11JDA春期ディベート大会 決勝戦

創価大学ディベートネットワーク vs. Kritik Debate Institute

編集:安藤温敏

 


200536日、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、第11JDA春期ディベート大会決勝戦が開催された。

3試合の予選と準決勝の結果、決勝に進出したのは、肯定側:創価大学ディベートネットワークCチーム(小林俊明、朝香雄二、上原伸幸)と否定側:Kritik Debate Institute(櫻井功男、瀬能和彦)の2チームであった。この試合は、稲田誠氏(日本社会人ディベート連盟)、平田祥人氏(東京大学)、古宅文衛氏(日本総合研究所)、別所栄吾氏(社会経済生産性本部)、矢野善郎氏(日本ディベート協会)の5名の審査員により審査され、5名全員が否定側に投票し、Kritik Debate Instituteが優勝した。また、審査員の協議により、Kritik Debate Instituteの瀬能和彦氏がベストディベーターに選出された。

本トランスクリプトは、この決勝戦の模様を収録したものである。トランスクリプト作成にあたっては、当日録画されたビデオテープをもとに、極力ディベーターの喋った内容をそのまま収録し、さらに各ディベーターによるチェックを行っている。

本トランスクリプトに収録されている証拠資料については、あくまでディベーターの引用どおりに掲載しており、著者の実際の意図とは異なる結論付けがなされている場合がある。証拠資料の妥当性については、一切検証作業を行っていないため、試合で使用する前に、原典にあたり、問題のないことを確認してから引用していただきたい。

また、ディベーターの喋った内容は、あくまで試合において与えられた役割の下での発言であり、必ずしもディベーター個人の思想・信条を反映するものではない。



肯定側第一立論

肯定側第一立論:小林俊明 創価大学ディベートネットワーク

 

始めます。

メリットは「人権の保護」です。

論点1.不法滞在による問題。

A)   現在日本には多くの不法滞在者がおり、今後も増加しております。

法政大学教授、江橋さんの1992年の資料より、引用開始。

906月の入管法改正の柱が次々と失敗に終わる中で、ついに92年には『不法滞在者』が28万人に達しました。日本の入管法体制では外国人の流入にストップがかけられないということです。いま、入管当局は一所懸命に仕事していますが、それでも不法残留の人々がうなぎのぼりで増えているのです。」引用終了。

B) これらの人々は、不法であるがゆえにさまざまな人権侵害が行われています。

法政大学、大原社会問題研究所の2000年の資料より、引用開始。

「女性の場合には、売春の強要や事実上の監禁生活といった人権無視、男性の場合にも、悪質なブローカーによる中間搾取、雇用主による低賃金の強要や賃金不払い、労働災害の多発など、アジア系外国人労働者は無権利状態、劣悪な労働・生活状態に置かれている。さらに事故死、餓死、急死、行き倒れ、行方不明などの最悪の事態が社会問題となっている。しかし、『非合法、不法就労者』であるために、(中略)適切な保護・救済策もとられていないのが現状である。」引用終了。

実際に不法滞在者は犯罪にあった場合訴えることすらできません。

一橋大学法学博士、張荊さん、2003年の資料より、引用開始。

「不法残留者は犯罪を犯しやすい一方で、被害者にもなりやすい。(中略)多くのケースからみると、加害者は不法残留者の心理的弱点を利用している。すなわち、不法滞在という身分でいつでも母国に強制送還されることを心配しているため、金銭、財物を強奪されても、警察に届ける勇気がない。したがって不法残留者を対象とする強盗、窃盗はたびたびうまくいってきた。」引用終了。

C) さらに不法残留者は外国人犯罪の原因にもなっています。

実際に外国人犯罪の大半が不法残留者によって引き起こされています。

読売新聞2005224日の資料より、引用開始。

「昨年1年間に全国の警察が摘発した外国人は21842人で、一昨年より9.2%増加し、過去最多を更新したことが、警察庁のまとめで分かった。外国人が容疑者となった事件の摘発数も、16.0%増の47124件で、同じく過去最多だった(中略)また、不法滞在者は、半数を超える12306人だった。」引用終了。

以下、不法滞在者が犯罪につながる理由を2点述べます。

理由1、不法滞在は、外国人にさまざまな心理的圧迫を与えるためです。

さきほどの張博士の資料より、引用開始。

「第三に、『求人倍率』と『入管法犯送致人員』の『負相関』には本来絶対的であるべき法において『法律の相対性』が表れている。つまり、入管法違反者の集中摘発、取り締まり強化運動を行うか否かは、景気の状況によって決められる。この活動は来日外国人、特に不法残留者の緊張感、不安感を醸成する。この活動が始まると、彼らはいちはやく金をためて、『故郷に錦を飾る』ために犯罪を敢行しようとする。」引用終了。

実際にこれは経験的に証明されています。

張博士は続けて言っています。

「それでは、来日中国人による入管法犯と刑法犯はどのような関係にあるのか。平成4年と5年の例を見てみると、(中略)日本における中国人入管法の送致人員の前年比は204.5%激増した。(中略)これと対応してみると、翌年の平成5年には、日本における中国人の殺人検挙人員は前年より250%増、強盗検挙人員は前年より88.2%増、窃盗検挙人員は前年より40.6%増加している。」引用終了。

理由2、不法滞在者が犯罪組織に入るため。

日本経団連の、2004年の資料より、引用開始。

「不法残留者は、不法であるがゆえに活動が地価にもぐってしまうという正確を持つ。犯罪組織が、『不法状態をばらす』と脅し組織に引き込むケースも増えているという。」引用終了。

そして、外国人犯罪は近年凶悪化しています。

警察庁・外国人犯罪・操作指導官、鈴木氏、2002年の資料より、引用開始。

「近年、来日外国人による凶悪犯罪の増加が顕著である。特に強盗については、表1にあるように、10年前に比較し検挙件数が約5倍に増加しており、その手口も、サバイバルナイフなどの凶器や手錠、粘着テープなどの緊縛道具を事前に準備した上で強盗を敢行するなど残忍で執拗なものも見受けられるようになった。」引用終了。

このような事態を解決するために、以下5点のプランを導入します。

プラン1、入管関係法を改正し、原則全ての職種で海外からの移民労働者を受け入れます。

2、受け入れに際して労働市場テストを行い、労働力が不足している職種のみ受け入れます。

3、国内の非正規滞在者に関しては3年以内に申請した場合は合法化します。

4、残留資格審査要件を緩和し、仕事についていれば在留できるものとします。

5、その他必要な処置をとります。

論点2.解決性

A) 人権侵害の解決

プランによって合法化されるため、人権侵害がなくなります。なぜならば、現在国や自治体にはオーバーステイであっても外国人の人権を保護しようというモチベーションがあるからです。

椙山(すぎやま)女学園大学、塚田さんの2001年の資料より、引用開始。

「上にみてきたように、直接オーバーステイの支援活動をしている人々、具体的なケースを取り扱っている自治体、行政での変化は外国人労働者の人権に対する配慮が芽生えてきているといえるであろう。」引用終了。

よってオーバーステイであっても人権保護の意識が芽生えつつあるので、プランが合法化されれば国や自治体は外国人の人権を守るようになります。また、上記であげた犯罪の被害も滞在が合法化するため訴えることができるため外国人の人権が保障されます。

B) 犯罪の解決

プランによって合法化されるため、不法滞在という心理的圧迫がなくなり、犯罪を犯す動機がなくなるため解決します。また、不法という弱みがなくなるため、犯罪組織に脅され入ることもなくなります。また合法化されることで賃金の高い職業につくことができます。これは単純労働が合法化されている日系人において経験的に証明されています。

茨城経済大学教授…[証拠資料を読みかけて止める]

論点3.重要性

2点挙げます。

1点目、外国人人権の保護

外国人であっても人間である以上人権は守られるべきです。現状で守られていなかった人権が守られるようになるので重要です。現状分析の論点1と、B)1点目と[時間切れ]2点目の資料で述べられています。

 


質疑応答

否定側質疑:瀬能→小林

瀬能:ちょっとまず最初に、プランを確認したいんですけれども、2点目で、労働市場テストというのを行うって書いてありますよね。で、あの、労働市場テストっていうのは、誰が何に対して行うテストのことを言っているんですか。
小林:厚生労働省が、入ってくる人に…労働…働くために、入ってくる人に、厚生労働省が、市場で…
瀬能:これ、入ってくる労働者に対して行うんですか。
小林:市場ですね。
瀬能:そうですよね。労働力が不足している職種のみを受け入れるって書いてありますよね。
小林:はい。
瀬能:これ、どれぐらい受け入れ…これ、プランによって受け入れるのは、増えるんですか減るんですか。
小林:えーと、まあ、分かりませんが…
瀬能:何か、この労働市場テストに関する予測なんてのは、ここでは持ってますか。
小林:持ってないです。
瀬能:なるほど。じゃあ、そこのところは、労働力が不足しているんだか、あるいは、何か、たとえば、飽和しているのかという分析は、とりあえずない。
小林:今のところ、ないです。
瀬能:はい、了解。3点目、国内の非正規労働者については、3年以内に申請した場合に、合法化するということで、今はイリーガルだけれども…不法滞在者だけれども、3年以内に申告すれば合法化すると。
小林:はい。
瀬能:彼らの滞在というのは、どうなんですか、そういう場合。
小林:滞在?えーと…
瀬能:普通どおりに滞在することに…ま、もともとは…
小林:はい、そうですね。
瀬能:で、たとえばビザの申請によって、ま、エクステンドできたり、普通の…
小林:はい、そう…普通の状態…合法になります。
瀬能:はい、わかりました。もう1点ね、プランなんですけれども、その、労働市場テストの関係で…これ…それでは、実質、労働市場テストの結果によって、我々は、労働者の受け入れをしない職種もあるんですよね。ちがいますか。
小林:あー、分からないですね。
瀬能:分からないんですよね。あの、もし、足りなくなければ受け入れないってことですよね、これ。言ってることそのまま述べてますよね。その確認、よろしいですか。
小林:あー、そう、テストによって、そういう結果がでたならば…はい…
瀬能:そうですよね。了解。…問題は、たとえば「犯罪を犯す」なんてのがありましたよね。これ、たとえば、その、中国人は殺人250%増なんて話…証拠資料ありましたよね。
小林:はい。
瀬能:これ、一般的な中国人の話をしているわけですよね。たとえば…
小林:あ、不法残留者です。
瀬能:え、この証拠資料は「不法残留者の殺人」って言ってませんよね。中国人は…
小林:この証拠資料は、不法残留者がどうして犯罪を犯すのかっていう…その…問題点を述べた証拠資料でありまして、ここでは言っていないですけど…
瀬能:ええ、ええ、でも、送致率と、殺人の…凶悪犯罪の増加が比例しているって話でしたよね。
小林:はい。
瀬能:で、これは、不法滞在者の殺人じゃないですよね。
小林:えー…
瀬能:あの、証拠資料にはね、ま、問題は…
小林:えーと、あの…来日中国人不法残留者が…の、殺人です。[時間切れ]
瀬能:はい、了解。

否定側第一立論

否定側第一立論:櫻井功男 Kritik Debate Institute

 

デメリット、1つです。「平成ホロコースト」

論点1:固有性

現在は、入国管理法で、単純労働者の就労が認められていません。プラン導入により、外国からの単純労働者の就労が認められることになり、現在の不法就労も認められるようになれば、移住労働者激増の突破口を開くことになります。

論点2:発生過程

A) 移住労働者は、自己増殖します。

島田晴雄、93年、引用開始。

「外国人労働者はひとたび導入されると、結局その一部が定着し、しだいに蓄積していく。外国人労働者の参入のネットワークはそれが専門的な組織であれ、親類や友人などのインフォーマルなものであれ、活動の継続によって自己増殖して行く性質がある。その結果、外国人労働者とその蓄積が加速され、さまざまな社会問題を提起する。」

論点3:インパクト。インパクト、2つあります。

1つが、軋轢による虐待。

サブポイントA、移住労働者の増加は、経済、社会の二重構造を作ります。

東洋経済新報社、93年、引用開始。

「不熟練の外国人労働力が大量に参入し、しかもその多くが不法就労の形で、低い労働条件の下で働くという状態が一般化すると、彼らは次第に労働市場の底辺に最下層の隔絶された階層を形成することになる。このような二重構造が形成されると、それは、経済の近代化のためにも望ましくないだけでなく、社会的にもさまざまな好ましくない影響をもたらす事になるだろう。」引用終了。

好ましくないこととは、何かといいますと、これは、摩擦であります。これは大変深刻なんですけれども、外国人襲撃なども起こります。

井口泰、2001年、引用開始。

「東西統一後のドイツでは、極右に傾倒した若者のみならず、普通の若者までが外国人襲撃に加わる事件が発生し、国の内外に大きな衝撃を与えた。襲撃された外国人は、当時、ドイツ各地で急増した庇護希望者が中心であったが、長くドイツで暮らしてきたトルコ人労働者と家族の命まで奪われた。[中略]結局、1990年代、ドイツのみならず欧州各国では、失業率が高まるなかで外国人の大量流入が生じ、排外主義や人種差別主義が息を吹き返した。」引用終了。

移民が増加するドイツでの悲劇は、プラン採択後の日本でも頻発し得るのです。まさにホロコーストの再現です。

次に、インパクトの2番目ですけれども、これは、ゼニ金の問題です。社会的コストが増えます。

井口泰は、2001年の著書で、労働省の研究会の単純労働者を受け入れた場合の社会的な便益と費用の試算を紹介しています。移住労働者(推定50万人)がもたらす社会的な便益と、それに伴う社会的コストを「出稼ぎ期」、「定住期」、「統合期」の3段階で分析されています。「出稼ぎ期」の外国人が支払う税金や保険料等の社会的便益は3200億円、教授する社会的費用(国・地方自治体のサービスと給付)は800億円。「定住期」には社会的便益は同程度ながら、社会的費用は6500億円に増加。統合期には、社会的便益は約3000億円と若干減少し、社会的費用は、子弟の教育などのため、14000億円に拡大するとしています。

このように、出稼ぎ期から統合期までの全期間の合計を比較しますと、社会的コストは社会的便益の2.3倍となります。すなわち、その差額、約12000億円の持ち出しとなるわけです。これ自体大変大きい問題ですし、これが故に、より軋轢を生むことになります。

続きまして、ケースアタックですけれども、彼らは労働者の保護、ということを言っています。ところが、プランを採択しても、労働者というのは保護されません。

ひとつは、彼らの能力というのは、日本では生かされません。彼らの職業能力は、生かされません。仕方がなく働いているわけです。現在の賃金の差ゆえに、母国での専門分野をあきらめて、日本で単純労働者となっているだけです。

津崎克彦、一橋大学大学院2002年、引用開始。

「このアンケート回答者は、ベトナムでは多様な職業能力を生かしていたにもかかわず、日本では工場や建築現場での労務提供を中心とした職業についているか、失業しているかのいずれかでしかなかった。」引用終了。

これはまあ、ベトナムを例としておりますけれども、途上国から来た人たちというのは、いろんな…医者とか、弁護士とか、いろんなプロフェッションがあるにもかかわらず、賃金差ゆえに、日本に来る、そうすると、日本ではそういう高度な専門職に就けずに、合法であろうが、非合法であろうが、単純労働者にならざるを得ない、ということで、人権は守られ…職業選択の自由というのは、守られておりません。

次に…さらに、失業のリスクといのが高い、という…これも、人権に対するターンです。

宮島喬、引用開始。

「当座必要だからというので、どんどん受け入れてしまうと、景気が下降したときに、そういった人々が雇用調整の対象とされて、失業者になる。ヨーロッパでそういうことが起こりまして、いまでも外国人の失業者は低くない。景気が下降してまいりますと[時間切れ]…」


質疑応答

肯定側質疑:上原→櫻井

 

上原:では始めていきたいと思います。よろしくお願いします。何点かお聞きしていきたいんですけれども、まず、デメリットの方行きましょう、デメリット。ホロコーストって言葉なんですけど、僕、わかんないんですけど、言葉はどういう意味なんですかね。

櫻井:まあ、これはデフォルメしておりますけれど、人種差別とか、それによる虐待、とかですね…

上原:あ、人種差別とか、そういった…わかりました。じゃあ、あの、次、ちょっとお聞きしたいんですけど、我々のプランによって、どれくらいの人が増えるんでしょうか。どれくらい移住労働者が来るんでしょうか。

櫻井:「うなぎのぼり」、ということで、証明されていますので、どっと来ると思います。

上原:いや、知っていますけれども、それが、じゃあプランによって、どれくらい来るんですか。プラン固有によって、ですね。

櫻井:プランによって…それは、あの、肯定側に是非説明していただきたい…

上原:え、何ででしょうか。こういう…固有性の立証責任は、普通否定側にありますよね。わかりました。じゃあ、その、労働力が…

櫻井:なぜならば、労働市場調査というので、解釈によって、認める、認めない、というように、するわけですよね。解釈というのは、そのときの景気等々によって、ま、労働省なり、何らかの機関が勝手に決められる。そこまで我々はわかりませんので、それは立証責任と言われても、これ、肯定側の立証…説明責任です。

上原:こちら側の立証責任である、と、はい、それは分かりました。

櫻井:はい、それは立論によって…

上原:分かりました。じゃあ、その中で…その、来た人たちの中で、どれくらい自己増殖するか、ってのは、もちろん否定側に立証責任ありますよね。

櫻井:ええ、ま、つまり、一人外国人が来れば、それが四人家族だったら、それが…

上原:それはじゃあ、一人来たら四人絶対来る、という証明は、どこにでなされました?

櫻井:絶対とは言っていませんけれど、一般的に…

上原:言ってませんよね。

櫻井:しかも、ドイツ等で証明されております。

上原:わかりました。ドイツ等ですよね。じゃ、それが日本に当てはまる、という証明は、どこでなされました?

櫻井:日本では…これ、ドイツの例も出していますけれど、一般論として…

上原:一般論として、ですね。わかりました。

櫻井:そこに書いてあります。これも、学者の…ステートメントです…

上原:学者だから…学者の話だから、ってことですか。分かりました。次行きます。

櫻井:その専門のお話です。われわれよりクレデンシャルはあります。

上原:あ、なるほど、次行ってよろしいでしょうか。底辺にたまる、ってお話があったんですけど、これ、よくよく聞くと、不法就労だから、底辺に行くって話ですよね。ただの、ちょっと確認…

櫻井:いいえ、これ…ごめんなさい、不熟練の労働者…

上原:で、その次に、不法就労だから、って話もありましたよね。

櫻井:不法就労、という言葉は、これは、入っておりません。

上原:え?本当ですか?

櫻井:はい。良く聞いてください。不熟練の外国労働者…

上原:その後に、不法就労、とおっしゃいませんでした?

櫻井:あ…しかも、その多くが不法就労者の方で…とありますね、はい。

上原:あるんですよね、不法就労ですよね、はい、わかりました。次、行きたいと思います。社会コストが上がる、というお話があったんですけれども、これは要するに、50万人が全員定住化したら、これだけ…6500億円マイナスになるんだよ、という話だったんですよね。

櫻井:現在27万人いらっしゃる…いる、と、おっしゃいましたので、それが、まあ…素晴らしい、アトラクティブなプランだとするならば、簡単に達成しちゃいますよね。その倍来れば70万人も超えます。

上原:じゃあ、あの…我々のプランで、来て…外国人労働者が来て、そのうちどれくらいが定住して、どれくらいマイナスになるか、という立証は行っていませんよね。

櫻井:えーと、多くが来るであろう、というのは確信…

上原:その中で、どれくらい定住するか、という立証は、なさっておりませんよね。[時間切れ]ありがとうございます。

肯定側第二立論

肯定側第二立論:朝香雄二 創価大学ディベートネットワーク

 

これから肯定側第二立論を始めます。

まず、重要性を一点追加します。

重要性の2点目は、日本人の人権の保護です。不法滞在者の犯罪によって侵害されている日本人の生命や、財産権といった人権が守られるので重要です。論点1C)にあるような犯罪の原因が解決されるので、犯罪が減少します。

次に、解決性の議論に移りたいと思います。解決性の議論、最初の議論で、結局、単純労働が人権侵害だ、というようにおっしゃっていたんですけれども、一点目として、まず、なぜ単純労働が、こういう風に、人権の侵害になっているか、述べられておりません。

二点目として、実際に単純労働であっても、賃金というのは、高くなっています。

岐阜経済大学、竹内助教授の資料です。引用開始。

「賃金は職種は同じだが、非常にさまざまである。日系人、時給、11001200円[中略]これはパート・タイマーに比べかなり高い賃金(パートは都市部で900円前後)」引用終了。

次に、二点目の失業のターンアラウンドについてですが、ここでは、日本では外国人労働者の需要があるので、問題はありません。

日本の論点2005年より、引用開始。

2002年の法務省の統計などによると、日本で…」

次に…実際の労働…もう一度、同じ資料[日本の論点2005]を引用します。

「実際の労働現場では、すでにさまざまな外国人が、“日本のために”働いているのだ。とりわけ求人難にあえぐ地方の地場産業は、いまや外国人なしでは立ち行かないといっていい。」終わり。

よって、失業という問題は起こりません。

次に、デメリットに移りたいと思います。

まず、固有性について、一点目…一点目として、固有性がありません。なぜかというと、肯定側第一立論の、内因性の、最初の証拠資料で述べたように、現状でも外国人労働者が急激…うなぎのぼりに増えている、ということを言いました。よって、プランを通さなくても、外国人が、現状でも増えているので、問題はありません。

また、二点目に、単純労働を認めると、今後も単純労働者が急激に増える、と言っていたんですけど、一点目で、なぜ、単純労働を認めると、労働者が入ってくるのか分かりませんし、二点目として、入管…肯定側の一枚目の証拠…内因性の一枚目の証拠資料で述べたように、現状でも入管法は、全く外国人の流入を妨げていない、ということを、証拠資料で述べました。ですから…述べました、ですから、全く現状と、プラン導入後の違いが示されておりません。

次に…次に、発生過程の、A)の最初の証拠資料を見ていただきたいんですけど、この、最初の文章で…間違えました。深刻性ですね。深刻性の最…すいません、重要性の最後の証拠資料を見ていただきたいんですけれども、この証拠資料で言っているのは、結局定住しなければ…外国人が定住しなければ、逆に日本の利益につながると言って…ということです。

で、ここに対して、二点目として、ターンアラウンドで、実際は定住化しません。

立教大学、宮嶋教授2002年より、引用開始。

「こうした一般化を免れる事例は数多く存在する。たとえば、後述する日系人の日本へのデカセギにおいてはリピーターという形態が多く、定住化するケースは少ない。[中略]すなわち、国境が開放され自由に行き来できる状況では、本国への帰国は常に可能であり定住化は起こりにくい。大規模な外国人の定住化は、むしろ再入国が困難になった結果として起こりやすいともいえる。」終わり。

三点目として、結局、むしろ現状で一度、不法滞在者、というかた…不法滞在者の方々は、一度、国…自分の国に帰ってしまえば、もう日本に出稼ぎに来ることが出来なくなりますが、プラン導入後は…その、また…今現在定住している人が一回、非正規…一回正規労働者という状態に戻れるので、再入国も可能となり、現在の定住化が解決します。よって、逆にメリットにつながります。

次に、重要性の一点目について、行きたいと思うんですけれども、肯定側も内因性で述べたように、現状でも…現状でも、非正規…不法滞在者の方々が…不法滞在者の方々が…劣悪な環境で働かされていま…働かされている、ということを、ご確認ください。現状でも、こういう二重構造というのが存在するのに、否定側は、現状…否定側は現状で、何…現状では、そういう軋轢というのが、起こっていないのですから、このデメリットには…このデメリットは、まず起こりません。

次に、まず…まず、それで反駁をちょっとまとめたいんですけれども、まず否定側は、プラン導入前…現状とプラン導入後の差を全く見せておりませんし、もし外国人が増えたとして、いったい何人の外国人の方が来たら、その、デメリットという[時間切れ]ことにつながるのか言っていません。


質疑応答

否定側質疑:櫻井→朝香

 

櫻井:では始めます。お願いします。まずですね、順番に行きます。定住化はしない、というようなことでですね、ブラジル系日系人ですか、…の話…日系人ですか、はい、ごめんなさい…は、リピーターが多い、ということでしたけれども、ここで、私の立論では、欧州では定住化しちゃった、と言っています。で、トルコ人と、その、いわゆる日系人との、違いというのは、何なんですか。

朝香:えーとー、否定側が示していたのは、ドイツの例ですよね。

櫻井:ドイツの例です。

朝香:ドイツは確か、一回…一回でも入国…労働者の受け入れを止めていますよね。

櫻井:はあ…

朝香:ですから、まず日本では…ですから、こちらは日本の例ですので…

櫻井:日本…はい。

朝香:日系人というのは、自由に、日本と自分の国を、現在行き来できる状態なので…

櫻井:はあ、で、ええ、ええ、…それがなぜ…日系人って今、認められているじゃないですか、就労を。で、日系人以外ですよね、いわゆる本当の外国人の単純労働者等々がリピーターになる、というところまで、証明していますか。

朝香:現状で不法滞在している方とか、既存で、日本…自分の国に帰ってしまっては、不法に滞在していたのですから、日本に来ることが、自由には出来ていませんよね、今。

櫻井:はい。

朝香:ですから、プランを導入することによって、自由に行き来できるようにするので、逆に…

櫻井:ああ、なるほど。はい、わかりました。次にですね、あの…人が増えるか…プラン導入後にですね…外国人労働者が日本に増えるかどうか、という問題でしたけれども、「うなぎのぼり」ということで、冒頭おっしゃってましたね、現状。ということで、固有性なし、ということでしたけれども、その点、非常に重要なんで、聞かせていただきたいのですが、プランというのは、外国人に対して、素晴らしいことなんですか。人権を保護する、ということを狙っているわけですか。

朝香:そうですね。外国人の人権と、日本人の人権…

櫻井:外国人にとって…労働者にとって、いい、ということですよね。それをされようとしているわけですよね、少なくとも目的においては。

朝香:その通りです。

櫻井:そうすると、外国から、「じゃあ、オラも行くか」って、なるんじゃないですか。

朝香:いや、必要な人だったら…

櫻井:必要性というのは、「うなぎぼり」、ということで…証拠で自明のことだと思いますが…

朝香:内因性の、二枚目の証拠資料を見ていただきたいんですけれども、ここでは、入管法の規制が、全く意味をなしていない、ということを証明しています。ですから、結局、今、ちょっと…今のが…今少し…[時間切れ]ありがとうございました。


否定側第二立論

否定側第二立論:瀬能和彦 Kritik Debate Institute

 

はい、それではですね、まずメリットの方から見ていきたいと思います。

メリット、B)の所で、1B)のところで、人権の話をしていますが、ここで考えて欲しいのはですね、確かに人権侵害の可能性がある場合もある、と。ま、全員が全員人権侵害されているとは、ちょっと私たち考えにくいですが、人権侵害の場合もあるけど…人権が、あまり重視されていない場合もあるかも知れない、まあ、ちょっと極端な例がいろいろありましたが、しかしですね、私たちが議論したいのは、これは後で述べますが、彼らが日本で働くのと、ある程度権利が制限されるのと、どちらがいいか、という問題ですね。わたしたちはですね、プランをとることによって、むしろ…たとえば、働くことが出来ないような人が、プランによって出てくるんじゃないかと思いますので、比べたら、人権侵害というのは、まあ、まだ耐えられるようなレベルの人がほとんどではないのかなという風に考えます。

その次にですね、外国人犯罪の問題ですね。これ、非常に重要だと思うんですけれども、肯定側が第二立論で、日本人の人権も侵されているんだという話がありましたが、これはもともと外国人犯罪の問題に絡んでいますから、一緒に、重要性としては返したいと思います。

まずですね、最初の証拠資料ですね。読売の証拠資料ですが、これ、「…外国人が容疑者となった事件の摘発数が、16%増の47,124件で、同じく過去最高だった。また、不法滞在者は、半数を超える12,306人だった。」これ、不法滞在者が事件を起こしたとは言っていませんよね。検挙された中で、不法滞在者が12,306人だったと言ってるだけに過ぎませんよね。もちろんこの犯罪率というのは、軽いものから重いものまで…今は不法滞在というのはイリーガルですから、それが摘発されたというのも犯罪ですよね。それが半数いたというのを述べているに過ぎませんから、これで凶悪犯罪が伸びているとか、そういう証明がなされていないわけです。

じゃ、その次の証拠資料ですけれども、その次の証拠資料ではですね、張博士ですか、親戚の圧迫があるから、故郷に錦を飾るために犯罪を犯す人がいるってわけですよね。しかし、これがどの程度多いのか。本当にこの理由でですね、犯罪を…凶悪犯罪を起こすような人が多いのかどうか、この証拠資料では証明されていないですね。かつですね、もともと犯罪をしようと思って来る人たちもいる。

警視庁国際部国際課、2000年。

「検挙被疑者の中には最初から仕事で金を稼ぐという気持ちはなく、血縁・地縁関係者と強盗・窃盗グループを作り手っ取り早く金を稼ぐために密航してきた、と供述しているものも見られる。」

ということで、これ、肯定側が…錦を飾りたいから、[犯罪を]するんだ、というのが多いという風に証明できなければ、すごく小さいんですよね。

その次の資料ですけれども、その次の資料はですね、これ、ただ単に中国人の犯罪が…これ、もう一回見てもらいたいんですね。証拠資料ではですね、中国人の送致率が205%増になった、その次に、それに呼応するようにして、その次の年には中国人による殺人が増えていると…ま、殺人その他が増えているというだけで、これが、その、不法労働者だ、という証明は、この証拠資料にはないんですよ。両方とも増えたと言っているだけで、この因果関係というのは、この証拠資料では証明されていない。これ、肯定側の立証責任ですから、このところを証明してもらいたいと思います。

で、経団連の証拠資料がその次なんですけれども、これはまあ、脅して…不法労働だ、というのを脅して引き入れる、というのがありましたが、これはですね、そういうケースが増えていっていると言っているだけで、このケースが、凶悪犯罪の多くを占めているなんていう証拠資料じゃないわけですよ。だから、そういうケースが、たとえば1件か2件増えた、2件から10件に増えた、(そういうことは)あるかも知れませんけれども、それが凶悪犯罪のほとんどを占めるようなことはないですから、まあ、あの…件数としては非常に少ないのではないかと言えると。これ、肯定側の立証責任ですから、多いというのであれば、それを立証して欲しい。

で、その次の警視庁の証拠資料ですけれども、これはただ単に、悪質な…外国人の犯罪が悪質だ、サバイバルナイフを使うと言っているだけで、これは、一般的な話ですよね。これが、不法労働者でという証明がない、つまりですね、ひとつも、不法労働者の犯罪が多いとか、凶悪化しているというのがないわけですよ。で、かつですね、私たちは、もし問題があるならば、肯定側は、その理由がですね、違法だからという話なので、私たちは、たとえばここでカウンタープランを…たとえばじゃないな…カウンタープランを提示してですね、入管法を変えずに、まあ、アムネスティを行ってですね…これ、ヨーロッパで行われていますが…合法化する。今いる人たちは、違法じゃないことにする。そうしたら、起きている件数は少ないんじゃないかと思いますけれども、そうした人たちが、ま、犯罪に走るリスクがなくなるという風に主張したいと思います。

で、次ですね、プランなんですけれども、これ、私たちはここで、論題充当性を論じます。

これ、質疑で確認しましたが、これ、プランがですね、全ての職種で実質的に就労を認めてないですよね。これ、もともと市場…市場なんとか調査ですか、これによって、認めたり認めなかったりというのですから、これ、肯定側が、ほとんど全てで就労が許されるって証明しない限りはですね、ただ肯定側のプランで言っているだけで、実質何も変わっていない。システムだけ作ればいいなんて話じゃないですよ、これ。そこさえも説明しきれていないんですから、これは論題を満たしていない。実質的に、ほとんど全ての職種において雇用を認めるということにはなっていないということなわけです。これ、肯定側の立証責任ですから、そこのところをですね、ま、わかんないと思いますが、証明してください。

次にですね、問題解決性です。

まずですね、この市場なんとか調査、(どういうものなのか)よく分かりません。果たしてこれがどのように機能するか分からないので、これから(外国人労働者が)増えるのか減るのかさえ分からない。これでは、メリットが発生するかしないか分からないですよね。まずこれが一点目。

で、二点目ですね、三年以内に名乗りをあげれば、今いる人たちも認めるといいますが、これ、名乗り出るという証明がないですよね。市場調査によって、その市場に雇用がなかったら、名乗り出るわけないですから、名乗り出たらそのまま強制送還ですから、名乗り出ない。これは、そういう市場があるという風に肯定側が証明する立証責任があるということです。「今(外国人労働者が日本に)いるからOKなんだ」じゃないです。これ、調査の結果ですから、国がどう判断するかというのをきちんと肯定側が証明すべきです。

次ですね、えーと…ま、そうですね、もし名乗り出るというならば、それが肯定側の立証責任であると。

次にですね、えーと…ま、もしですね…まあいいか…はい。

本当はもうひとつやりたいのですが…トピカリティでも…時間がないので[時間切れ]これで終わります。

 



質疑応答

肯定側質疑:小林→瀬能

小林:よろしくお願いします。まず最初に、人権があまり重視されて…人権を重視することよりも、日本で働けることの方が重要だ、というようにおっしゃっていたのですが、なぜですか。

瀬能:あの、人権の…なんでしたっけ…蹂躙っていうか…すいません、人権が守られないといっても、レベルがいろいろあるわけですよね。で、私どもの…

小林:えーっと、一応、はい。

瀬能:肯定側のプランによって、雇用が認められるかどうか、その、市場なんとか調査によって分からないわけですから、認められなければ…

小林:ですが、人権侵害の現状は、一応、肯定側立論の中で、一応述べましたよね。

瀬能:あの、現状…

小林:それよりも、働けることの方が大事、ということですよね。

瀬能:人によっては…その度合いによるって話を、だから、しているわけですよね。

小林:度合い、度合い…ああ、度合い…

瀬能:あの、もしね、どうしても嫌だったら帰れるわけですよね…

小林:じゃあ、働けることの方が大事な人もいるけど、人権侵害の方が重い人もいる、っていうことですかね。

瀬能:あの、本当に重いんだったら、そのまま帰れるんですよね。彼らは名乗り出れば強制送還ですよね。帰れるわけですよね。名乗り出たら強制送還ですよね、違いますか。

小林:そうなんですか…

瀬能:そうですよね。日本は、イリーガルだと分かれば、国のお金でわざわざ帰してもらえますから、本当に嫌だったら…

小林:分かりました。次に行っていいですか。外国人検挙数が…の、不法滞在者が12,000人いたけど、その人たちが犯罪したとは言っていない、っていう…

瀬能:そのカードは、中には…中には、12,000人が不法滞在だったって書いてありますよね。

小林:一応、検挙数…検挙された人たちの…

瀬能:で、検挙って、不法滞在も検挙されますよね…

小林:そう、ですから…

瀬能:その場合は、不法滞在が12,000人と言ってますよね。言ってません?

小林:えーと、不法滞在者が四万…ああ、検挙数が42,000、外国人犯罪の検挙者が一万二千いくつのうち、不法滞在が…はい…

瀬能:「不法滞在が」ですよね。それは、不法滞在者が犯罪を犯してるって言ってないですよね、カード。不法滞在者が12,000人って言っているだけですよね。

小林:えーと、あとで資料を…じゃあ…

瀬能:え?そんな…

小林:ですから、その前の資料で、不法滞在者の犯罪について、一応述べているので…

瀬能:え?ま、全部(のカード)に一応反論しましたので、はい、すいません。

小林:えーと、では、次に行きます。

瀬能:はいはい。

小林:もともと犯罪しようと思ってやってくる人が多いとおっしゃってましたよね。

瀬能:…人もいる、と。

小林:…人もいます、と。その人は、プラン後にいきなり増えて…あの…労働目的で入って来るんですかね。

瀬能:これですね、私が述べたのはデメリットじゃないんです。ターンアラウンドしてるわけじゃないんです。こういう人たちがいるから、それは減らないっていう、まあ、問題解決性…

小林:ああ、それはまあ、現状とは変わらない、プラン固有ではないですよね。

瀬能:はい。

小林:それで、えーと、次、あの…中国人犯罪が…送致人員が二倍に増えて、犯罪が…中国人の検挙数が二倍に…以上になったから、という根拠はない、と言っているのですが…

瀬能:それ、関連…ただ、次の年に増えたとしか言っていないですよね…中国人犯罪者が。

小林:まあ、そうですね…

瀬能:そこをね、説明して欲しいわけですよ。

小林:はい、分かりました。

瀬能:彼ら[不法滞在者]が(犯罪を)やったってことを…

小林:えーと、次に、あの…[時間切れ]ありがとうございました。


否定側第一反駁

否定側第一反駁:櫻井功男 Kritik Debate Institute

 

では始めます。

私の立論で、ケースに関してターンを2つ挙げましたけれども、いまだにそれに対して反論はありません。これからの反論は、全てニューアーギュメントとなりますので、そこら辺、ご確認ください。

ターンアラウンド2つというのは、人権に関するもので、1つは、職業選択の自由というのは、プランによって、固有的に侵される、というものです。もう1つが、これ、プランによって固有に、失業のリスクが高まる、ということです。

これについて2つ…さらにご説明いたします。

1つは、プランによる職業選択の自由に関してなんですけれども、これは、労働市場テストなるものを、彼らのプランに入っているが故に、たとえば、システムエンジニアでキャリアを持っている人が、日本に、このように働こうと思っても、「うちは間に合っている」って言われたら、「じゃあしょうがないや、建設現場で穴を掘るか」ってなってしまうんですね。それが、職業選択の人権というものを侵しております。

次にもう一つの、調整弁となるものですけれども、労働市場テストというのがあって、たとえば、「一時帰国をしたら戻ってくるよ」、となった時に、その時に、「あ、前やっていたあなたの仕事、もう、今は間に合ってるんだ」と言われたら、困っちゃいますよね。そのようなことで、調整弁になってしまうんですね。もともと外国人というのは調整弁になりやすいのが、さらに、労働市場テストなるものが故に、なってしまう。ここら辺、非常に大きな問題として、ご確認ください。これは、反駁はありえませんので、これはこのまま通りました。

次に、私の出したデメリット、ホロコーストに関してなんですけれども、1つのチャレンジが、人が増えるか増えないか、という問題ですけども、ま、プランが曖昧なので、増えるか増えないか自体は分からないままなんですけれども、一度来た人たちが、行ったり来たり…リピーターになる、ということで、定住化いたします。それが…プランが非常にメリットがある、ということであれば、同時に人が人を呼ぶようなことになります。

これ…証明いたします。リピーターが…否定側第二立論でですね、日系人の例を出して、リピーターという形態が多いので、定住化しない、…するケースは少ない、という風に言っていまして、その理由が、国境を通う際、行き来できる、ということでしたけれども、実際に欧州でも…欧州こそ、行き来しやすいですね。昔からね、パスポートすら、持っても…忘れても行けちゃうようなところですけれども、それでおいても、定住化してしまってるんですね。さらに…あの…再入国、これも、彼らのプランに固有なんですけど、再入国、一回母国に戻って、再入国するときに、仕事があるかどうか、保証がないわけですから、それ…だったら定着、一度来たら戻るまい、というようなことになるわけですね。ですから、これはプラン固有のデメリットの、下敷きになります。伏線になります。

で、さらに、デメリットの軋轢なんですけれども、日本の構造的閉鎖性というのが、非常に大きい問題であります。岐阜経済大学、竹内教授、

「日本は非移民国であり、国籍取得については血統主義をとっている。こういう国は、人種・民族純粋型の社会を形成しやすく、法的な概念である国民と、社会学的、文化的概念であるエスニック集団とが自覚的に区別されにくい。」

ということで、ドイツでも起こっているようなことが、日本ではさらに強い形で、差別という形で起こるわけですね。これが[時間切れ]さまざまな軋轢を生む、ということは、自明なことでございます。


肯定側第一反駁

肯定側第一反駁:上原伸幸 創価大学ディベートネットワーク

 

はい、では始めていきたいと思います。

まずケースの方の議論に行きましょう。ケースの方の議論。

人権侵害ということに対して、論点がありました。彼らは、働く権利の制限の方が深刻である、という話があったんですけど、我々が今、そういう不法就労者がさべてる…差別されている、という条件を改善するべきだ、という立場をとります。

資料です。依光さんの、2000…二千何年だ、こりゃ…えーとですね、依光さんが、2003年の証拠資料より、引用を開始します。

「このような姿勢は、国連の移住労働者の権利条件にも見られる。この権利条件は、全ての外国人労働者とその家族について、この滞在が、就労が合法か非合法かを問わずに、広範な基本的人権をほぼ、賃金労働条件や、社会保障について、自国民と同等の対応を要すべきことを規定している」引用終了[資料提示なし]。

このように、労働条件を改善すべきことが、権利として…働く権利の制限よりも重要だということを、スタンスにたちます。

続いて、犯罪の方の…犯罪の方の話に行きましょう…というか、人権侵害の話に関してなんですけど、これに関して、合法から不法になるという、我々のプラン一点目と三点目に関して、彼らは何も反駁していません。合法になる、ということは認めました。つまり、合法になって、労働条件が改善される、というのは何故かというと、今すでに国が、そういう…人権に対する配慮が芽生えているんだ、という、このリンクが残ります。ですから、このメリットは立ちます。

で、続いてデメ…凶悪犯罪…犯罪の方に行きましょう。犯罪の話なんですけど、彼らは一貫して我々のリンクというのは不法就労によるものかどうか分からない、という話をしてたんですけど、そもそも考えてください。強制送還がされるのって、普通不法就労者ですよね。そういう不法就労者の方々が、強制送還されたら、その、犯罪が増えた、という風に…要するに、強制送還イコール不法就労者の話ですよね。ですから、我々は不法就労者の話をしています。それで、結果的に殺人が250%から増えた、という話をしているので、我々のリンクは通っています。

さらに、その…えーとですね、労働市場テストに関しては、その…景気に…認めていない、という反駁があったんですけど、これは、考えてほしいんですけど、我々はその…言っているのは、景気によって、ダイナミックに労働市場が足りないところというのはどんどん変わっていきますよね。それによって…だから、いつ、あの…ダイナミックに変わっていくので、そういった権…働く場所っていうのは変わっていく。だから全ての職業において認めていることは認めています。

で、さらに、その、アムネスティに関して、本当に名乗り出るという証明がない、という話があったんですけど、内因性の一点目の証拠資料を伸ばしてください。現在は、日本に来たくて不法残留者がどんどんどんどん増えている、と。で、こういった人たちは、日本に来たくて、不法でわざわざ来てるんですから、日本にいたい、という動機はありますよね。で、こういった方々が、不法という状況…不法じゃなくなるっていうプランが出されたら、普通、来ることが考えられますよね。ですから、来ます。

で、さらに、彼らはヨーロッパで、雇用とかが…賃金が…ヨーロッパで雇用調整がだめになる…雇用調整がだめになって失業になったって、話があったんですけど、これは私たちきちんと…二立のパートナーの反駁を見てください。返しています。求人困難で、日本では今、外国人が必要なんだ、と。だから外国人の手を借り…外国人が必要だから、外国人に…外国人のニーズがある、と。だから、こうったことは、まず起きない、ということを、我々…私の二立のパートナーが言っています。

で、続いて、デメリットの方行きましょう。デメリットの方。

彼らは、一番重要な論点を落としているんですけれども、内因性です。果たして我々のプランによって、どれくらい来て、そのうちのどれくらいが定着するか、ということを、全く証明していませんよね。で、国民の、その、軋轢とか、という話なんですけど、で、私の二立のパートナーの話を思い出して欲しいんですけど、今でも入ってきているのに、実際起きていませんよね。さらに、こういう軋轢っていうのは、不法就労によって起きている、と。で、不法就労は私たちのプランによって解決しますよね。だから、むしろ良くなります。

で、さらに、あの…ま、…次の社会利益の話もそうなんですけど、これ、50万人のモデルを示しているだけですよね。これは、一点目として、固有性がないです。で、さらに、日本で…日本では実際定住化していない、という証拠資料を示しました。欧州の資料を出しても、日本で実際定住化していない、という資料を取ってください。これが事実です。

で、さらに、カウンタープランなんですけど、アムネスティに関しては、解決性が、まず一点目として、ありません。なぜならば、これは、今国内にいる人たちを、助けるのであって、私たちは、今後増えて…不法就労で入って来る人たちも、助けるわけですから、その分の解決性…プランの方が優位性があります。その点を取ってください。

以上で、肯定側の第一反駁を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

否定側第二反駁

否定側第二反駁:瀬能和彦 Kritik Debate Institute

 

まずは論題充当性から考えてみましょう。

肯定側は、その時々によって、いろいろですね、マーケット調査とか、変わるから、状況は分からないけれども、とりあえずは開放しているという風におっしゃってましたが、これ、トピカリティですから…論題充当性ですから、肯定側の立証責任ですよね。肯定側は、ただ一つの市場も、余剰があるから認められるって、証明していないんですよ。これ、否定側に、あの…バードン(証明責任)押し付けてますよね。これ、肯定側が積極的に、少なくともこういう市場では…でもですよ、これも、ほとんど全てで開けるって言ってるわけですから、実際に法律は作ったけれども、一人も雇いませんよ、これじゃあ開けたことにならないわけですよね。そこもですね、肯定側が証明しなければ、少なくとも、ほとんど全ての雇用を認めること…ま、もともと一つも証明していませんが…少し証明しただけでも、まだ実質的にそれを開放したことにはならないので、ま、これは私が述べたことですけれども、もともと…これはですね、示されていないので、肯定側のプランは、論題を充当していないと思います。

で、私たちは、基本的に、このアムネスティのカウンタープランを主張していますが、ま、肯定側はですね、今後入る人の分(がメリットになる)という話をしています。それを考えると、私たちのカウンタープランよりも、肯定側のプランの方が救う人が多いんじゃないか、という話ですよね。でもこれ、ま、私あとからもう一回詳しく説明しますが、肯定側のプランによって、果たしてどれくらい救われるかというのが、これ、分かりませんから、どれくらいの人数が、今名乗り出て…市場があるかないか、分からないんですよ…名乗り出て、実質的に合法化されるかというのが証明がまるっきりありませんから、将来の人数…かつ、将来の人数も証明されていませんから、両方で増えるっていう証明ができないわけです、肯定側は。これは肯定側の立証責任ですから、少なくとも私たちのアムネスティカウンタープランは、今いる人全て、すぐに合法化されますから、数が明確で多い。これを上回るためには、肯定側が数を証明して欲しい。これがなかったらですね、アムネスティカウンタープランの方が、私は助かる人間が多いと思います。

えー、もう少し…ではちょっと…あと2分しかありませんが、詳しく見て行きますと、まず人権問題ですね。差別は解消しなきゃ、という風に言っていました。まず1点目、私が言いましたように、今でも、本当に差別されているという人たちは、日本国のお金で、強制的に帰れるわけですよ。それをしないというのは、少なくても、我慢できる程度である人がいるということですね。これは認められています。

で、2点目ですね…2点目、彼らの証拠資料は国連の人権条約のことを述べていますが、これ、日本は批准していません。問題があるからです。で、二点目として、ま、私たちのアムネスティカウンタープランによって、より多くの人が、人権が守られる。むしろ、その人たちの人権が大切だったら、市場調査で、何人救えるかわからないものよりも、すぐに、アムネスティで合法化して、彼らを助けてあげる方が、(救える)人数多いわけですよね。これは、私たちのデシジョンルール…英語で言うと…になると思います。

えーと、で、あの…犯罪の問題ですけども、これ、やっぱりですね、私が細かく述べた論点、全然覆されていませんよね。彼らが言っていたのは、犯罪の…ま、不法滞在者がいる、増えていると言っていましたね。これ、不法滞在者の検挙がこれだけだって言ってるだけなんですよ。あの…実は文脈が違うとか少し述べていましたが、それ以外何にも出てませんよね。私たちが言ったように、これ、犯罪…不法就労者が、多く凶悪犯罪を起こすという証明は一点もなされていない。これ、肯定側の立証責任ですからね。これで、メリットはですね、非常に小さなものになっていると、私たちは考えます。

で、えーと…問題解決性の問題ですけれども、これも、実際に市場テストとは何か、まず説明されていません。それによってどれくらい開かれるのか、つまり、名乗り出る人、現状において、名乗り出て、助けられる人間が、どれくらいいるのか、これは、肯定側は証明されていません。これ、肯定側の立証責任です。で、立証されなければ、そういうのが少ないという風に考えます。

で、私たちのデメリットですが、ま、実際にですね、パートナーが述べたように、これ、肯定側の主要な議論は、リピーターになるからOKだという話ですよね。でも、この証拠資料は、あの、市場マーケット調査がないからですよ。で、これで市場マーケット調査があって、再入国が難しいとなれば[時間切れ]、残るというのが、私たちの議論です。

 

肯定側第二反駁

肯定側第二反駁:朝香雄二 創価大学ディベートネットワーク

 

これから肯定側第二反駁を始めます。

まず、ここ…今回の試合で争点となったのは、外国人の人権というのが、守れるか、守れなくなるか、というと、それと、私たちのプランが論題を充当しているかどうか、というのと…もし、論題を充当していて、カウンタープランと比べてうちの方が勝っているか、ということです。

では、先にプランの…論題充当性の方に行きたいと思うんですけれども、まず、全ての職種で認めると言っているくせに、労働市場テストで制限していると言っていたんですけれども、私たちのメリットは、その…非正規滞在…現在非正規滞在している人たちが、人権侵害されている、という話なので、そこが解決されれば…人権侵害されている、ということなので、まず認め…全ての職種で認めた、という事実だけでも、メリットは発生します。何故かというと、認め…日本に入って来なくた…来れなく…もし、日本に入って来れなくても、他の日本に入って来れる人たちが認められているというアクション…認めるというアクションだけでも、結局…現在単純労働とかをしている人が認められていないので、で、被害を受けているのに、認められ…認める、というだけでも、もう、その人が認められているから、という風になって、人権侵害がなくなるという風に主張しています。ですから、一応プランは立っていると思います。

では、次に…次にカウンタープランに行きたいと思うんですけれども、カウンタープランは、すぐに解決すると言っていたんですけれども…すぐに、たくさんの人が解決する、と言っていたんですけれども、プランでどれだけ救えるかは分からない、と言っていたんですけれども…私たちの第一反駁の人が言った…おっしゃったように、日本には、残りたい人が数多くいる、と。ですから、彼らは…彼らは、日本にいて、お金を稼ぎたいというのですから、こういうチャンスがあれば、確実に…確実に、それを使って…確実に、その…それを使っていきます。ですから、まず多少…数字はちょっと分かりませんが、まず、その…アムネス…カウンタープランで認められた人よりも、プランで、その…そういう風に、資格を与えるよ、って言った方が、多少は小さくなるかも知れませんが、その後の…私たちのプランというのは、その後どんどん、今現…うなぎのぼりに入ってくる人たちがいるので、その人たちが今後、救えるようにするので、私たちのプランの方が、救える人は多い、という風に主張します。

また、次に、プランの…また、次に、デメリットの方なんですけれども、まずこれは固有性がありませんし、今…今急激に増えているのが、多少、傾きみたいなのが増えたとして、どれだけ重要なのか分かりませんし、また、どれだけ今より増えたら、深刻性が起こるのか、ということも、言っていません。また、欧州の例なんですけれども、市場マーケット調査がないから…ないからリピーターが起こらない、って言っているんですけれども、これは現状でも、単純労働に就くために、確実に、人たちが…たくさんの人が来ていますし、単純労働者、というのは、かなりニーズがある、ということも、私たちは言いました。

で、最後に人権なんですけれども、彼らが言っている人権というのは、職業選択の人権だけですが、私たちの人権を行きたいと思います。まず…まず一点目で、理由の2で述べたように、犯罪組織に巻き込まれてしまう。…不法滞在者の人たちは、働きたいのに、そういう、犯罪組織に、無理やり引き込まれるのですし、不法滞在者の人たちは、立論でちゃんと…第二立論で述べたように、犯罪のターゲットに[時間切れ]なっていく。ですから、私たちの方が重要です。




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