第9回JDA春期ディベート大会決勝戦
マーチ1号 対 AK2brains 論題:日本政府は教科書検定を廃止すべきである。 2003年3月8日 編集:安藤温敏 はじめに 2003年3月8日、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)にて、第9回JDA春期ディベート大会が開催された。20チームが3試合の予選を行い、勝ち数と得点により、AK2brainsチームとマーチ1号チームが決勝戦に進出した。決勝戦の審査員は、瀧本哲史氏(ジャパンマネージメントアンドインベストメント)、波江野武氏(トーマツコンサルティング)、別所栄吾氏(社会経済生産性本部)、安井省侍郎氏(厚生労働省)、矢野善郎氏(東京大学)の5名。このうち4名の審査員が否定側に投票し、AK2brainsが優勝した。また、審査員の協議により、AK2brainsの土田逸朗氏がベストディベーターに選出された。 本トランスクリプトは、この決勝戦の模様を記録したものである。トランスクリプト作成にあたっては、当日撮影されたビデオテープをもとに、ディベーターの喋った内容を極力そのまま記録し、さらに、各ディベーターによるチェックを行った。また、トランスクリプトの後に、予選の結果および、試合内容の理解を助けるためのフローを添付した。 本トランスクリプト中に引用されている証拠資料(エビデンス)については、一切検証作業を行っていないため、使用の際は、原典にあたり、問題のないことを確認してから引用していただきたい。 |
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肯定側第一立論 | ||
肯定側第1立論:田畑法子 マーチ1号 |
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質疑応答 | ||
否定側質疑(赤津→田畑) 赤津:では、質問してよろしいですか。まず、メリットについて確認したいのですが、メリットは、学問の自由…教育の自由と、あとは、ナショナリズムから解放される、という2点でよろしいですか。 田畑:そうですね、表現の自由と…はい、そうです。 赤津:はい、もう一個確認したいのですが、これはつまり、歴史教科書について、トピックを絞っている、ということなのですか。聞いていると、その…自衛隊の話であったり、歴史教科書の介入であったり、という話があったのですが、歴史教科書について、少なくともこの2点は、絞っている、と見ていいのですか。 田畑:はい。 赤津:はい、では、メリットの方をちょっと確認したいのですが、現在、権力が介入する、とあるのですが、これはどういう…、歴史的事実について、権力が介入して、その結果として何が起こっているか、ということを、もう一度確認したいのですが…。具体的な事例はありますか。権力が…何か変えられました、という…。 田畑:立論では… 赤津:立論では、無い…。 田畑:はい。 赤津:その次に、何か、自衛隊について、どちらかというと国家よりの教育をしている、という話があったのですが、それによって、結果として、日本人は自衛隊を認めている方向、という風なことがいいたいのですか。それとも、実際に… 田畑:そうですね、勇んで派兵に応じるような若者づくり、という風なことを… 赤津:実際に若者は、派兵に応じているのですか。何か日本でも、イラク戦争に反対している人が、デモとか行っている気がするんですけど、その点については、どう思われますか。 田畑:それはわかりません。そういうような教育をしている、という… 赤津:している。はい。あと、判断を誤る、という話の中で、押しつけ教育によって流される、という話があるのですが、これは、誰の押しつけ教育なのですか。先生が、押しつけ教育をすることによって、流されるのですか。…生徒が。 田畑:ま、日本のような…、ですから、国の押しつけ教育、ということです。 赤津:すなわち、政策採択後はどうなるのですか。何か、私の考えだと、教師が押しつけ教育をして、生徒は変わらないんじゃないかな、という感じがするのですが。 田畑:… 赤津:その点は、どう考えられますか。 田畑:分かりません。 赤津:はい。最初の、メリットの前の、検閲の話なのですが、検閲の定義というのが、何だったのか良くわからなかったのですが… 田畑:すいません。 赤津:…検閲の定義というのは、どういう… 田畑:はい、では、もう一度読みます。「言論・表現を事前に抑制し、情報の伝達を阻害すること。日本国憲法21条2項は検閲を『絶対的』に禁止することを規定している。」です。 赤津:それは、もしも、事実と曲がったことを教科書が書いて、それを阻害してもだめだ、ということですか。そういう内容ではないのですか。 田畑:そうです。 赤津:そうですか、はい、分かりました。[時間切れ]ありがとうございます。 |
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否定側第一立論 | ||
否定側第1立論:土田逸朗 AK2brains まず第一に、大会の運営の方々、すばらしい運営をありがとうございます。このような機会を与えてくださったことに、感謝します。審判の皆様、アドバイス、本日は本当にありがとうございました。これからも、このアドバイスを参考にして、今日もスピーチさせていただきたいと思います。地元の東北大学ESSの皆様、試合やモデルをしてくれたりして、どうもありがとうございました。最後に、僕へディベートの楽しさを教えてくれて、今の僕がここに立っている、その源となった赤津さんに、心から感謝の意を、改めて表したいと思います。今日も、研究室をサボって来てくれた、ということで、赤津さんの情熱は、本当にすばらしいと思います。 では、スピーチを始めたいと思います。 デメリット1:デメリットは、教科書の質の低下です。 競争原理は、採択される教科書の質を低下させると考えます。 論点1:現状では、教科書検定制度により、間違いのない教科書の中から採択することになります。検定制度が誤りを食い止めている例として、現場の声を引用したいと思います。教科書検定現場に長年携わる佐藤高明氏は、1982年にこう述べています。 「ことほどさように、白表紙本とは誤りが多いのであって、こういうことからも、教科書にはどうしても検定が必要なことがわかる。野放しにして自由に発行販売させてしまったら、とんでもない教科書が出回ることになりかねないのである。」引用終わり。 さらにプラン後、いろいろな教科書が自由に市場にでることができ、自由競争原理が働きますが、今は競争原理が働いていないため、チェックする教科書の数も限られています。 論点2:競争原理が働くと、採択されるためにすばらしく見せようとして、内容が膨大になります。というのも、教師は、図や表が多い教科書を好むからです。2000年度教科書研究センターの発表によりますと、 「また、多色刷りの写真や図表などが多くなっていることの理由としては、そのような写真や図表の多い教科書のほうが、教師にとって魅力的で、多くの学校で採択されやすいということが挙げられる……。」引用終わり。 内容量が膨大になると、採択する側が全てをチェックすることが困難になります。 1998年に発行された、「カリキュラム開発を目指すアメリカの挑戦」によりますと、 「多くの場合、採択のための基準に基づいて、教科書の評価リストやチェックリストを用意しているが、時には180項にもなるほど、あまりにも多くの項目を全ての教科書にわたって厳密に審査し、評価するには時間的にも物理的にも困難であり、教科書の採択過程にあっては、必ずしも影響力をもっているとはいえないと結論されている。」引用終了。なお、前の証拠資料と今の証拠資料は、アメリカの場合です。 論点3:チェックできなくなると、誤った教科書が出回るようになり、子ども達に悪影響を与えます。アメリカCNNニュースの2002年11月4日の報道を引用します。 「科学誌サイエンスを発行する、全米科学振興協会の専門化が、米国の教科書の記述を調べたところ、たくさんの間違いが見つかった。[中略]調査を担当したジョン・ハビスさんらは、このような致命的な誤りだけでなく、脈略の無い記述に満ちた本のため、子どもたちが悪影響を受けていると指摘している。『これらの教科書は子どもにうまく教えられないだけではない。最低限の科学知識を学ぼうとする子どもの意欲を駆り立てることもない』とハビスさんら。[中略]ハビスさんとシュミット教授は『あまり必要とも思えない図やグラフなどが教科書に多すぎることが問題の原因の一部ではないか…』」引用終了。 実際、ずっと自由発行・採択を取りつづけているアメリカでは、学力が下がっています。 京都工芸繊維大学教授の左巻健男が、2001年に書いた著書の中で、述べています。「この問題に関して、1983年に発表された「危機に立つ国家」という大統領諮問機関の報告書が非常に大きな反響を呼び、以来膨大な量の改革案、報告書が書かれ、実にさまざまな改革の試みがなされてきた。にもかかわらず、小中高校生の学力の国際比較では、若干上昇しているとはいえ、アメリカはいまだに底辺を徘徊している。」引用終わり。 デメリット2は、日本たたきです。 今、ある程度の規制があるため、うかつに教科書を出版することはできません。 プラン後色々な出版社が気軽に教科書を出すことで、右に偏った教科書、あるいは左に偏った教科書を出す会社がたくさん出てきます。 早稲田大学、水島教授によりますと、「一方で、中立的な歴史教育など不可能だから検定制度を緩和、あるいは廃止をしようという考えもあるだろう。しかし、作る会教科書のようないかがわしい[(僕はこう思います)]教科書が、教科書検定がなくなることで、どんどん出てくることも考えられるだろう。」引用終わり。 論点2:このような教科書の出現を許すこと自体、近隣諸国の反対を買う可能性がある。以前には、影響が市民レベルにまで広がりました。 東京読売新聞、2002年の記事によりますと、「しかし、二十一世紀の揺るぎない日韓関係構築への課題を考えると、ムードに浸ってばかりもいられない。例えば、昨年の歴史教科書問題による両国関係の悪化が、スポーツ交流事業の中止など、市民レベルにまで広範な影響を与えたことを思い起こす必要がある。(省略)日韓関係は、日本にとって最も重要な政策軸の一つだ。だが、今年前半の日韓外交は、W杯成功を最優先させ、『休戦』状態だった。」 では次に、肯定側の論点1に反駁していきたいと思います。 まず、論点1の最初の、86年の証拠資料についてですが、これは、あくまで86年であって、現段階では、検定はどんどんと、財政界の圧力により、緩和される方向にあります。 2002年の読売新聞によりますと、「今回厳選から緩和へ、検定方針を途中変更した文科省は、今後さらに、基礎的な必須科目についても、学習指導要領を超えた、発展的記述を許容する考えだ。これは、高校の教科書は、厚く詳しくして良いという、政財界や大学関係者らの声を反映したものだ。同省は、ゆとり教育をうたう一方で、科学技術創造立国への人材育成も掲げてきており、能力ある生徒向けの教科書、という考えは、省内でも強くなっていた。」 次にプランです。プランで、プラン後、教師が採択をする、ということでしたが、これは不可能です。なぜなら、現場の教師は今でもものすごく忙しいからです。 2000年に放映された、NHKの番組の中で、現場の教師が次のように述べています。「現役の公立中学校の教師として、教育現場の実態を実感している川上氏は、『今の公立小中学校に携わる教師たちの最大の関心事は、いかにチャイムが鳴ったら教室で着席させるか、無駄話をさせないようにするか、といった、教育の質や内容以前の問題、秩序を作るのに四苦八苦している。さらに自由な場面が増えれば、教育現場の混乱を招くだけ。教育の質は、社会が期待するほどには高くなっていない。』と述べています。」 このような教師が、プラン後どのようになるかというと、忙しくなり、過労死してしまいます。 読売新聞…1999年、読売新聞によりますと、「その一方で、組合員3人を含む18人の教職員が、脳出血などで死亡したことが報告された。今週組合が実施したアンケートへの回答者1,337人のうち37%は『健康状態が悪い』とし、34%は『過労死の不安がある』と答えた。経験が通じないという悩みのほか、指導内容の大きさが、勤務の多忙さに拍車をかけているという。」引用終わり。 肯定側は…[時間切れ]。 |
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質疑応答 | ||
肯定側質疑(瀬能→土田) 瀬能:えーとですね、デメリット1の[教科書の]質の低下、ということですけれども、何が起こるかというと、3番目で、誤った教科書が…、という話でしたね。アメリカの例を使って、致命的な間違い…例えば、どういう間違いが致命的なのですか。 土田:例えば、1+1が10とか、そういうことです。 瀬能:そういうこと出ていると思います? 土田:いや、実際出ている、というのが、このアメリカの… 瀬能:1+1…いや、アメリカの証拠資料には、致命的な間違いといっても、こういう致命的な間違い、とは書いてないですよね。 土田:はい。 瀬能:じゃ、例えばの例は、1+1=10ですね。それがもし教科書に出ていたら、誰も分からずに、1+1=10だと、先生に教えられて、覚えてしまうような生徒が出てくるのがいけない、ということですか。 土田:はい。 瀬能:他に何か致命的な間違いはございます? 土田:え…、いや…、そうですね、いけないというスタンスですね…ネガとしては… 瀬能:致命的な間違い…インパクトでちょっと、どういうのが起こるのかな、というのをお伺いしているんですけれども… 土田:はい… 瀬能:まあ、1+1=10みたいなのが出る、ということでよろしいですね。はい。デメリット2、日本叩き。日韓関係が重要だ、という話でしたよね。これ、インパクトなんですけれども…デメリットの…何が起こるんですか。 土田:北朝鮮問題の…日本における、北朝鮮問題の例で、今、日韓外交や日中外交を刺激して…なぜならば、日中韓で共同で、北朝鮮問題に当たらなければならない… 瀬能:それでは、否定側は、日中韓で協力すれば…今の状態だったら北朝鮮は抑えられるって、証明する必要がありますよね。否定側はね。 土田:はい、そうですね。はい。 瀬能:はい、分かりました。ではまた、否定側第二立論で2コンしてくれる、と…。OK。他にインパクトありますか、これ。北朝鮮だけですか。 土田:いや、他にも色々と… 瀬能:どんな? 土田:え、いや、え〜… 瀬能:いや、話してくれないとちょっと、デメリットなんでね。返す際にも、ちょっと曖昧な点が多いんで聞いているんですけれども。 土田:例えば、スポーツ交流事業の中止で… 瀬能:はいはい。 土田:いや、まあ… 瀬能:はい、そう書いてありましたね。まあ、そういうことですね。あと、それプラス北朝鮮問題ですかね。 土田:はい。 瀬能:はい、分かりました。じゃ、メリットの方なんですけれども…えーと、教員は今でも忙しい…これ、問題解決性のところでしたかねえ。で、教師が教科書を選ぶと、過労死する、ってわけですか。 土田:そうですね。今教師はもういっぱいいっぱいということで、プランを採択したら… 瀬能:今の授業のレベルというのは、否定側の意見として、教員はうまく授業を行えている…どうでしょう、立場として… 土田:ん〜、まあ、証拠資料… 瀬能:否定側の立場。現状はいいものだ、現状のシステムはいいものだ… 土田:現状はいいものだ、もちろん現状はいい… 瀬能:ということは、教員はきちんと授業を行えている、という前提で… 土田:そうですね。忙しいながらもやっている、という… 瀬能:それはどこで証明しました? 土田:いや、それは証明はしていないですけど… 瀬能:はい、立場としては、ということですね。 土田:はい、立場としては、そういうことです。 瀬能:はい、なるほど、分かりました。えーと、そうですね…。質の低下、というのは、これはまあ、誤りがある、というだけですよね。 土田:そうですね。誤りがある、ということは… 瀬能:そのまま出てしまう、と。はい、3分間です。[時間切れ |
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肯定側第二立論 | ||
肯定側第2立論:桂見惟子 マーチ1号 お待たせしました。肯定側第二立論を始めます。 まず、プランの解決性、読みきれなかったので、読ませていただきます。 教師は適切な教科書を選択する能力を十分持っています。これは、世界的にも、政府にも確認されていることです。 引用を始めます。「教科書レポート2000年」 「それでは、子どもたちに適切な教科書を選ぶことが出来るのは一体誰なのだろうか。それは、常に子どもたちと接し、それぞれの教育内容に精通した教師ではないだろうか。子どもたちに授業を行うために最適な教科書を教師自身が選択する。それが大切であることをユネスコも勧告しているし、政府の行政改革委員会でさえ述べている。」 このように、教師はちゃんと正しい教科書を選べます。なので、まず、否定側が出すような、質の低下、問題のあるような教科書から出てくるようなデメリットは発生いたしません。 次に、デメリットの方の攻撃をしたいと思います。 まず、デメリット一番目の、質が低下してしまう、このデメリットなんですけれども、はっきり言って、何が問題なのか、全然わかりません。彼らは、質疑で確認したように、私たちのプランを取ってしまうと、質が低下する、その根拠として、致命的な間違いとして、1+1が間違えられると…、そんな、どうでもいい、誤字脱字のような、そういう類のことが、質の低下、と、彼らはいっているんですね。そのような問題は、はっきり言って全然インパクトがありませんので、デメリットとして立てないで下さい。 で、なおかつ、もしそれを…誤字脱字等が出てしまった、という、そういう問題が出てしまったとしても、教員がチェックをすればいいんです。で、私たちの方が…プランの方で、それは解決できるという風に言っていますから、デメリットは発生いたしません。 2番目なんですけれども…デメリット2番目ですね…デメリットの2番目なんですけれども、まず、右よりの教科書が出るのかどうか、ということです…否定側の方のデメリットの方の2番目なんですけれども…、ごめんなさい、まずデメリットの1番目をもう一回思い出してください。学力低下…今の状態でも、ユニークネスは無い、ということです。なぜならば、学力低下って、今でも起こってますよね。 神戸新聞2000年、引用始めます。「『これ以上「ゆとり教育」が進むと、学力低下に歯止めがかからなくなる』三月四日、京都大で開かれたシンポジウム『日本の教育』。東大、慶応大などの教授ら十五人が、学生の学力低下を示すデータを次々に報告した。」 このように、今でも学力低下は実際起こっています。なので、質が低下して、学力が低下する、ということも言えません。 それからですね、最後のアメリカの資料なんですけれども、教科書検定が無いので、アメリカの…その…例というのが、否定側から出されました。これは、教科書検定が無いので、アメリカが、学力が低下したとは言っていないんですね。ただ単に、アメリカは長く自由発行しているから、その弊害があって、子どもに悪い教育がされているとしか言っておりません。 次に行きます。デメリット、外交問題の方に行きます。 まず、デメリット、外交問題、右よりの教科書が出る、それが問題だと言いました。はっきり言って、何が起こるか分かりません。日中、日韓関係が悪くなったとして、具体的にどのようなことが起こるのか、彼らは証明していません。とてもメリットを上回るとは思えません。 次ですね。デメリット…否定側のデメリットにはユニークネスもありません。教科書検定がある現状においても、実際に外交問題が起きているからです。 引用始めます。アサヒドットコム2001年、引用始めます。「韓国の通信社、聯合ニュースは7日、金大中大統領が歴史教科書問題に関する日本側の回答に抗議するため、8日から訪韓する自民、公明、保守の与党3幹事長との会談を拒否する方針を固めた、と伝えた。」 このように、現在でも外交問題は起こっています。否定側は、検定がなくなることで、より外交問題が起こってしまう、ということを、エビデンスを用いて証明していないのです。なので、この議論を取らないで下さい。 次にですね、ケースの方の、攻撃されたことを返したいと思います。 まず、私たちの方で言っている、教科書検定は、今では財政の力が働いているので緩和されている、という風に彼らは言いました。そんなことはございません。歴史の、国の施策に関する部分は、不合格にされる、ということを、私たちの立論でも述べました。で、実際にそのようなことが起こっております。 1998年、琉球新報、引用始めます。「新検定制度は、臨教審の答申を受ける形で、検定前の申請本の公開や不合格理由の開示など、情報公開も徐々に拡大されてきている。かつてのように重箱の隅をつつくようなことはなくなったとはいえ、自衛隊など国の施策に関する部分は依然として厳しく、検定の本質は変わっていない、と関係者は指摘する。不合格のカードを常にちらつかせているのが実態である。」 このような形で、中心的なことは全く変わっていません。 で、さらにですね、プランの方の…プランを取ってしまうと…否定側は、プランを取ってしまうと、先生がどんどんどんどん忙しくなって、過労死してしまう、というようなことを言っていました。で、まず、ここのカードで確認していただきたいんですけれども、18人の人が脳出血で死んだ、という風に言っていたんですけれども、そのカードで正確に…聞いていますと、過労死の不安がある、と言っているだけで、過労死で死んだ、とは言っていないんですね。ですから、この、彼らの主張を支えている証明ではありませんので、ここは、エビデンスとして取らないで下さい。 あと、もしそうだとしたとしても、なればなる…結局、忙しければ、忙しいほど過労死する、ということも、彼らは証明していません。ですから、リスクはすごく小さいです。 で、実際に、瀬能さん、高校の先生なんですけれども、瀬能さんは今も教科書を選んでらっしゃるんですね。でも、死んでないです。生きてます(笑い)。ですから、彼が、生きているエビデンスなんです。ここを取ってください。 そうしましたら、デメリット2番目の方に戻りたいと思います。ごめんなさい、オーガニゼーションが非常に悪くて。 外交問題が起こる。アジアと関係が悪くなる。で、あと、外交問題で、外交で問題になるのは、教科書だけではありません。アジアの国の問題…国との外交問題で…問題化しているのは教科書問題だけではない。例えば、有事法制の問題とか、小泉首相の靖国参拝の問題…色々たくさんあるうちの、小さな一つに過ぎません。で、教科書問題というのは、日中、日韓関係にも、打撃を与えていません。[時間切れ] |
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質疑応答 | ||
否定側質疑(土田→桂) 土田:まず、教師は適切な教科書を選ぶ、ということですが、これは、全員の教師が…すべての教師が、適切な教科書を選ぶ、ということができる、と言っていますか。 桂 :まあ、でも世界的に、それは言われていることなんですね。全てかどうか分からなくても、ユネスコとか…政府の行政[改革委員会]ですら、それは言っている、認めている… 土田:いや、そういう意味じゃなくて、100人先生がいたとして、100人の先生が、その、適切な教科書を選べるかどうか、ということについて、お伺いしたいのですが、どう考えますか。 桂 :物事に100%ということはあり得ないと、私も思っているので… 土田:あ、分かりました。はい、了解です。次に、デメリット1についてなんですけど、学力低下が今でも起こっているという話でしたが、これは、何で学力低下が起こっているという話なんですか。こちらの… 桂 :ま、教科書問題ではない、ということははっきりしているんですけれども… 土田:どういう話なんでしょうか。もう一度、要点だけをお願いしたいのですが…。 桂 :データとして、学力低下が起こっている、というデータがある、と…。それが、あるシンポジウムで提出されている、ということです。 土田:分かりました。次に、デメリット1に関して、基本的に、インパクトが無い、という話でしたが、生徒の学力…生徒が間違った教科書を使うということが、全然問題無い、ということですか。間違った教科書を使ってもいい、というのが、そちら側の話でしょうか。 桂 :…もう一回… 土田:あの…インパクトがない、という話でしたよね、教科書が悪いことに。じゃあ、間違った教科書を生徒が使うことっていうのは、いいことなんですか。 桂 :ええと…まちがった教科書を… 土田:生徒が使う… 桂 :生徒が使うのが…ええと、あ、なるほどなるほど…。それはでも、正されればいいだけですよね。 土田:正されればいい…。正されなかったら、どうするんですか。誰が正すんですか。 桂 :あんまり、正されない…正されるかどうか、というのは…正されるんですよね…だって、まず先生が見ますよね。教科書を使って… 土田:では、先生は、その教科書を選ぶ、ということは、その教科書は正しいと思って選ぶわけですよね。 桂 :ええと、正しいのは必要なんですけれども、私たちが言っているのは、つまりその…小さな間違い… 土田:小さな間違い…あ…誤字脱字の話… 桂 :教えているときに、あ、ここ字が抜けているな、とかいった、気が付けばそのくらい… 土田:あ、分かりました。ではちょっとお伺いしたいのですが、そちら側のメリットの重要性というのは、何なんですか。その…学力低下を上回るような重要性というのは、挙げられると思うんですけれど、それは何なんですか。 桂 :ええとですね、今起こっていることが、本当に正しいかどうかが分からなくなってしまう… 土田:え、肯定… 桂 :みんなが間違っているということは、みんなでそのままその方向に進んだり、とか… 土田:今、じゃあ実際確かめて… 桂 :あと、表現の自由ですね… 土田:今、ちょっと、そちらの方向に進んで…表現の自由はない、っていうことですか。 桂 :表現の自由、ないですね…ないです。 土田:わかりました。以上で質問を終わります。[時間切れ] |
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否定側第二立論 | ||
否定側第2立論:赤津義信 AK2brains では始めます。まずデメリット2です。 最初に、彼らは、具体的な重要性は何か、というのは、プランのところで説明します。 2番目に、すでに教科書問題は起こっている、という話をしていますが…しています。この点について、まず、現在の教科書問題というのは…というか、教科書問題として…少なくとも…とりあえずまず現状として、教科書検定のおかげで、偏った歴史認識は排除されています。 作家の小山氏は2001年にこう述べています。 「検閲指針どおり、『外国批判をせず、日本を擁護せず』という制限つきで、戦前の日本国家史と対外関係史を研究し、書籍につづればどうなるか。この制限の中でできるだけ日本国家の立場を守ろうとすれば、戦前の日本国家の長所にも短所にもあまりふれないことになるし、対外関係における『悪行』にも『善行』にも言及しないことになる。その結果、きわめて無味乾燥な、まったく内容のない、しかし偏りの少ない歴史教科書ができあがることになる。」 で、さらに、2番目として、実際に右よりだと非難を浴びた、作る会の教科書でさえ、検定では130ヶ所以上もチェックされています。 読売新聞2000年によりますと…引用します。 「『作る会』の教科書は、従来の歴史教科書を『自虐史観に陥っている』などと批判する人たちが執筆。『韓国併合』を『東アジアを安定させる政策として欧米列強から支持された』と表現したが、文部科学省の指摘で全文を修正するなど、計百三十七か所の修正を経て検定に合格した。」引用終わり。 ですので、この…現在金大中大統領が抗議しているのは、こういう右翼的な話ではなくて、歴史認識の違いなどの問題であると考えられます。 しかしながら、この歴史認識の違いに関しては、現在共通の歴史認識を得るために、共同研究を進めています。つまり、歴史の教科書問題は解決に向かっています。 読売新聞2002年を引用します。 「日韓両政府は五日、『歴史共同研究推進計画』を発表した。学者らによる『日韓歴史共同研究委員会』を組織し、古代、中世、近現代の各歴史分野ごとに両国の学説や解釈について話し合い、『歴史認識の共通点を見いだすよう努める』としている。」引用終わり。 ですが、政策採択後、検定がなくなるせいで、共通の歴史認識を反映させる場もなくなります。もちろん、それを明らかに無視した、戦争を賛美したような教科書が出てくるので、韓国は憤慨するはずです。 3番目…彼らの3番目の議論です。プランによって、彼らが怒らない、というような議論をしていますが、第一点目として、現在、金大中大統領は、教科書検定を強くしたい…検定をもっと強くして欲しいと言っています。 読売新聞2002年より引用します。 引用「福田官房長官は十五日午前の記者会見で、韓国の金大中大統領が十四日の年頭会見で歴史教科書作成に政府が関与すべきだとの考えを表明したことについて、『色々な議論があると思うが、そう簡単なことではない。少なくともわが国においてはそう簡単ではない』と述べ、否定的な見解を明らかにした。」引用終わり。 しかし、肯定側の政策は、この韓国の意向と全く逆の政策を取ってしまう…。それは、検定を廃止して、全くチェックのない…チェックをしない、ということです。それによって、先ほどの、作る会の教科書の検定前のもののように、戦争を賛美したような教科書が出ます。ですので、明らかに反発が訪れます。 この点について、彼らは4点目に有事法制などがある、と言っていましたが、それによって実際どんな問題が起こっているかは、言われていません。 次に、2点目として、歴史認識の違い程度の問題でも、歴史教科書の場合は、交流が禁止されています。デメリット2の、第一立論の、二つの証拠資料を引用してください。ですので、今回の場合はさらに、戦争を賛美するような、超右翼な教科書が出ると考えられます。ですので、もっと…さらにひどいことが起こります。 もちろん、4点目…次の点として、今までに、こういうことは無かったことですので、これまでになかったような激しい反発が予想されます。 で、重要性です。重要性の一点目は、もちろん、このような教科書が出ることによって、外国人…、韓国人であったり、中国人であったり…人たちが、日本に対して強い反感を持つことです。もちろん、その…彼らのメリットの方で述べているような、コントロールなどと言っていますが…実際何が起こっているか分かりませんが、明らかに反発は起こりますので、その、反感を持たせてしまう…不快感を持たせてしまう、という意味で、私たちは明らかですし、また、量の上でも、中国人は8億人いますから、量の上でもアウトウェイ…上回っていると思います。 次に、二点目として、北朝鮮問題です。このデメリットの重要性…北朝鮮問題は、つい最近ミサイルを発射したりして、危険な状態になっています。ですから、この関係は極めて重要です。 読売新聞2002年より引用します。 「北朝鮮の行動の狙いについてはいろいろな見方がある。はっきりしているのは北朝鮮はこれまでも国際社会のルールを逸脱した行動を繰り返しており、今回もそれを改めて見せつけたことだ。こうした相手に対応する上でも、日韓の緊密な協調が欠かせない。朝鮮半島情勢は、北東アジアのみならず、日本の平和と安全にも直結する問題だ。日本は米韓両国と役割分担しながら関与していくべきである。」引用終わり。 で、比較したいのですが、肯定側は、今、何があるか分からないような問題であります。しかも、しかしながら、私たちのデメリットは、今最も危なく、差し迫った問題でありますので、私たちの方が重要であると考えられます。 では、彼らの論点に移動してください。 彼らの論点で一番重要なのは、政府がコントロールしていると言っていますが、何が起こっているか、全く分かりません。現在私たちは全然コントロールされていませんし、何も問題も起こっていません。 2点目として、もちろん戦争賛美についても、私の隣の…私のサークルの隣のサークルでも、今日イラク問題でデモするらしいんで、そういうことは全く今でも現在でも起こっていませんので、重要性は、彼らのメリットについては、ありません。 次に、表現の自由について反駁します。 表現の自由ですが、彼らは、検閲が今行われていると言っていますが、実質的な検閲に当たる、とか、その…著者が思っているだけで、実際に起こっているとは言っていません。 2点目として、もちろん、間違った情報をチェックしてはいけない、ということは変だと思われます。例えば、表現の自由では…自由は制限される場合もあります。ポルノなどについては、制限ありますよね。ですから、有害なものが出る場合は、制限されます。 ですので…4点目として、特に、敗戦国の日本の場合は、それが重要です。 名古屋大学教授、近藤孝弘氏が、こう述べています。 引用「さらに考えをすすめるとき、たとえば教科書検定が行われているドイツやオーストリアの教科書が、そのような制度のない諸国の教科書と比べて遜色がないどころか、むしろ自己批判的な歴史記述を展開している点にも注目する必要があります。戦争責任を担う敗戦国として厳しい視線を向けられる両国は、歴史認識において他国よりも一層の厳格さを要求されるのであって、その意味で教科書検定の維持には合理性があると考えられます。仮に、ドイツの一部で自由の名のもとに『ナチスの業績』を教えるような歴史教科書が作成・使用され、[時間切れ]政府がそれを放置・容認するようなことがあれば、[ブラントやヴァイツゼッカーの]行為も無に帰してしまうでしょう。」引用終わり。 |
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質疑応答 | ||
肯定側質疑(瀬能→赤津) 瀬能:じゃあ、表現の自由のところから行きますが、検閲の定義、否定側はいかがでしょう。私たちは定義で、出版される前にチェックしたら、検閲したという風に…立場にたっているわけですけれども、それはよろしいですか。 赤津:まあ、そう… 瀬能:他の検閲の定義があるんですか。 赤津:その…よく分からなかったんですけど、とりあえず、次の証拠資料を見たときに、実質的検閲だったんですが、実質的検閲と、検閲と、やって…してはいけない検閲がよくわからなかったので… 瀬能:はい、じゃあ、検閲に対しては、あんまり立場は… 赤津:そうですね、特別示していないです。 瀬能:否定側はね。はい、分かりました。デメリットなんですけども…えーと、どうしようかな…これ、インパクトは2つあったんですかね、デメリットの日本たたき。 赤津:最初の、第一立論であるような、反感が生まれる、っていう話と、あと北朝鮮の問題になります。 瀬能:はい。北朝鮮が、何をしてくる、ということを想定しているんですか。 赤津:場合によっては不法侵入してきたり、で、また、拉致を繰り返したり、また、テポドンを撃ったり… 瀬能:それが、日韓協調で止められる… 赤津:私が前に…例えば、不法侵入であれば…韓国… 瀬能:止められる、という証明してました? 赤津:少なくとも、その証拠資料によれば、それが極めて重要な…要件を持つ… 瀬能:止められるとか…その前に読んだ資料は、北朝鮮はこれまでも国際社会のルールを逸脱した行動を繰り返したと書いてありますよね。そういう国なんですよね。それが、日韓がスポーツ交流を行うと…スポーツ交流とか、そういう関係が崩れないと、抑えられる…軍事的に抑えられる… 赤津:いや、現在は、ある程度のチェックを、日韓… 瀬能:どういうチェックしてます?日本と韓国が。 赤津:例えば、領海とか、協力してチェックしているのではないかと、私は考えています。 瀬能:考えるだけですよね。具体的に、例えば、こういうようなシステムを日韓が持っているから、チェック… 赤津:そういうのは、実際には立論の中では示していません。 瀬能:ないですよね。そういうのが大切だよ、というわけですよね。はい。あとはですね…、あ、そうそう、認識を、今のままだったらね、問題がない…歴史教科書に関して、日韓が共通の話し合いを行っているから…歴史問題に関して、共通な… 赤津:そうですね、研究会を…やっています。 瀬能:この研究会が、共通の歴史認識に至る、という証明は、まずしていませんよね。 赤津:だって 瀬能:してませんよね。 赤津:何年後かに結論を出す、ということで、そのときに… 瀬能:至る、というのはまずまだ証明してませんよね。 赤津:まだです。とりあえずまだです。 瀬能:で、そういう風に努める、っていう話で終わってますよね。 赤津:現在、そういうことをしている、っていう… 瀬能:そこで…これで、共通認識ができて、今いろいろな問題が起こっているけれども、教科書検定が…何だ?…日韓関係が良くなる、っていうのは、ここで、何か合意に至って、それを、教科書に反映させることができないとだめだから、そこは否定側が証明しなければならないところですよね。 赤津:いや、現在もう、やっているわけですから… 瀬能:努力している… 赤津:これが… 瀬能:努力している、ということですよね。 赤津:今、努力しています。 瀬能:それだけですよね[時間切れ] 赤津:はい。 瀬能:了解。 |
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否定側第一反駁 | ||
否定側第1反駁:土田逸朗 AK2brains では、デメリット1、論点1、2を用意してください。では、スピーチを始めたいと思います。 まず、デメリットについてですが、学力が低下していない、ということでしたので、では…学力が低下している、ということでしたので、では、学力が低下していない、という証拠資料を提出したいと思います。 国語専門塾の代表である中井浩一氏は、2001年に次のように書いています。 「前二回のIEA学力調査と同様、日本の子どもたちの数学・理科の得点平均は世界でもトップクラスにあるという結果が出ている。」引用終わり。 で、ここで問題なのは、否定側が…肯定側が言う、メリットというのは、表現の自由ですね。で、ちょっとここで考えてみたいんですけど、はたしてこの場合の表現の自由、この自由が良いことなのか、ということについて、少し話したいと思います。 例えばなんですけれども、何も知らない赤ん坊を、自由がいい、自由がいい、って言って、その辺にポーンと放り出します。これってはたして本当にいいことでしょうか。車にはねられて死んじゃうとか、そういうことって、起こり得ると…得るんではないでしょうか。自由の質が、少し問題になってきて、この…今の子どもたちというのは、教科書をもとにして勉強する、と。で、その子どもたちが勉強する教科書の…に対する自由というのは…この場合、表現の自由が大事だと言うけど、はたしてそれが本当に大事なのか…なんでしょうか、ということが、まず一点目の疑問です。それで、学力の質の低下が、全く問題ない、ということでしたが、学力の質の低下というのは…が、その訳のわからない自由と比べて、はたして本当に重要でないのか。どちらが子どもたちにとって良いか、ということを考えなければならないと思います。プラン後、子どもたちにとって悪いことが起きる、というのが、僕達のスタンスです。 では、デメリットのシナリオを説明していきます。 まず、プラン後、教科書会社の意識が変わります。今は、検定にさえ合格すれば、自然と採択されるので、教科書会社は、検定に合格することを目指します。検定は、一応生徒のことを考えていますが、プラン後の教科書会社は、採択されることが目的になります。企業の目的は、利潤追求です。生徒のことではありません。従って、プラン後、いかに採択されるかを追及していきます。その結果、証拠…論点2の証拠資料が示すように、先生が好む図や表をたくさん入れるようになり、内容量が膨大になる、ということです。確かに、自由性はあるかも知れませんが、正確性が欠ける、という意味で、教科書の質が低下していきます。もちろん、その量が膨大な量になるため、チェックができません。 では、間違いだらけの自由な教科書と、地味だけど正確な教科書の、どちらが生徒にとって良いでしょうか。もちろん後者です。間違いを分かりやすく教える、とか、間違いを自由に教えても、意味がありません。実際にアメリカでは、正確性の欠ける教科書のため、生徒に悪影響を及ぼした、という事実があります。このような事態は避けるべきであると思います。訳のわからない表現の自由より、実際に起きている、アメリカの、その…弊害、それを避けるのが、よろしいのではないでしょうか。 さらに、自由という点では、規制はどんどん今、緩和されつつある方向にあります。未来では、分かりやすくて、自由な教科書が出来ます。どんどんどんどんと、財政界の圧力、あるいは、政治関係者の圧力で、どんどんどんどん緩和されていって、どんどんどんどん自由が広がっていく、その中で、間違いが無くて、さらに自由な教科書が出てくれば、問題はないと思われます。 以上より、現状を維持すべきであると、結論します。 では、補足で、教師の話をしたいと思います。今、教師というのは、いろいろな問題で手一杯な状態、さらに、プラン後は、教科書も選ばなければならない、それによって、忙しさは、もっともっと増えてくる、はたしてそれは本当に子どもたちにとって良いことなのでしょうか。教師たちが、子どもたちにいい環境を作[時間切れ]るというのが重要だと思います。 |
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肯定側第一反駁 | ||
肯定側第1反駁:田畑法子 マーチ1号 まずデメリットの方を見てください。デメリットの1の、誤字脱字に関して。 まず一点目、小さな間違いであれば、それは問題ではありません。もしそれがとても大きな問題であれば、それは教科書会社でチェックできるものであります。そして、エビデンスで示された、アメリカの例ですけれども、アメリカは、それで学力が落ちているとは言っておりません。よって、このデメリットは、とても小さなものです。 次に、デメリット1で、共同の教科書のことを言っておりましたが、それに対して…デメリットの2で言っておりましたが、それについて話したいと思います。 まず一点目。共同の教科書認識が…共同の認識の教科書ができる、ということの証明がありません。 二点目、教科書にそれが反映されて…エビデンスでは、その教科書に反映されると言っていません。努める、と言っているだけです。よって、この…これも小さいです。 次に、デメリットの2の、北朝鮮のことについて、反駁していきたいと思います。 まず一点目、教科書問題は、とても小さな問題です。たとえ、強硬姿勢を取っていても、より重要な事態が起きれば、問題としては曖昧になってしまうほどのものなのです。 日本の戦争責任資料センター事務局長、上杉、引用します。 「当初、韓国と中国は、教科書問題で修正要求が入れられないかぎり小泉首相との会談などを拒否する姿勢だったが、同時多発テロの発生にともなって関係改善するようアメリカから要請を受け、両国は10月になって相次いで会談を受け入れ、この点をあいまいにしたままである。」引用終わり。 このような、何か他の事態が起きれば、なくなってしまうような問題ということです。 そして、教科書問題は、日中・日韓関係に打撃を与えません。 朝日新聞社、2001年4月5日、引用します。 「歴史教科書の検定を機に、日本の歴史認識が再び近隣諸国から批判されている。しかし、日中、日韓関係に致命的な打撃を与える気配は今のところない。日本との二国間関係の深化や東アジア情勢の変化で、『歴史』カードが切りにくくなった。今回わかった中韓首脳のやりとりは、両国のそんな実情を映し出している。」ということです。 で、北朝鮮が、そんなに危ないのであれば、逆に、教科書問題などで、外交が悪化するはずがありません。なぜなら、韓国が攻められるからです。 次に、メリットの方に移ります。 まず、検閲のことに対して…表現の自由について反駁したいと思います。 表現の自由は、肯定側第一立論で、他の権利よりも勝る権利だと証明しました。そして、ポルノなどは、教師が十分に教育的配慮をいたします。 また、検閲について、あれを書きなさい、これを書きなさい、という実態が、検閲に当たると証明しました。第一立論の堀尾のカードを確認してください。 よって、教科書が、表現の自由に…教科書においても、表現の自由は、大切なんだということです。 で、また、今コントロールされていないのではないか…権力による思想コントロール、論点2の方に移ります。今は、コントロールされていない、重要性は無いのではないか、という風に述べられましたが、これはですね、立論のエビデンスを思い出してください。Cの和仁廉夫のエビデンスです。ここで言っているのですがね…私たちが言っているのは、教科書の…[時間切れ] |
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否定側第二反駁 | ||
否定側第2反駁:赤津義信 AK2brains では始めます。 まずデメリット2について行きます。 まず、デメリット2について、少なくとも、現在の教科書がチェックを受けている、ということは認められました。この点について彼らは、歴史の共通認識について、証明が必要だ…合意に対する証明が無い、という話がありましたが、少なくとも…私たちが言いたいのは、少なくとも、チェックで、歴史の共通認識に関する問題ぐらいしか残っていない、ということが重要です。で、しかしながら、この政策を採択すると、全くノーチェックになります。つまり、歴史認識の違いだけでなくて、戦争賛美というような、現在明らかにカットされている、超右翼的な内容まで載せられてしまうのです。実際そういう教科書が作られるか、というと、作る会の教科書のエビデンスを見てください。実際に、作る会の教科書の場合は、朝鮮併合を、明らかに正しかったことだ、と言っています。ですから、明らかに…例えば、韓国の人は、その朝鮮併合の話を聞いて、怒るはずです。この点について彼らは…歴史認識について…韓国や中国は歴史問題をやめた、みたいな話をしていますが、わかりました、北朝鮮問題については、私たちは考えません。しかしながら、デメリット2の二つ目の証拠資料の方をもう一度見てください。少なくとも、現在の歴史認識の違いだけによっても、これだけの多くの人が、今現在不快感を持っています。しかし、政策採択後は、さらに、超右翼的な教科書が出ることによって、さらに多くの人が傷つきます。もちろん、実際に侵略された国の、中国や韓国や、いろいろな国の人たちが、そのような教科書を見て、不快感、例えば、恐怖を抱いたり、怒りを抱くと思います。ですので、そのような不快感が、確実に発生します。 もちろん、この点について…まず、比較したいのですが、まず、現在、彼らの言っているメリットは発生していません。私たちはもちろん権力のコントロールなんて受けていませんし、表現の自由なんか…自由…まあ、ある程度達成されていると思います。しかしながら、韓国の人々や、朝鮮の人々は明らかに、怒りや恐怖が発生しますので、その…確実性で、私たちの議論の方が上だと思います。しかし…しかも、二点目として、量の比較をしたいと思います。もちろん、日本人の何人かはコントロールされているかも知れませんが、少なくとも、私たちのデメリットによって、中国の何千、何億人という人、韓国の何万、何千万人、という人が影響を受けます。ですので、量の上でも、私たちのデメリットの方が上回っていると思われます。 次に、表現の自由についてです。 表現についてですが、分かりました、私たちは、歴史教科書について、表現の自由が多少制限されていることは認めます。しかしながらそれは、デメリット2よりも小さいです。それは、ドイツの例で証明されています。私たちのドイツの証拠資料を引用してください。ドイツでは…ドイツも日本も、第二次世界大戦では侵略国でした。ですから、侵略国は、侵略した国に対して、その国民を気遣う責任があります。ですから、ドイツは実際に、検定をすごい気遣ってやっています。ですから、日本も同様に、侵略国であったから、その責任をとって、外国の人に気を使って…気を使うべきで、表現の自由は制限されても構わないと考えます。 彼らのメリットのコントロールなどですが、実際私たちはコントロールされていないので、メリットはありません。 デメリット1に行ってください。 デメリット1ですが、彼らは…実際に…彼らは…誤った間違いはチェックできると言っていますが、チェックできないような内容もあります。例えば、恐竜がどうやって滅びたか、のような、専門家でないと分からないような内容については、専門家のチェックが必要です。で、現時点ではそういうのもちゃんとチェックしているのですが、プラン採択後は、多くの会社が、一番面白い内容…例えば、恐竜は…なんだろう…火山の爆発で死んだ、とか、いろんな勝手なことを言い出すので、そういうことについては、誤った知識を得てしまって、支離滅裂な学説などを信じてしまう、というのが、私たちの話です。 で、このことについては、第一立論で述べた、サイエンスの証拠資料を見てください。実際に、サイエンスでは、アメリカで実際に、学力が低下しています。それは、支離滅裂な学説などを信じてしまったためです。 で…また…比較したいと思うのですが、学力…もちろん、子どもたちには将来があって、この、学力というのが一番大事です。しかしながら、表現の自由というのは、実際にそれが達成されたことで、何が得られるのか分かりません。[時間切れ]ですので、明確性で、デメリット1の方が大きいです。 |
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肯定側第二反駁 | ||
肯定側第2反駁:桂見惟子 マーチ1号 それでは、肯定側の第二反駁を始めます。 まず、表現の自由から行きます。 今現状言っているのは、表現の自由というのは阻害されている、それは、全部ではなくても、教科書に関しては、必ず阻害されている、これは、彼らの方も認めています。で、私たちが第一立論の方で使った資料の方をもう一回見ていただきたいんですけれども、自由国民社の法律用語辞典の方で、言論統制の手段、ということで…ごめんなさい…表現の自由というのは…結局、アメリカだとか、イギリスだとか、発達した国ですらも…国でも、重要だと認められていて、日本の憲法では、それよりもっと、もっとこれより重要な権利が与えられているということを言っているんですね。ここを伸ばしていただきたいと思います。 で、次に、なぜ表現の自由が重要なのか…間違ったことが起こった時に、それは違うんじゃないか、という風に、言えることが重要なんですね。だから、それを無くなる…それを阻害している、ということは、間違ったことをそのままにしてしまうということと同じなんです。だからこれ、表現の自由というのは何で大切なのかというと、こういうことになります。 で、次に、権利の…ごめんなさい…思想コントロールの話なんですけれども、まず、思想コントロールの起こるシステムのことをちょっと説明したいんですけれども、まず、厳しいチェックが行われていて、で、国の方がどんどんどんどん軍事国家にするための準備を、今している、ということなんですね。で、Cの…論点2のCの方で引用しました、和仁さんのカードをもう一回良く見ていただきたいんですけれども、これ、結局思想コントロールをするのに、教科書が非常に有効な手段だ、ということなんですよ。だから、教科書でやってしまえば、全て思想コントロールができる、ということなんですね。だから、システムとして、すごい、今の状態というのは全然このままで…だれもがみんな…結局、思想コントロールされている…って、今思っていないかもしれないけれども、思ってないんじゃないか、って思うことも判断できないぐらい、思想コントロールされている状態なんですね。これが非常に危険だということです。 で、次にデメリットの方に戻りたいと思います。 で、学力低下するのかしないのか、ということなんですけれども、例えば1950年が1905年になっていました、っていうような、ささいなチェック、というのは先生ができますよね。で、例えば、1+1=10みたいなのは、教科書会社でもできますよね。なので…で、書く人もできるわけじゃないですか。私たちのカードの方では、最近先生が…正しい本を選ぶことができる、という風に言っているので、全く問…学力が低下する、という問題は起こらないです。 で…あとですね、デメリットの2番目の方なんですけれども、右よりの教科書が出るか出ないか、ということで、結局、私たちが言いたかったのは、教科書問題というのは、グローバルに考えると、非常に小さな問題…だから、例えば他にもっと大きな問題があってしまえば…第一反駁…肯定側の第一反駁で使った、テロの…で、曖昧になったままになる、というカードの方を参照してもらいたいんですけれども、結局、どんなに彼らが大きな問題だ、大きな問題だ、という風に言ったとしても、実際問題は、他の問題があれば、その…会談をやめてしまうぐらい…この、教科書問題なんかは、うやむやにしてしまうくらい小さな問題だ、ということなんですね。ですから、外交[時間切れ]問題上そんなに大きい問題じゃないんです。 [拍手] |
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