードを彼らは読まれましたが、現状でも不法滞在は増えているわけです。増えているのがさらに増えるから、それがインパクト…それが重要性…それは何でしょう。増えているのが増えるわけ、ありませんよね。現状でも増えているんですよね。ということは、彼らのこの、犯罪増加に対する…犯罪増加の特異性[不利益の固有性]というものがない、ということになります。

 

では、マイナーリペアに触れていきたいと思います…小幅修正に触れていきたいと思います。

彼らの小幅政策ですが、まず一点目として、彼らはアタックしましたが、アイデンティティという問題は確立しないままですので、これにより、重要性が残ります。C)の1、2をチェックしてください。

次に論点B)の1の証拠を参照してください。無国籍で命が…命に関わる問題となるのは、いずれも生後数ヶ月といっていいでしょう。つまり、彼らの小幅修正をとっても[無国籍児は]結局死んでしまうので、早く国籍を与えなければならない、ということがあります。さらに、それらはこれから増加します。A)の3番を見てくださればわかるとおりです。これらを全てを…国籍…生まれたと同時に国籍を与えるということによって守ることが重要です。

次に、三点目としましては、国籍を与えないと、いざという時の保護が不可能です。国籍の持つ効力は経験的に証明されています。我々のB)の3の…現状分析のB)の3のカードを見てくださればわかると思います。よってこれらの害はキャプチャーされませんし、彼らは解決性を示していないので、彼らの小幅修正は立たないと考えられます。

 

では次に我々のケース…我々の論点1に移りたいと思います。

まず、今でも[日本国籍を]取得できる人は取得できる。その議論は、彼らは全く的外れであります。我々の現状分析のA)-1を見てください。ここに二つの理由を挙げました。不法滞在[者]の捨て子、法の狭間に生まれてしまった、不摘出子[非嫡出子の間違い]、彼らは選べないといっているのに、彼らはこの反駁で取得できる人は取得できている、と言っています。それは意味がわかりません。このアタックの意図がわかりません。

次にアンデレの事件で解決されているといいました。しかし、アンデレ裁判で、無国籍に対する国の姿勢が変わった訳ではありません。

奥田教授が96年に述べています。

引用開始。「法務省側は、(アンデレの)判決後の取材に対して、次のように述べている。『最高裁判決は厳しく受け止めるが、国籍の問題は個々のケースによって異なる。判決を受けて特別な対応をするつもりは無い』(中略)さらに、『アンデレちゃんについては、われわれの判断が間違っていたことになるが、国籍付与の対応は基本的に、これまでと何ら変わることはない』。このように、法務省の『国籍付与の対応』が従来と異ならないのであれば、アンデレちゃんが『全国にいる無国籍の代表として』裁判を行った意味はどうなるのであろうか。最高裁判決は、アンデレちゃんを救済することは出来たが、他の無国籍児も救済できるとは限らないのであろうか。」

つまり、政府としての意識が変わらないわけです。プランを取らないと、政府としての意識が変わらない、つまり、他の無国籍児は救済されない、ということになります。

次に、彼らは反駁において、三点目としては…三点目として、簡易帰化できるように、母がいる孤児を、日本に滞在できるようにしている、とおっしゃいましたが、何で…我々のADを…利益を、もう一度見てください。無国籍者が生まれる理由は、A)の1の二つです。不法滞在者の捨て子である、なぜなら、子供が大事ではないから捨てます。二番目としては、法の狭間で生まれた不摘出子[非嫡出子]である。彼らの不利益…この反論…母子がいる無国籍児、それは全く意味をなしません。われわれの議論は、無国籍児は捨てられています。なぜなら、さっき述べましたとおり、矛盾しているからです。かれらの…捨て子じゃない無国籍児がいるなどの議論は、矛盾しているからです。

次に四点目としましては、今でも児童福祉法などで守られているとおっしゃいました。しかしながら、児童福祉法は、国が制定した法律であります。つまり、国籍がある子供…国籍がある棄児を保障しているということになります。しかしながら、無国籍児は、害を、現状で受けているわけであります。それは我々のB)、実際に人権侵害が起きている、の、1、2、3、で、経験的に証明されていることを引用してくだされば、わかるとおりです。

さらに、児童福祉法…もし、[児童福祉法による利益を]得られたとしても、さらに、無国籍児であるが故に、害は大きいわけです。なぜなら、無国籍だから、国民健康保険が得れない。国民健康保険というのは、国籍があることを前提としているからです。さらに、未熟児は、生後すぐに国籍を得ないと、権利の侵害を受けてしまう可能性がある。さらに、教育が受けられない、予防接種も国籍が前提であるから、受けられません。それは、B)の1番のカードで述べている通りです。よって、国籍をあげることが、根本的な解決であり、国籍をあげない、彼らのマイナーリペア…彼らの小幅修正などでは解決できません。国は、国籍を持つものを保障するのです。

 

次に、アイデンティティの問題は、国籍が前提となっていることを、彼らはアタックしていませんので、[時間切れ]立ちます。
質疑応答

否定側質疑:村上→庄司

 

村上:はい、よろしいでしょうか。はい、始めます。まずですね、アンデレちゃん事件…よくわからないんですが、ま、後で聞きますが、判例…最高裁判決が出ても、政府は特別な対応はしない、という話ですよね。

庄司:はい。

村上:でも、一応、判例で決まった、ということは、法的拘束力はあると思うんですけど、それでもだめなんですか。

庄司:いえ、政府の意向は変わらないと、さっき述べたとおりです。

村上:意向は変わらなくても、アンデレちゃんみたいなケースがあったら、判例があるから、また負けるわけですよね。

庄司:しかし、さっきの我々の…この資料を参照してください。

村上:はあ、参照しろ、と…。冷たいな(笑)。まあいいや。じゃあ、参照して考えます。次は、無国籍児っていうのは、ちょっとわからない…やっと気づいたんですけど、捨て子なんですか。不法移民の捨て子が無国籍児ということなんですか。

庄司:はい。[捨て子]だけではないですが…。

村上:だけではない…。どうお考えなんですか。そこをちょっと確認したいのですが。

庄司:非摘出子…

村上:ああ、要するに、婚姻関係になき人が生んだ、嫡出子ですね。

庄司:あ、嫡出子です。

村上:まあ、高校生にそれを言うのは酷ですから、まあいいとしてですね(笑)、ああ、なるほど、はい、要するに、無国籍の捨て子と、嫡出子の、二つの例が出ましたですよね。その人たちを救おう、という話ですね。

庄司:はい。

村上:はいはい、わかりました、わかりました。なるほどなるほど。次なんですが、いろいろ議論があった…アイデンティティの話をしましょう。アイデンティティは、なぜ、無国籍の人は壊れるのか、もう一度教えてください。よくわからなかったので。

庄司:では、説明しますが、論点2のC)を見ていただきたいのですが…

村上:論点2の資料ですね。はい。

庄司:アイデンティティというものは、国籍を元にして確立するわけです。何でかというと…

村上:何でかというと…

庄司:国籍、要するに、自分がある国に属している、ということで、自分をこの国の人間である、と確認する、それがアイデンティティだからです。

村上:その、国…自分がこの国にいる、と確認するのがアイデンティティなんですね。はい、わかりました。はい。で、それが、じゃ、無国籍だとなくなるんですか。

庄司:ないです。

村上:自分がどこの国にいるかと確認できないから…

庄司:でしょう。それは国籍によって証明される…

村上:じゃ、それだと、次ですね、自殺とか増える、と、何で自分がどこの国にいるのかわからないと自殺するんですか。その辺がよくわからないんですけど。

庄司:この…先ほど、カードをたたかれたと思うのですが、その最後の二行に、「自分はどこに属しているのだろうか。自分は何者なんだろうか。ということで、自殺を考えた」と言っています。このカードは、肉体労働をしているから自殺、とか、あなたがおっしゃったような、肉体労働をしているから、アイデンティティが崩壊…

村上:あ、わかりました。要するに、どこに所属していいかわからない、わからないから自殺するんですか。

庄司:はい。

村上:本当ですか?

庄司:はい(笑)。

村上:いや、わかりました。じゃ、行きましょう。続きまして、あと聞きたいのはですね…、あと、そう、児童福祉法とかでは、保障できていない、って話しなんですけど、その、国が作ったからだめなんですか。

庄司:児童福祉法というのは、当然、国が自分の国民であるこどもを守る…

村上:それ、どこで言いました。その話は。

庄司:あなたはどこで、国籍が無くても大丈夫、と言いましたか。

村上:じゃあ、わかりました。それはそうですね。ということは、じゃあ、もしかしたら、今でも、無国籍の子でも、そういうふうな学校とか、そういうところにいけるようなことをすればいいんですね。してあげれば…

庄司:さっき言いまして、そこの点に関してはさっき言いましたとおり、その…例えば児童福祉法で、じゃ、保護されているとしましょう…[時間切れ]

村上:ありがとうございます。
否定側第二立論

否定側第二立論:市野敬介 TEAMエラ星人

 

はい。村上君がやらなかったサンクスワードとやらを私が代わりにやりたいと思います。

やります。本日我々、誰も先生みたいなものもいないところで、名古屋から準備してきました。唯一の協力者は、全国教室ディベート連盟東海支部の副支部長の笠井先生で、プリンターが、うちは壊れてしまって、やばかったんですけれども、先日「使っていいよ」と、貸してくださって、大変お世話になりました。[不明]の韓国料理もうまかったと思います。

とりあえず、名古屋で一回大会を開いていただきたいな、というのがあります。名古屋には、これから多分、僕らの下の世代の子がいっぱいディベートをやりたいなと思っている子がいると思いますので、是非一回、こういう大会を開いていただけると、違ったディベートがわかる、雰囲気がわかると思うので、是非、ご検討いただきたいです。

では、始めます。

 

ここでは何をするかというと、デメリットについての議論を見ていくことにしましょう。我々のデメリット、不法移民が増えて、結局それが犯罪を増加し、[移民が]多い地域に対し差別的な政策が起こるよ、ということでした。それは何かというと、要は、肯定側立論において、それは捨て子なんだから、意味が無い、とか言うことをおっしゃいましたが、違うんです。じゃ、捨ててしまえば、それは日本国籍を取得できてしまう。そうすると、逆に、日本国籍を取得する可能性を増やしてしまうわけですから、何ら問題は無いです。デメリットは消えるはずです。で、同じように、日本国籍を希望として送る母親がいるわけです。そうすると、結局後で取りに来るケースだってあるんです。

証拠資料を引用します。出典は1995年3月17日の西日本新聞の中の、日赤医療センター付属乳児院の坂田あきお院長の話です。

引用開始。「子供を残して消えた女性が後で金をためて引き取りに来るケースがある。そのとき母親と国籍が違うと面倒なことになる。」引用終了。

後で取りにくるケースだってあるわけです。逆に、捨ててしまえばいい、そうすれば、どんどん不法移民が増えていく。これは、増えていくことは間違いないでしょう。そうすると、捨て子であってもこのデメリットは発生する。さらに、犯罪が増加する。そうするとどうなるか。国民に対して、それはいけないことになります。

まず犯罪が増えるかどうか、ということについてなんですけれども、人が…エスノセントリズムという考え方がありまして、要は、結局、排外主義が…移民が増えるわけで…、要は、結局…「出て行け」というふうになってしまうわけです。

証拠資料は、雑誌「論座」2000年5月号、一橋大学大学院教授、内藤正典教授の文章です。

引用開始。「日本も含めて、あらゆる国家は統合の原理や原則をもっている。日本のような擬似同質的な社会では、それが何であるかを客観的に見極めることが難しい。移民はときとしてホスト社会の人々が当然としてきた価値や規範に対して異議申立ても行う。言うまでもないが、私たちの常識が彼らの常識とは限らない。それをどこまで認めるのか。認めないのなら、それをどう説明するのか。そのうえで、どのように共存を図るのか。国民と外国人との間の権利関係を十分に議論しておかないと、異議申立てに直面してうろたえ、感情的な反発を引き起こすことになる。それが結果的に、日本は日本人の国だというエスノセントリズム(自民族中心主義)を高揚させ、排外主義の引き金となることを移民大陸ヨーロッパの現状は教えているのである。」引用終了。

確かに小さいかも知れませんが、結局、そこに反発が起きてしまう。さて、肯定側は何を言ったかというと、そういうことに関しては全く言っていない。数が増えるかどうかわからない、ということですが、とりあえず、移民の数が増えることはいえる。しかも、不法にやってくる。しかも、移民の子で、でも、権利だとか申立てられたら、怒っちゃう人もいるかも知れません。そういう可能性を増やすこと自体が間違っているのではないか、ということです。

また、アイデンティティが崩壊するような子供がいた、という話なんですが、そういう子のアイデンティティが崩壊する要因が、こういうところに出来ているわけです。エスノセントリズムで、「出て行け」、じゃあ、私は一体何なんだ。日本国籍をもらったというのに、何で私は、結局差別されなきゃいけないんだ、「出て行け」と言われなきゃならないんだ…何ら変わりは無いですよね。そうすると、結局アイデンティティの崩壊という話と、どれだけ数がわかりやすくなるか…日本人にとって、そういうことを生み出すのは良くない。さらに言えば、アイデンティティの崩壊に関しては、結局わからない、ということがわかるわけであります。

また、差別的な政策が起きる、ということについても、起きない、ということは何らおっしゃっていませんので、これは、わかると思います。

では、デメリットがある以上、これは…このプランは、取るべきではない、ということでした。

 

さて、つづきまして、肯定側第二立論についての反論をしていきたいと思いますが…、要は、国籍を上げないとだめなんだ、ということがありましたが、じゃ、国籍だけ上げないで、権利を上げると…同じように上げると、どうしてそれが救われないのか、ということを、肯定側はおっしゃってください。そうしないと、この議論は無効です。要は、権利を上げればいいわけですよね。国籍をわざわざ上げる必要は無い、ということでした。では、唯一残っているのが、国籍がないと、外交的な効果が無い、というお話だったのですが、これは、日本に…外国人が、日本に何ヶ月か合理的に住めば、結局日本国籍を取ることはできる現状となんら変わりはないわけです。それだったら、もし救われなかったら、[日本国籍を]取ればいいんです。それで、取ればいい…何年か住んで、ちゃんと取ればいいわけです。ですから、結局この話もありません。肯定側のメリットで残るところ…我々の言ったカウンター…マイナーリペアですね…権利さえあげればいいじゃないか。何で国籍を上げる必要があるんだ。で、国籍を上げると、[不法移民が]入ってくる、ということです。ですからそうすると、メリットの話は全て、我々のマイナーリペアを取るだけでいいんじゃないか、ということになります。

 

さて…、非嫡出子、という話がありました。非嫡出子、というのは、要は、認知した…認知が後であるといけない、ということなんですが、捨て子の場合は、母親がもうわからない状態なんですね。捨て子だというのに、どうして母親がわかるのか、よくわからない。認知をすればOK…違う…要は、問題点は、捨て子というのは、親が本来、わかるんですか、それは。そうすると、不法滞在…不法滞在というのは…不法滞在者が捨ててしまった子供が、どうして親がわかるのか、というのは、わからない。じゃ、誰だかわからないのに、国籍を上げてしまうのは、問題なのではないかということが…こう言って終わりたいと思います。あれ、おかしいな…(笑)。[時間切れ]

すいません。


質疑応答

肯定側質疑:庄司→市野

 

庄司:では始めたいと思うんですが、最後に強調してくださったんですが、誰の子かわからない…

市野:はい、そうです。

庄司:誰の子かわからないのに、母親が取りに来るんですか。DAのサポートっていうんですか…

市野:それはでも、それは、あれですね、誰がそれ、日本の中でそれは、誰の子か、母親が…

庄司:誰の子かわからないんですよね。

市野:ええ…

庄司:国がそれを母親だと認めてあげるんですか。

市野:認めてあげるんじゃないですか…。ん、といいますと…

庄司:誰の子かわからない…

市野:ええ、誰の子かわからない…

庄司:誰の子かわからないのに、政府は、母親が取りにきたら、じゃ、返してあげます、と、子供を返すんですか。

市野:そりゃ、ちゃんと証明されれば、返すでしょう、それは。

庄司:でも、誰の子かわからない…証明できない、とおっしゃったんですよね。

市野:そうですね。

庄司:わかりました。じゃあ、次に行きたいと思います。じゃあ、捨てると、皆捨てますよ、と、で、後で取りに来ますよ、と。何で捨てるんでしょう。

市野:国籍を上げるからでしょう。

庄司:国籍を取る…

市野:捨て子にしておけば、国籍を取る、という状態を作っておくことがいけない、と…

庄司:それを…それほど、子供が憎いんですか(笑)。

市野:憎いから捨てるわけではなく…

庄司:捨てたら、だって、どういう害が起きるかわかりませんよね。

市野:そうですね。でも、捨て子というのは…全く…

庄司:じゃ、次に行きたいと思います。犯罪が増加する。

市野:はい。

庄司:どれくらい増加するんでしょうか。今の増加より激しい増加をする…。

市野:それはそうじゃないかな、ということを…

庄司:今の増加より激しい増加をする、と…

市野:ちょっとまって…

庄司:はい、わかりました。次に行かせていただきます。移民が増加して、と…移民が増加する…移民が増加…日本が日本人の国であって、排他的になる、と…

市野:そうですね。

庄司:日本国籍を得れば、日本人ですよね。むしろ、じゃ、今の方が排他的なんじゃないですか。無国籍だから、じゃあ、嫌です。でも国籍を得れば日本国民です。じゃあ、仲間に入れましょう、と…

市野:それでも、移民の子であることは確かですよね。

庄司:でも、日本国籍を持っているのだから、日本国民ですよね。

市野:ああ…

庄司:ああ、じゃ、はい、わかりました。

市野:日本国民ですが…

庄司:はい、じゃ次行きます。では、で、マイナーリペアに関してですが、この優位性は、ディスアドだけ、と…

市野:ディスアドって?

庄司:あ、不利益。

市野:ああ、はい、そうです。

庄司:はい、わかりました。では、小幅修正で、権利は足りる、と…

市野:権利は足りる…

庄司:国民として得る権利についての話は…

市野:もう一回お願いします。

庄司:国籍が無い…ああ、じゃ、後で国籍を、じゃあ取りあえず、権利を認めていればいい、と…。

市野:はい。

庄司:それまでの期間は、国民としては保護されない、ということは認めてくださったんですか。はいかいいえでお願いします。

市野:あ、そうそう、そうです。

庄司:はい、わかりました。では、あとは…、アンデレの事件に対する反論には触れていらっしゃらない、という認識でいいですね。

市野:あ、それは、否定側第一反駁で…

庄司:はい、わかりました。それから、誰の…、はい、じゃあ、わかりました。ありがとうございます。

市野:はい。[時間切れ]

否定側第一反駁

否定側第一反駁:村上彰慶 TEAMエラ星人

 

はい、じゃあ始めさせていただきます。パートナーが混乱しましたが頑張ります。

 

まず一点目、アンデレちゃんの例です。アンデレちゃんの例は、色々おっしゃっていたのですが…すいません、私が勘違いしていたので、一応、アンデレちゃんについてのケースの資料を読みます。

雑誌「世界」94年6月号、弁護士、中川明の文章です。

引用開始。「…原告・アンデレ君は、91年1月18日、長野県小諸市の病院で生まれた。父親はわからない。母親は出産直後、東南アジアの国(フィリピン国?)から出稼ぎにきた女性だという以上に自らを特定するに足りる資料・情報を残さないまま、行方不明になった。国籍法2条3号は、『日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき』子は日本国籍を取得する、と定めている。アンデレ君は、法の定めるこの要件に該当すると届けられたが、法務当局は母親が『知らないとはいえない』として、出生の時に日本国籍を取得したことをみとめなかった。」引用終了。

で、これは何を言いたいかといいますと、この例は、一応フィリピン人かも知れない、ということが残っていた、ということが問題です。肯定側が最初に言っていたことは何かというとですね、捨て子…捨てている子なんです。もう捨ててあるんです。国籍が、もうわからない…全然わからない子なんです。だったら、今の国籍法の第2条第3号で、明らかにどっちの親もわからないわけですから、助かるわけですから、これは、わざわざプランを導入する必要は無い、ということを、まず、ジャッジの人は確認してください。このことは、まず最初に私が勘違いした、ということで、すいません。

で、非摘出子[非嫡出子]の話ですが、次、二つ目に述べた…非嫡出子ですね。すいません、混じってしまいましたが…非嫡出子がどうこうという話があったのですが、これは大事なことなんですが、いいですか、非嫡出子…よくおっしゃるのは、公認していない場合、認知していないと…父親が…国籍をやるやらない、という話だと思うんです。だったらわざわざ国籍条項を大幅に緩和する必要もなくて、ただ単に、そういう…認知後もOKとだけ言えば、もうこのプランは…この問題は解決されるんです。だから、わざわざ論題を肯定する…日本国籍の取得条件を大幅に緩和する必要は無くて、ただ単に嫡出子も、認知後にOKと言えばいいだけなんだ、つまり、そんなたいした話じゃないんだ、ということを確認してください。

続きまして、数をおっしゃってました。933人だ、2309人だ、という話がありましたが、この無国籍児が、肯定側が言っている、助かる無国籍児の数か、肯定側が、無国籍児が発生する理由に挙げていた数と合っているかどうか、まずわからない、ということを確認してください。

さらに、この…合っていたとしても、じゃあ、これで本当に無国籍児が解決するかどうか、というのはわからないです。まず一つ、そういうことを確認してください。

続きまして、一個一個確認していきます。まずですね、児童福祉法の話なんですが、児童福祉法では学校に行けるとか行けないとか話があったんですが、一応ここにですね、ジャーナリストの阿部菜穂子さん、中央公論の2001年3月号の中にですね、こう引用しています。

「子供たちは施設で暮らせば18歳までは児童福祉法に守られて学校にも通える。」引用終了。

このようにですね、児童福祉法というのは、無国籍とか、そういう人…これは、よく言う、強制送還、日本に見捨てられた無国籍児たち、というのがあるんですが、そういう無国籍児の子たちに対しても、最低限度に関しては、権利が児童福祉法で保障されている、ということを、ジャッジの方は確認していただきたいと思います。つまり、わざわざプランを導入する必要は無い、ということです。

つづきまして、簡易帰化について。簡易帰化についても、色々あったんですが、要するに、簡易帰化を取得することについて、そういう…将来、無国籍の子も、国籍を取得できる…しやすくなっているんだ、ということは残っている、ということを確認して欲しいと思います。ここも確認して欲しいと思います。

続きまして、アイデンティティの話に行きたいと思います。アイデンティティの話。質疑で聞きました。アイデンティティというのは、国…どこの国に所属しているかどうか、という話で、無国籍児は、どこに所属しているかわからない、だから自殺するんだ、とおっしゃいました。本当にそうなんでしょうか。無国籍児といったって、色々…いくら日本が無国籍児にひどいことを仮にしていたとしても、ある程度はそういう保護をしますでしょうし、施設では色々な友達もできるでしょう。いろいろな人間関係ができるでしょう。そういう人が、何で無国籍児だと皆死ぬんですか。そりゃ滅多な理由じゃないですよね。ということをまず確認して欲しいと思います。ということは、言いたかったのは、無国籍児だからアイデンティティが崩壊して死ぬんじゃなくて、アイデンティティがある人、無い人の問題で、それは、無国籍児だからアイデンティティがなくなっているかどうかはわからないんですね。[時間切れ]よろしいでしょうか。

ありがとうございます。

肯定側第一反駁

肯定側第一反駁:竹内直志 慶應高校ESS

 

始めさせていただきます。まず最初に、弊害に行った後に、小幅修正、その後に私たちの利益の最初から見ていきたいと思います。

 

まず最初に、弊害なんですけど、これは、彼らの二番目の資料で述べているように、現状でも[不法移民が]増えている、という証拠があります。で、これについて彼らは何も述べていません。つまり、現状でも、犯罪が起こっている、ということです。これについて、彼らはプラン後にどれだけ増えるか、ということは証明してはおりません。つまり、どういうことか、この弊害は、プランに固有に起こるものではない、ということです。これを考慮してください。

次に、彼らは、捨て子…捨てた後に、日本国籍を取るために、母親が戻る、ということを述べて、これについての資料を引用しましたが、私たちの反論としては、第一点目に、別に、親に、取りに来たからといって、日本国籍をあげるとは言っていません。

次に、二点目としては、彼らの資料は、親が…日本…子供を取りに来た後に、日本国籍を取得したとまでは、言っておりません。つまり、その辺は不明瞭です。

三番目に、これについて異論はありません。しかしながら、捨てる親の動機が示されておりません。親は、[子供のことが]それほど憎いのですが、という反論がありましたが、で、理由はこっちの方がもっともです。

次に、彼らは、第二立論において、エスノセントリズムの話を出しましたが、これについて、確認してもらいたいのは、彼らの資料は、国籍が日本である、ということが前提になっております。つまり、現状では彼らは日本国籍を持っていないので、むしろ差別を受けている、と。しかしながら、プラン後に国籍を取れば、それは解決される。むしろこれは私たちの利益となることになるので、少なくとも、彼らの、この…エスノセントリズムについては、立たない、ということになります。

 

その他については、彼らは第二立論では伸ばしておりませんので、次にマイナーリペアに移りたいと思いますが、これについて、彼らは、優位性の点で、外交的な保護は、帰化すればよい、と言いましたが、彼らは、現状で簡単に帰化できるという…簡易帰化、と言って、言葉だけでだまされてはいけません。簡易帰化、といっても、別に簡単とは述べておりません。で、帰化すれば良い、と言いましたが、別に、帰化が簡単にできる、という証明は述べていませんから、結局外交的な保護は受けられない、ということを、彼らが、実際自分たちで言っております。これについては、ちゃんと考慮していただきたいと思います。

 

で、次に、利益の方に行きたいと思います。

彼らは、親が…第二立論の最後で、親がわからない、と言いましたが、まったくそのとおりで、彼らはほとんどが孤児であります。

次に、私たちのA)の1において、非嫡出子の話が出ましたが、彼らは、これは、認知を生後でも認めればよい、と言いましたが、これは、どういうふうに捉えるかわかりませんが…、これは、現状で解決されるとは、全然述べておりません。しかも、これがもしカウンタープランなら、これは完全にトピカルで…論題を充当している、つまり、国籍の取得条件を緩和しているので、全然こちらのイシューと…議論となるので、これは私たちの方に考慮していただきたいと思います。

で、次に、アンデレの話で…ありましたが、結局彼らは最高裁判決でそういうふうになったとは述べておりますが、私たちの資料は、法務省の資料です。実際的に、無国籍を管理する…管理というか、国籍を与えるか与えないかの判断は、法務省でなされます。アンデレの場合は、裁判に訴えましたが、全員が裁判に訴えるという可能性はありません。つまり、最高裁がこんなことをいった、だけでは、解決にはならない、つまり、私たちのプランを取らなきゃいけない、ということです。

次に、彼らは、児童福祉法で学校に行けて、最低限の…と言っておりましたが、これについては、結局、前提が国籍…、この、児童福祉法の前提となっているのが国籍、という点については反論がありません。しかしながら、私たちのA)の…すいません、B)の、1と2とを見ていただければわかるのですが、全て、権利の前提となっているのは国籍なのです。国籍が無ければ、結局なんだかんだ言って、最後には…結局権利を最大限には認められて[時間切れ]いないということになってしまうのです。ありがとうございました。
否定側第二反駁

否定側第二反駁:市野敬介 TEAMエラ星人

 

はい、では、先ほど私の理解の違いによって、混乱してしまい申し訳ない…混乱させてしまって、申し訳ありませんでした。

 

では、始めたいと思います。まずですね、要は、肯定側のプランによって救える人は何人か、という議論なんであります。人数…933人、という資料がありました。これは、「野の花の家」の施設長、花崎みさをさん、児童養護施設の方がこう言っています。「世界の児童と母性」2000年4月号より引用します。

「1997年末現在の4歳未満の無国籍児は933人、未成年全体では1116人が確認されている、と法務省が公表している。これは不法滞在ではあるが、出生届を居住する市町村に提出した子どもの数である。」引用終了。

要はですね、不法滞在、といういうだけで、結局、何人が捨て子なのかはよくわからない、という議論で、さらに、捨て子…親が捨て子…である…捨て子で、親がわからないということが、どうしてわかるんだ、という議論が、我々否定側第二立論で言いましたが、それは良くわからない、そうすると、肯定側で、結局、「権利の侵害だ」「アイデンティティの崩壊だ」「自殺するぞ」「俺は一体何なんだ」そういう子は一体何人救えるんですか。それが、否定側の最後の議論でおっしゃっていたことです。要は、何人救えるかわからない…議論…メリットについて、我々は、デメリットはあるよ、ということで、結局、これは取るべきではない…このプランは取るべきではない、と主張したいと思います。

 

では、デメリットに移りたいと思います。

さて、肯定側は、固有性が無い、という話をしました。要は、プランを導入しようがしまいが、どれだけの差があるかわからない、ということを言いました。しかし、捨て子で、結局、あとで取りに来るケースもあれば、結局、不法滞在とかで、そういう子が増えていく可能性があるわけです。そうすると、今よりそういうケースが増えていく。逆に、それが多くなっていくと、差別的な政策が取られる余地もあるわけです。そうすると、デメリットは、今よりも多く…より多く発生するだろう、ということになりました。

 

さらに、次に、メリットについてに戻りますが、メリットについて、我々は小幅修正を挙げました。権利だけをやればいいじゃないか、と。それに対して、肯定側第二立論で、国籍をそもそも上げないと、権利の元は発生しない、などといいましたが、それは何でなんですか。国民保険だって、例外を作ればいいじゃないですか。結局、国籍がなくても、それは、どうして…国籍が無くても、権利だけ上げれば良い、ということについては、何も反論していないわけです。結局、国籍を上げないといけない、上げないといけない、とは言っていますが、じゃあ、国籍を上げても、権利だけ上げることはいいのか、悪いのか、については、否定側…違う、肯定側は論じていないわけです。結局、我々のマイナー…小幅修正を取ったほうが、より、権利の侵害…そういうことに、より救えるのではないか、ということがわかると思います。

ということで、では、最後に、メリットがあるかどうかについて、もう一度、最後に検証した…ごめんなさい、アンデレちゃん事件がありました。アンデレちゃん事件、この人のことがありましたが、結局、判例によって、変わって行く余地がある、ということです。それはご確認ください。そうすると、プランをわざわざ導入しなくてもいい、ということです。法務省は絶対やらん、と言っていますが、裁判を起こせば変わる余地がない…変わる余地が無いかどうかについては、立証されていません。また、裁判…アンデレちゃん事件だけではなく、いろんなところで起きてます。そうすると、結局、プランを導入しなくても変わっていく余地は、法律によっても、あるわけですから、わざわざこのプランを導入する必要はない。しかも、捨て子だけですから、しかも、捨て子だということを、どう確認すればいいのかという疑問にも答えられていない。そうすると、結局、わざわざプランを導入する必要はない、ということでした。

さて、アイデンティティなんですけれども、これは、じゃ、今、アイデンティティが崩壊したこ…日本人だってアイデンティティが崩壊するわけです。では、その差がどうなのか、ということが示されていないので、じゃ、今よりも増えるか、ということについてはわからない。ですから、アイデンティティもないわけです。

では、デメリット。結局、不法移民の子が増えて、理解の違いによって、軋轢が起きる、で、しかも、犯罪が増加し、[不明]に対して差別的な政策が起きるんだ、ということでした。わたしと村上だって理解の違いが起きました。軋轢が起きています。問題です。ですから、今日これ…ごめんなさい…最後に…以上です[時間切れ](笑)。[拍手]

ありがとうございました。

肯定側第二反駁

肯定側第二反駁:庄司佳晃 慶應高校ESS

 

では、最初に全ての議論を見渡してから、個々のケースに入っていきたいと思います。

 

まず、全体的にですが、我々の提示した利益、無国籍に対してです。

まず、現状分析で、無国籍はひどい、という立証が立ちます。なぜなら、彼らがしましたアンデレの判決、この最高裁の一件のみです。しかしながらこれは、国の動機を変えない、という主張に、彼らは正しい反駁をしていません。その議論を伸ばしてください。

さらに、非嫡出子だけ救えばいいじゃないか、この議論は、明らかに我々のプラン内でありますので、トピカルである…命題的である、と考えられます。

さらに、彼らは、日本人だってアイデンティティが崩壊する、と、おっしゃいましたが、我々のアイデンティティの前提を見てください。彼らはこれを否定していません。論点2の資料を見てください。アイデンティティとは国籍です。日本人がアイデンティティ崩壊を起こすという証明は、彼らから最後までありませんでした。日本人はアイデンティティ崩壊を起こしません…ほとんど起こしません。なぜならアイデンティティとは国籍だからです。我々の現状は立ちます。そしてそれらが、国籍取得によって解決されます。無国籍者が必ずいなくなるからです。我々の論点2を伸ばしてください。

 

しかしながら、彼らのマイナーリペアですか…これは明らかに優越性が立ちません。なぜなら、外交保護をしなくても、後から帰化すればいい、しかしながら、彼らが認めてくださった、その、帰化までの間の人権侵害は、必ず残るわけです。簡易帰化まで。しかも、簡易帰化がどの程度簡単か、彼らは示しませんでした。私たちの第一反駁の意見を参照してください。よって、少なくとも、帰化までの間は人権侵害を受ける、といことを、彼らは認めてくださいました。さらに、よって、それらの権利は保障されない、これによっては保障されません。

 

さらに、彼らは、どう捨て子を確認するんだ、と、最後に意見がでましたが、この意見…論点1のA)に来た議論ですが、明らかに新出議論であります。それをまず、頭に置いていただきたいです。さらに、捨て子を確認したから、2000人以上、という数を提示しているわけです。われわれの3番を見てくださればわかると思います。よって、明らかに2000人以上、そして、これから増えていく、という点には、彼らは反駁をしませんでした。これから増えていきます。国際化なんかで、こう、増えていくわけです。無国籍児が、しかも、捨て子が、増えていくわけです。彼らの権利を保障してあげることが、国としての最大の義務、そして、子どもとして、日本国民として、生きること、日本で生まれた無国籍児が、日本国民として生きることが、無国籍児としての…今いる無国籍児としての、最大の権利であるわけです。

 

では、個々の議論に入って行きたいと思います。

我々の論点1ですね。彼らは最終反駁まで結局伸ばした反駁が、人数がわからない…新出議論である上に、人数がわかるから、2000人以上と、我々は提示しているわけです。彼らの1116人というものにのっとっても、1116人確認されているわけです。

次に、判例も変わるかも、と言いましたが、判例は変わりません。我々のこれに対するサポートのカードを引用して…参照してくださればわかります。

 

では、彼らの…時間がないので…彼らの不利益に対して触れていきたいと思います。

まず、不利益ですが、彼らは、増えていく可能性がある、と言いました。しかしながら、現在増えている、という我々の主張は、彼らは認めました。現在増えていくのが…増えています。それは彼らは認めました。そして、彼らは最終反駁において、これから増えていく可能性がある、と言いました。結局増えているんです。よって、これによる特異性[固有性]がまず、絶対にありえない、といった、特異性がない、ということを確認してください。

さらに、彼らは、捨て子を結局取りに行く、と。捨てるのに何で取りに行くのか。捨てるということは、大事じゃないから捨てる。なのに、何で取りに行くのか、結局最後まで証明できませんでした。それは、我々の第一反駁の議論と同じです。結局、その、捨てる、という動機が示されていないので、彼らの不利益は、不明瞭であるし、さらに、これから増える、どの程度増えるのか、さらに増える、という議論は、彼らは矛盾しているという点について、彼らは結局おっしゃっていませんでしたので、まず、これは、とても希薄になります。

 

子供、子供、それは、これから未来があります。その子供を、日本政府として救うこと、それが日本政府の最大の義務であります。以上です。[拍手]



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