16JDA春季ディベート大会決勝戦

論題:日本国政府は炭素税を導入すべきである。

 

肯定側:創価大学DebateNewtorkE(佐藤瞬・田中時光)

否定側:ただしつけ麺に限る(竹久真也・玉置繁之)

編集:安藤温敏

201037


はじめに

 

 201036日および7日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、第16JDA春季ディベート大会が開催された。三試合の予選後、上位6チームによるトーナメントを経て決勝に進出したのは、創価大学DebateNetworkE(佐藤瞬・田中時光)とただしつけ麺に限る(竹久真也・玉置繁之)の2チームであった。決勝戦のジャッジは、赤津義信氏、別所栄吾氏、古宅文衛氏、園城浩行氏、山中允氏の5名。うち3名が否定側に投票し、ただしつけ麺に限るチームが優勝した。本大会のベストディベーター賞は、田中時光氏が獲得した。

 本トランスクリプトは、決勝戦の模様を収録したものである。

 本トランスクリプトに掲載されている証拠資料の出典情報は不十分であり、原典の確認は行っていないので、使用を検討する際は、必ず原典にあたってから利用していただきたい。

 

肯定側第一立論

肯定側第一立論:佐藤瞬 創価大学DebateNetworkE

 

 最初に感謝の言葉を述べてもよろしいでしょうか。まず、ここまで、決勝の舞台まで、パートナーとして組んでくださった先輩、田中先輩と、会場を運営してくださったこの大会を運営してくださった皆さん、そして、対戦してくださった皆さん、そして、ジャッジの皆さん、本当にありがとうございました。僕は、この炭素税の論題を2005年の時に、違う団体の、NADEというところでやっていて、ものすごい、その後、引きずるような思い出があって(笑)、それの、一種、トラウマをはらすための戦いとしても、意義づけられていたんですけど、この大会を。で、その中で、本当に、自分たちの37この三年生なんですけど、三年生同士のみんなが、当日電話したのにもかかわらず夜来てくれたりとか、というような絆を確認できたことが本当に嬉しかったなという風に思います。本当にありがとうございました。そして一番今回の議論の面で貢献してくれて、本当にみんなのために動いてくれていた、一こ下の大石君という子がいるんですけれども、その後輩に本当に最大の感謝を込めて、戦っていきたいと思います。そして自分自身がですね、創価大学生として戦えていることに、両親と創立者に感謝しながら試合をしていきたいと思います。それでは、始めていこうと思います。

 それでは始めます。

 

定義。資料中の環境税・気候変動税とは全て炭素税です。

 

論定1:現状の観察

 20世紀後半から人類の存在を脅かす地球温暖化についての議論が出てきました。温暖化の原因は人間の活動に伴うCO2を含んだ温室効果ガスの放出であると判明しています。

 2008年、龍谷大、高村教授。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年に発表した第四次評価報告書(AR4)は、気候システムに温暖化が起こっていると断定し、人為起源の温室効果ガスの増加がその原因とほぼ断定した。」終わり。

 温暖化を放置すると異常気象や気温の変化に伴い、経済が後退します。

 同じく高村教授。

「海面上昇による沿岸地域の浸水、降水量、降雪量の変化に伴う洪水や渇水、異常気象の激化による人命や財産の喪失に加え、経済や産業への影響も深刻である。[中略]「スターン・レビュー」では、地球温暖化の影響によって、世界全体で、少なくとも毎年国内総生産(GDP)の5%の経済損失が生じるとしている。」終わり。

 この問題に立ち向かうためのモデルケースになるべく、日本は積極的な政策を打ち出し、その成否が世界から注目を集めています。

 2009年、地球環境、松田編集長より引用開始。

「前麻生政権が打ち出した「2005年比15%減(1990年比8%減)」と比べると、きわめて意欲的な目標で、各国首脳は礼賛。国連のパンギムン事務総長は「難航していた交渉に新たな息吹が芽生えた。日本政府の野心的な目標は、途上国の動向にも影響を与えるだろう。」終わり。

 

論点2:内因性

 今後の温暖化対策は法による規制では限界があるため、税等の経済的誘導が必要です。

A) 国民の場合

 国による従来の規制では日常生活のCO2排出を抑制できません。抑制には直接負担となる税金が必要です。

 2004年、炭素税研究会より引用開始。

「日本の二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガス排出量は増え続け(2002年に基準年比7.6%増加)[中略]その原因は、排出削減のための政策・措置が不十分で、石炭火力発電所の増加や、省エネ努力目標を遵守しない工場や新築建物等の横行、運輸旅客・民生部門の排出増等を招いてきたことにある。[中略]政策・措置の中でも、全ての主体に削減効果を及ぼすことができる炭素税の導入が急がれる。炭素税は、排出が増えている民生・運輸部門の排出削減を進める有効な政策といえ、また排出量の多くを占める産業部門の削減にも有効である。」終わり。

B) 企業の場合

 企業はオイルショック以降、省エネに取り組んできましたが、まだ削減の余地が残っています。

 200911月、大和総研、丹本より引用開始。

「日本の省エネ技術は世界一であり、乾いたぞうきん状態などといわれていますが、削減する余地はまだあると思います。たとえば、二度のオイルショックの後1990年代までは効率化が進んだものの、その後は横ばい、もしくは悪化している産業さえ見受けられます。」終わり。

 しかし企業が今後、省エネに取り組むには既存の規制とともに炭素税を交えた明確な政策を国が打ち出す事が必要です。

 2003年、NPO法人気候ネットワーク発表資料より引用開始。

「温暖化防止の政策シグナル(適切な制度設計の炭素税を含む)は、関連する諸分野での発展を促すものである。明確な政策シグナルがないまま何もせずに行ってしまうと、日本の省エネ技術が例えば欧州などに後れをとり、環境でも経済でも後れをとる可能性があり、それこそ憂慮すべきことである。」終わり。

 この状況を打開するために炭素税を導入します。

 

プランを3点。

1、来年から[炭素]1トン9000円を課税します。環境省の税収試算は1トン3000円で1兆円なので、このプランの税収は3兆円です。

2、税収の3兆円は、

A1兆円は、省エネ技術開発・導入への補助金、

B1兆円は、輸出品は税関で税を払い戻し、輸入品には国内品と同様に課税する国境税調整にあてます。

C1兆円を低所得者層の負担減免にあてます。方法は社会保険料の減額などです。

3、補助金不正利用防止のため、政府が新たに監査委員会を設けます。

 

論点3:解決性

 プラン後は炭素を多く含む化石燃料ほど課税され、その価格が製品に転嫁されます。その結果、3つのルートから化石燃料の消費が抑制されます。

1)消費者が省エネ機器を買い替え、

2)企業の省エネ設備投資の財源が確保でき、

3)国民の意識が変わり、ライフスタイルの変革が促されます。

 20056月、元環境大臣、小池百合子より引用開始。

「環境税には3つの効果がある。燃料が割高になることで、省エネ機器への投資や買い替えを促す「価格インセンティブ効果」。温暖化対策を実行するための財源を確保する「財源効果」。そして、何よりも重要なのは、幅広く国民の意識に訴えることでライフスタイルやビジネススタイルの変革を促す「アナウンス効果」だ。すでに気候変動税を導入した英国のある有識者も、このアナウンス効果が大きかったと話していた。」終わり。

 すると、

A)国民の意識が変わり、それと同時に生活レベルで化石燃料の消費が少ない省エネ機器へ需要がシフトするので、化石燃料の消費が抑制されます。

B)国が炭素税という明確な政策シグナルを出し、省エネ技術に対する補助金を税収から出すことで企業の省エネが進み、経済の縮小無しに化石燃料の消費が抑制されます。

 20026月、地球環境戦略研究機関、天野より引用開始。

「実際、炭素税(投入要素課税)の重要な利点は、それがもたらす動学的効率性であり、企業が化石燃料に頼ることをやめる方向へ生産工程を変える誘因を生み出すことである。炭素税を払わなくてもよくなるような技術変化は、生産量の広い範囲にわたって税込みの生産費を引き下げ、課税が原因で生じる経済的損失を消滅させる傾向をもつだろう。」終わり。

 その結果炭素1トン3400円の課税で、現状から90年度比約10%CO2を削減することができます。

 2004102日、毎日新聞。なお「こうした状況」とは、温室効果ガス排出量が90年比7.6%増加している現状です。引用開始。

「こうした状況を踏まえ[中略]炭素1トン当たり3400円の税金を、石油や石炭などの輸入業者や石油精製会社に課す方式を提案した。税収を省エネ設備の導入など温暖化対策に充てた場合、約10%の排出削減につながると資産している。」終わり。

 プランの税率は2倍以上の9000円なので、10%を上回るCO2を削減できます。よって経済を縮小させることなくCO2を減らす21世紀型のモデルを示すことができます。

 

論点4:重要性

A)経済の衰退無しにCO2を削減することで他国の温暖化対策を促します。経験的に証明されています。

 2002年、電力中央研究所、杉山より引用開始。

「先進国でSOx対策が実施されるときには、政策当局も産業もどうしてよいかなかなかわからず、また、そのコストも莫大なものになり、誰がどうするかという調整もなかなかつかなかった。[中略]日本を始めとした先進国が大幅な排出削減に成功し、それでも順調な経済成長を遂げていることを目のあたりにしたことで、途上国は環境対策に踏み切ることができた。」終わり。

 日本がモデルを示すことで世界的な温暖化対策を進めることができます。

B)企業による技術革新は国際競争力を強め、雇用を拡大させます。

 2009年、千葉商科大、三橋より引用開始。

「産業界の試算には、環境税などの導入によって、企業が誘発するイノベーション(技術革新)効果や排出量取引効果などのプラス面が反映されていません。米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授は、「適正に設定された環境規制はイノベーションを誘発し、企業の国際競争力を強化させる」(ポーター仮説)と指摘し、その実例をいくつも挙げています。[中略]それによって雇用を拡大させ、経済成長率を高める政策の方が景気浮揚効果は大きいといえるでしょう。」終わり。

 

論点5:判断基準。

 環境問題は、一度発生するとその回復には多くの歳月とコストがかかるため、原因と思われるものに対しては疑わしかったとしても策を講じるべきです。

 99年、東京工業高専、世良非常勤講師より引用開始。

「地球環境問題はいったん発生すると、その改善、回復には数十年から百年の歳月と、莫大な出費を要し、またその間に多くの被害者を出す恐れがある。したがって、因果関係が判明してから対策を始める(最も経済的である)のでは間に合わないのである。[中略]地球環境問題に対しては疑わしいものは罰し、「後悔しない対策」をいち早く実施することが重要である。」終わり。

 


質疑応答

否定側質疑:玉置佐藤

 

玉置:はい、よろしくお願いします。

佐藤:お願いします。

玉置:じゃあまず、プランの2点目から確認していきましょう。2点目のところで、国際調整の払い戻し、っておっしゃっていたんですけど

佐藤:Bのところですか。

玉置:ええ。ここ、すいません、ちょっと良く分からないんですけど、具体的にどういうことですか。

佐藤:日本の国内で生産されたものを国外に輸出する場合には免税

玉置:免税ってどうやるんですか。もう、今いったん税収は徴収して、それにいくらかかったかって分からないですよね。どうやって返すんですか。

佐藤:え、何でいくらかかったか分からないんですか。

玉置:じゃ、企業じゃ、逆にどうやって分かるんですか。

佐藤:だからその、価格の影響を受けたものがありますよね

玉置:影響って、いくら受けたかって、どうやって分かるんですか。

佐藤:それは、まあ、炭素[1トン]あたりにかかるわけですから、それの炭素あたりを計算すればいいんじゃないですか。

玉置:まあ、もういいです。じゃあちょっと戻ります、次行きましょう。まあ、そういう風にできるだろう、と。で、それでですね、じゃあちょっと確認したいんですけど、まず、内因性に戻りましょう。B2点目のところで、「欧州に遅れをとる」、欧州っていうのは、対策を進めるわけですよね。

佐藤:はい。

玉置:ということは、別に日本がやらなくても、欧州がモデルケースになるわけですよね。

佐藤:ということではなくて、先進国として日本がやるべきことは何か、という

玉置:じゃ、何で欧州じゃダメで、日本だったらいいんですか。

佐藤:今、先進国として、日本がギリギリまで省エネに励んできていく中で、その、地球温暖化問題というものに対策していく中で、経済と環境というものが両立する

玉置:それ、欧州にやってもらうんじゃ、何でダメなんですか。そこを聞いているんですけど、さっきから。

佐藤:えーと、欧州でダメな理由、ですか。

玉置:じゃあ、ちょっと次行きましょう。B1点目に戻りまして、今、これ、2002年でしたっけ、年号を確認したいんですけど、まず。

佐藤:えっと、どれでしたっけ

玉置:えっと、B1点目

佐藤:BどこのBですか。

玉置:世界一で90年代の効率化より、今は悪化していたり何か、そのままだったりっていう

佐藤:ああ、ちょっと待ってください、すいません。

玉置:内因性

佐藤:あ、はいはい、えっと

玉置:何年でしたっけ。

佐藤:2009年ですね。

玉置:2009年。で、こういったところで、悪化していて、でも世界一なんですよね。

佐藤:まあ、世界一であると言われていて

玉置:それから、例えば、具体的に、どういったところで余地があるんですか。

佐藤:余地がある

玉置:余地があるって、この人が言っているだけで、具体的にどういうとことに余地があるのか知りたいんですけど。

佐藤:具体的な所は言っていないんですけれども

玉置:はい、わかりました。

佐藤:はい。

玉置:じゃあ、その上で、論点4、重要性。雇用拡大、という所なんですけど、すいません、これ、イノベーションを誘発すれば、ということですね。

佐藤:Bの所ですよね。

玉置:はい。で、イノベーション誘発の前提っていうのは、ここちょっと大事なんで確認したいんですけど、省エネ投資によって起こるものなんですよね。

佐藤:省エネ投資にというか、環境適切に設計された環境規制というのがイノベーションを誘発するんだ、ということを、ここでは言っています。

玉置:いや、規制して、それで省エネ投資が進むから、誘発されるんですよね。

佐藤:まあ、そうですね。それは解決性のBのところで言っています。

玉置:OK。投資ですよね。で、投資っていうことは、当たり前ですけど、投資にはお金が先に必要ですよね。

佐藤:お金が先に必要ま、お金は必要ですね。

玉置:当たり前ですよね。皆さん、確認お願いします。まずお金があって、始めて投資ができる、と。そこをお願いしますね。

佐藤:その後、その

玉置:で、その上で、ちょっと戻りまして、じゃ、論点3のところで、財源効果という小池の資料なんですけど財源って、これ、炭素税導入までがプランで論題であって、それをどう使うかっていうのは、プランではもちろん決められないですよね。

佐藤:いや、税っていうものは、課税ではなくて、どう[時間切れ]税の導入になる

玉置:はい、ありがとうございます。


否定側第一立論

否定側第一立論:竹久真也 ただしつけ麺に限る

 

 まずですね、誰より感謝したいのが、本当に、僕をここまで連れてきてくださった玉置さんです。あの、多くの方が本当に思っていることだと思いますけれども、ここまで来れたのは僕の力というよりは玉置さんがいろいろ議論を教えてくださったことが大きくて、それによって自分が成長できたことに本当に感謝しています。それから、この大会を開いてくださって、今まで練習試合に付き合ってくださった方々、今日ジャッジをしていただいた方々、本当にありがとうございました。今回の大会を通じて、自分が少し成長できたな、と思って、嬉しく思っております。そういう意味で、後悔の無い大会にしたいと思います。で、最後に一言。今そこにですね、僕が、中学校のときからディベートをやっているんですが、その時から一緒にディベートをやってくれていた友人がはるばる九州から見に来てくれていまして、その彼に恥じないような試合をしたいな、と思っております。ではよろしくお願いします。

 はい、始めます。

 

 まずデメリット。

 最初に我々は、租税とはどうあるべきかを提示します。租税とは、能力のある者が支払うべきという、応能負担の原則が憲法的にも求められます。

 税理士、高橋、2006年。

「「租税国家を前提とする日本国憲法は[中略]租税の使途については人権尊重、つまり福祉本意、徴収のあり方については応能負担原則を規定している[中略]累進税の原理の具体化が強く要請される」(北野弘久「税法学言論」)とあり、租税のあり方は形式的平等ではなく相対的平等、つまり所得再分配(富の再分配)機能が重要であり、応能負担(負担公平)原則に基づく累進税が憲法の趣旨に沿うものと考えています。」終わり。

 しかしながら、炭素税はこの原則に反します。デメリット2つでそれを示します。

 

デメリット1、産業衰退

A)発生過程。2つの視点で説明します。

1)鉄鋼業界。炭素税の導入は鉄鋼業に大きな負担を強います。

 国会画報、2003年。

「鉄鋼メーカー、商社で組織している日本鉄鋼連盟は「環境税」に対する見解をとりまとめた。[中略]仮に炭素トン当たり3000円の環境税が導入されるとすれば鋼材1トン当たり約2000円の追加負担となり、激しい国際競争の中での価格転嫁は到底困難である。その結果、これまで国際競争力を堅持してきた日本の鉄鋼業はここ3年間の年度経常利益(一千三百億円/年度、一九九九〜二〇〇一年度)を上回る税額を毎年支払うことになる。」終わり。

 このように、経常損益が毎年のように赤字になります。そうなると貸しはがしなどが起こり、資金繰りが大幅に悪化します。

 経営コンサルタント、田中、2008年。

「銀行が、取引先企業の決算書で一番注目するのは、経常利益が黒字なのか赤字なのか、はたまた金額はどれくらいか、ということです。[中略]格付けも2期連続赤字となると、破綻懸念先に降格となり、貸し剥がしがはじまります。当然、新規融資はストップで手貸しがあれば、折り返し融資には応じてくれません。」

2)中小企業。ひと・もの・かねの制約が強い中小企業にとって炭素税の負担は小さなものではありません。炭素1トン2400円の試算から引用します。

 中小企業総合研究機構、2007年。

1社あたりの平均生産額の減少分は31万円から2.7百万円の間にあると推測され、一般的に、ひと・もの・かねの制約が大企業より強いこと等から、決して小さい値ではない。」終わり。

B)深刻性。このように企業の資金繰りが悪化することは、倒産を招きます。

 公認会計士、高橋、2007年。

「会社の倒産は資金の調達ができなかったこと、つまり資金繰りの失敗に直接の原因があるのです。金融機関の貸し渋りが原因で、中小企業の倒産が急増しているというのも、うなずけることではあります。」終わり。

 

デメリット2、低所得者への負担。

A)炭素税。炭素税は、低所得の世帯に大きな経済的負担を強います。

 京都産業大学準教授、朴、2009年。

「環境税制改革においてはこの負担の逆進性が問題とされます。なぜなら、家庭で用いるエネルギーのエンゲル係数は、低所得者ほど高いとみられるからです(これに対し、自動車燃料については明らかな逆進性はみられません)。産業連関価格分析を応用した研究により、炭素1トンあたり3400円という安い税率でも、平均的な世帯について月額1600円という負担が見積もられています。」終わり。

B)深刻性。低所得者は生活がぎりぎりであり、これ以上負担を増やすと生活が崩壊します。また、寒冷地域では、暖房が使えないなど、命にかかわる危険もあります。

 北海道消費者協会会長、辻、2006年。

「医療保険や年金などの社会保障制度、税制度の改正などによる新たな負担増や収入減によって、逼迫する家計を一層圧迫し、生活の維持が困難な状況にあります。特に、低所得世帯や高齢者世帯ほど、生活費に占める燃料費の割合が大きく、生活崩壊につながりかねない深刻な事態となっております。本道では、本格的な灯油の需要期を迎え、より深刻な状況にあります。」終わり。

 以上がデメリットです。

 

 次、反駁に移ります。

 まずですね、内因性の論点2Bの企業の点を見てください。企業の所なんですけど、まずここに反駁します。

 そもそも、日本の企業は、確かにエネルギー効率を改善することができるかもしれません。しかしそれは非常にわずかな値です。

 地球環境産業技術研究機構副理事長、茅、2008年。

「日本のエネルギー効率が世界のトップであるからと言って、効率向上の余地が全くないというわけでは必ずしもない。地道な努力が必要である。しかし、トップであると言うことは、現状の技術で改善できる余地が小さいこともまた事実である。効率の悪い設備がたくさん存在している国とは、対応が異なるべきである。」終わり。

2、また、イノベーションによって、彼らはこの問題が解決すると言うかもしれませんけど、実は、新技術の開発は非常に難しいです。

 日本経団連環境安全委員会共同委員長、山本、2004年。

「税率を炭素トン当たり3400円にして、年間1兆円弱の税収を確保し、これを補助金として使えば、削減目標を達成できるという。試算では、実際の技術開発に要する時間の問題や、既存の様々な施策などが全て無視されている。産業界に携わっている人ならば、おかしいとすぐにわかります。環境分野に関する技術開発というのは非常に難しい。おそらく10のうちひとつ成功すれば良い方でしょう。」終わり。

3、事実ですね、日本でも年間1兆円ほどの環境対策の補助金を出していますけれども、その効果はまったく実証されておりません。

 日本経団連環境安全委員会共同委員長、山本、2004年。

「すでに毎年1兆円程度の税金が温暖化対策に使われていますが、毎年1兆円も使っていてCO2がいくら削減できたのか、検証が全くなされていない。それで今度は環境税を入れれば削減できるという。おかしな話です。」終わり。

 またですね、過去の技術革新の例から演繹して省エネルギー開発が進むのではないか、この仮説はまちがっています。

これはですね地球環境産業技術研究機構副理事長、茅、2008

「これはある程度理解できることで、経済成長が高ければ省エネルギー投資もそれに応じて可能となり、それに応じて省エネルギーが進む。しかし経済が停滞すれば投資が減退するのが普通で、そうなれば省エネルギー投資も減退せざるを得ない。投資無しに運用合理化などで省エネルギーが進むのは、省エネルギー努力があまり過去に行われなかった時代、例えば第1次オイルショック直後と言った時代の話で、現在では投資を伴わない省エネルギーは難しくなっている。」終わり。

以上です。

 

 次に、論点3に移ってください。ここでですね、消費者へのアナウンスメント効果について3点反駁します。

1点目。結局、確かに導入したときにはインパクトがあるかもしれませんけど、長期的に見れば、消費税とかと同じように、意識されなくなるんじゃないかな、と思います。

2点目。他のエネルギー価格って、いろんな要因で上昇したりしますよね。この前の石油価格高騰みたいに。こういうことがあるので、彼らじゃ、価格が炭素税で上がったか、どうやって[不明]したか、固有で見出して、その分だけどう消費を抑えるのか、そのプロセスが説明されていないので、このだからその、炭環境税があるから、値段上がり分を消費者が認識して、それによって行動が変わるんだ、ここまで肯定側がちゃんと立証しないかぎり、この部分は取れないと思います。

3点目。実際ですね、過去の原油とかの事例を見ても、CO2の大幅な削減など起こりませんでした。

 地球環境産業技術研究機構副理事長、茅、2008

「石油を始めとした化石燃料の高騰によって、実質的に炭素に価格がついたのと全く同じ、しかも、2005年基準では200ドル・トン/CO2を超えるような炭素価格がついているのと等しい状況に、すでになっている。それにもかかわらず、CO2排出が必ずしも大きく減らない中で、石油価格高騰は社会に様々な影響を引き起こしている。」終わり。

 よってですね、非常に値段が上がっても、CO2は減らなかった、つまり、消費者が大きくエネルギー消費量を落とすということも考えにくいんじゃないかと思います。

 以上です。で、次ですね、え〜と次、重要性の方に移っていきます。重要性の1点目、他国が追随してくれるんじゃないか、というところに反駁します。

 まず1点目。まず「大幅な削減ができなきゃダメ」っていう、この前提を確認してください。

2点目。で、先進国でもすでにやっているわけですね。他の先進国で炭素税を導入したりして、環境に熱心な政策を取っているわけですから、じゃあ、何で今、追随が起こっていなくて、日本がやったらどうして追随が起こるのか、ここまで証明しないと取れません。

3点目。プランによって、他の国がついてくるほど十分な削減量があるんだ、そこまで証明されないと、このメリットは取れないと思います。

 えー次にですね、投資の話をします。投資の話なんですけど、まずターンアラウンドします。むしろ企業では、炭素税を投入することは、かえって投資を減少させます。なぜなら投資にはお金が必要だからです。

 日本経団連、2001年。

CO2の排出抑制につながるような高い税率を設定した場合には、産業の国際競争力の低下を招くとともに、省エネのための技術開発や設備投資の資金原資を流出させるなど、成果をあげている産業界の自主的な取り組みを阻害することになる。エネルギー多消費産業においては、低税率であっても、巨額の税負担となり、省エネ投資も実行できなくなる。」終わり。

 で、最後に、メリット全体メリットの論点1なんですけど、これ、結局日本が頑張ったらすいません、以上です。[時間切れ]

 


質疑応答

肯定側質疑:佐藤竹久

 

佐藤:はい、では始めたいと思います。ではデメリットの方からお聞きしたいんですけど、まず最初に、税の応能負担ということをおっしゃられていましたよね。

竹久:はい。

佐藤:これっていうのは、まあ、つまり、えーとどういうことですか。再分配していくべきなんだ、っていう話ですか。

竹久:んーと、再分配していくべきではなくてですね、えーと、だから

佐藤:ここで言いたいのはどういうことですか。何をすべきなんだ

竹久:累進税、つまりですね、税金を払う力の強い人たちがたくさん税金を払って、逆に税金の払う力が弱い人たちは、そんなに税金を払わなくていい、そういうシステムをつくることが、まず大切だよ、そういうのが、租税の原理としてある

佐藤:ああ、まあ、税として、そういうことがあるということですか。はい、わかりました。じゃあ、デメリット1の方を見ていくんですけど、ここで、鉄鋼業が2000円の追加負担を受けるという風におっしゃってましたよね。これを企業が吸収してしまう理由って何ですか。

竹久:んーと、価格吸収してしまう理由ですか。

佐藤:はい、2000円の価格

竹久:国際競争の中での価格転嫁は到底困難である、としていますよね。

佐藤:なるほど、価格転嫁できた場合は、それは問題ない、ということですね。逆に言えば。

竹久:はい、でもそうですけど、あそうですね、一応そういうことにしておきます。

佐藤:はい、わかりました。次に、経常利益が赤字だと、貸し剥がしが起こるんだ、ということをおっしゃってましたよね。で、この貸し剥がしが起こったときに、何が深刻なんですか、これ。

竹久:これはですね、ちょっと離れているんで分かりにくかったかもしれないんですけれども、深刻性をご覧下さい。デメリット1の深刻性です。ここでですね、貸し剥がしがですね結局資金の調達ができないつまりとか、資金繰りの失敗、つまり、銀行から無理矢理お金を取られちゃう、みたいな、貸し剥がしが起きたりすると、結局資金繰りが悪化しちゃって潰れてしまうことがあるよ、っていうことですね。

佐藤:それが、そのプラン固有でどの程度起こるんですか。この2000円の追加負担、というもので。

竹久:まあそうですね。単純に計算すればですね、まあえーと経常利益年の経常利益が鉄鋼業全体で赤字になるわけですから、そのうちの企業のどの会社が潰れるとは言いませんけど、まあ、平均的に赤字になったときに、かなりの率の人が、やっぱり不況にあえぐことになるんじゃないですかね。

佐藤:なるほど、わかりました。次に中小企業の所を見ていきたいと思うんですけど、ここで中小企業は、どのくらいの中小企業が、ダメージを受けてしまうんですか。

竹久:はい、どのくらいか、っていうのはイメージできないんですけど少なくとも、業績負担分が大きいっていう

佐藤:なるほど、で、このプランで、じゃあ、具体的にいくらの負担を受けるんですか。それは規模によって違う、っていうことですか。

竹久:えっと、え規模によって違うと思います。でもまあ、基本的に、例えば2400円の課税であれば、31万円から270万円ぐらいの幅です

佐藤:これが、どの程度深刻性に結びつくようなところまで、負担を

竹久:ああ、それはじゃあ、2NCで説明します。

佐藤:はい、わかりました。次に低所得者のところなんですが、ここで言っているのは、えーと…1600円の負担、ということですよね。

竹久:はい。そうですね。それと

佐藤:1600円の負担が、低所得者にとって、どの程度、あなた達が深刻性の所で言っていたようなところにまで結びついてしまうんですか。

竹久:はい、ここ、注目して欲しい議論が二つあります。まず一つ目としては、その低所得者とかは、エネルギー燃料の消費のが占める価格が大きい、ということです。

佐藤:それは分かるんですけど、だから、プラン固有で、その…1600円というのがどういう意味を持っているのかって、質問しているんです。

竹久:まあ、平均で1600円なんで、高い世帯もあるだろう、ということは確認したいのと、それからその、例えば、寒冷地域なんかでは、すごく大変なことになる可能性がある。なぜなら暖房器具とか使えないことがある。それから

佐藤:すごく大変なことになるああ、それがどうなるんですか。わかんないんですけど。ああ、分かりました。じゃあ、次に肯定側の所を見てきたいと思うんですけど、えーと…3点目の反駁の所の、山本さんの、1兆円の対策してるんだけどCO2削減できてるか分からない、って話がありますよね、現状で。[時間切れ]あ、すいません、終わります。

 


肯定側第二立論

肯定側第二立論:田中時光 創価大学DebateNetworkE

 

 私のパートナーも言ってくれたんですけど、まずはこの大会を開いてくださいましたJDAの皆さん、特に安藤さん、本当にありがとうございました。で、また、今大会で対戦してくださった皆様、心配してくださった皆様、本当にありがとうございます。いつもこういう学びの場をいただいて、私も一つ一ついろんなことを学ばせていただいております。本当に感謝しております。で、今、僕の後輩の佐藤君がですね、炭素税にトラウマがある、と言っていたんですけど、僕も炭素税に実は思い出がありまして、今から約10年ぐらい前にですね、ディベートを始めたときの論題も炭素税だったんですね。で、高校三年生の時にやった論題も炭素税。もうこれで止めようと思っていたら、負けてしまいまして、全国大会の途中で。で、じゃあしょうがない、大学でも続けるか、っていって、こう、今まで四年間やってきまして、いよいよ僕もあと二週間で卒業なんですけども、そんな時に、この炭素税という論題、ということで、非常に思い出深く思います。この10年、本当に僕もいろんな創価中学・高校からずっとディベートをやってるんですけれども創価中学・高校雄弁会の先輩、後輩に鍛えていただきまして、ここまで成長することができました。非常に感慨深く思っております。で、特に今回、佐藤君も少し言いましたけども、ブリーフも今回のブリーフの大半はですね、後輩のみんなが集めてくれまして、本当に、ああもう、こんなにいい議論が作れるんだったらもう思い残すことはないな、と。もうこの試合とっとと勝って引退しよう、というですね、気持ちを少し強くしているんですけど、まあ、とはいえ、それは選手としての話であって、ディベート活動には、今後ももっともっと関わって行きたいと思うんですけども、まず選手として、一つ悔いのないように今日、良い議論ができれば、と思っております。

 では始めていきたいと思います。

 

 デメリット1の鉄鋼業の話を見てください。鉄鋼業は激しい国際競争から価格転嫁ができないんだ、っていう話をしていましたが、1点目、競争力は価格だけでなく質が大きな要素なので、そこが問題になります。

 環境省ホームページ、2005年。

「国際競争力は、価格だけでなく製品の質も大きな要素である。したがって、化石燃料価格の上昇による製品価格の上昇が輸出競争力に影響するかどうかは、当該産業の生産財の質にも大きく依存する。」終わり。

 2点目。実際には鉄鋼業は品質で優位性があるので、価格転嫁しても競争力は失わないので、経常利益が飛ぶことはありません。

 J-CASTニュース、2008年。

「日本の鉄鋼業は更なる生産効率化、設備集約、要員合理化などコスト競争力維持に努めている。また日本の鉄鋼業は新技術・新製品の開発においても、ますます高度化する顧客の要求に応じて、[中略]このように日本の鉄鋼業は依然として他の追随を許さない強力な国際競争力を保持している。」終わり。

というわけなので、価格転嫁は十分にできると思いますので、それによって具体的にじゃあどういう被害が出るか、っていうのは、彼らがやっぱり証明しなければいけないポイントだと思います。

 で、次。中小企業の話に行きましょう。1点目の反論として、固有性がありません。現状でも原油高により、中小企業は倒産しています。

 2009年、中小企業白書。

「昨年前半まで収益環境を大きく圧迫した原油・原材料価格の上昇は、価格転嫁が難しい下請け企業をはじめ中小企業にしわ寄せが及んだ。[中略]景気の急速な悪化に伴い、中小企業の資金繰りは一段と厳しさを増しており、中小企業の倒産件数の前年同月比も、2008年後半に入って増勢を強めている。」終わり。

 2点目。プラン後は税負担がむしろ消滅します。私たちの論点3の解決性のBを見てください。企業が省エネに取り組むことによって、負担を相殺できる、っていうふうに、解決性の証拠資料の中で述べていることを引っ張ってください。で、実際に企業には省エネの余地があります。

 経済産業省近畿経済産業局ホームページ、2005年。

「中小企業においては、省エネ法の規制対象となっていないものの、多くの省エネルギー余地があり、また地球温暖化防止に加え、コスト削減にも繋がることなどから、省エネルギーへの関心の高まりが期待される。」終わり。

 よって炭素税をかけることによって、中小企業に省エネのインセンティブを与えることができるので、デメリットは小さいです。

 3点目。その上で、何人失業者が出るか証明していないので、論題を否定するほどのデメリットではないと思います。

 

 で、次、デメリット2の話に行きましょう。デメリット2で、低所得者の話がありましたが、1点目。私たちのプランの2Cを伸ばしてください。こういう低所得者層に、お金を戻す形で負担を軽減すると言っているので、これでデメリットは発生しないと思います。で、2点目として、これは、プラン固有で、じゃあどのぐらい本当に負担が増えるのか、っていう証明もやはり無いと思いますね。で、3点目。暖房費が上がって困るとか、いろいろ言っていましたけど、1点目。彼らの資料が自ら証明しているように、現状でも、低所得者の生活は苦しいので固有性がありません。2点目。むしろ炭素税によるコストアップを避けるために、省エネ製品を購入するというのが、私たちのケースなわけです。省エネ製品の購入によって、税負担は減ります。3点目。彼らは確実にデメリットが発生すると逃げるかもしれませんが、それが論題を否定するほどのインパクトがあるのか、証明しないかぎり、デメリットは取れないと思います。であ、そうでした、忘れてました。鉄鋼業のところの、もう一つ反論を忘れていました。私たちのプランの2…Bを見て欲しいんですけど、国境税調整をすることで、海外製品との競争に関しては負けないように調整するので、まあ、これでいいんじゃないかなあ、という風に思います。

 では、肯定側のメリットの方に戻っていきましょう。肯定側の論点2の内因性に対して企業の所ですねま、えーと削減する余地がわずかなんだとか、イノベーションはできないとか、いろいろ言っていたんですが、ここにまとめて内因性のBに対する反論をまとめて返していきたいと思います。1点目。彼らの論点は全て現状の話なわけです。で、2点目として、現状どういう環境対策をして日本がしてるかっていったら、環境「規制」をしているわけです。私たちは、規制では減らなくて、税金にしなければいけない、税金を含めた政策シグナルを送らないと、企業の省エネっていうのは、あるいはイノベーションっていうのは進まないというのが、B2枚目の証拠資料ですから、彼らの反論は当たっていないと思います。で、3点目。私達の解決性をよく見て欲しいんですが、要するに、プランをとることによって、国民の意識も変わる、企業の意識も変わる、と。日本の社会全体の構造を変革していく中で、省エネの機運を高めていくっていう話をしていますからいう話を確認して下さい。で、4点目。彼らは、イノベーションには時間がかかるんだ、という話をしていました。10の内1つかもしれない、と言っていたんですが、1点目として、ここも、省エネが全然できない、ということは言っていないわけですよね。で、実際に省エネする可能性はあるわけです。これは経験的に証明されています。

 20017月エコノミスト。なお、これは炭素1トンあたり30ドルを日本に課税した場合です。引用開始。

「こうした制約がかかるほどそれをチャンスとして技術革新に励み、むしろ発展のテコにするのである。この場合を変革ありケースとした。[中略]変革ありケースでは、日本のGDP473億ドル増加[中略]日本の機械産業は、制約のあるほどそれを乗り越えるための技術革新の導入に成功してきており、変革ありケースのほうが現実に近そうだ。」終わり。

 で、彼らは次の話過去の例が当てはまらない、と言っていたんですが、彼らの証拠資料を良くチェックしてください。彼らの証拠資料で言っているのは、景気が悪化している中で、設備投資ができない、お金が無いから問題だ、って言っているんですよ。で、私たちはプランの2Aを見て欲しいんですね。1兆円の補助金を与える、という風に言っています。お金が問題なんだとしたら、このプランによって解消することができうると思います。ま、エクストラトピカルの話は、後で返したいと思います。そのうち出てくるでしょう。

 で、次えーと何でしたっけそうそう、原油高でも、何も変わっていないじゃないか、という反論がありましたね。解決性の所ですね。原油高でも同じなんじゃないか、というのがありましたけど、原油高と、炭素税は性質が違います。

 200411月中央環境審議会。

「最近ガソリンの価格が相当上がっているけれども、需要が減っていないのではないかとか、環境税の価格効果は期待できるんだろうか[中略]長期にわたり政策として取り入れる税と、政府が環境税という形で長期にわたり取り入れて行くんだという価格への影響というのは、市場や投資家、企業へ与えるメッセージということでは大きなものがあって、エネルギー価格の市場や投資家、企業へ与えるメッセージということでは大きなものがあって、エネルギー価格の市場価格が変動していく。その変動と同一の次元で比較するというのは適切ではないのではないか。」終わり。

 で、次、投資が失敗するんだ。なぜならばお金が足りない、というターンアラウンドがありました。これも結局お金が足りないんですよね。プランでプラン2でちゃんと補助金を与えるって言っていますから、このターンアラウンドも当たっていないと思います。

 で、次、論点4の話に関して、何で日本だけがやらなきゃいけないんだ、と。日本だけでついてくるのか、って言っていたんですが、ここ大事なんですよ。SOx対策二酸化硫黄の対策の時も、日本だけじゃなくて、先進国が取り組んでいる。なので、EUも取り組んでいるんだったら、日本もやった方がいいんですよ。それが、より、温暖化対策を強めることができる、しかも日本は、経済的にも環境的にもうまく行くというモデルを示す。で、実際に他の国も注目している、っていうのが論点1のカードが言っていますから、それを参照していただければいいんじゃないかと思います。以上です。[時間切れ]


質疑応答

否定側質疑:竹久田中

 

竹久:始めます。えーとですね、まず、じゃ、お伺いしていきますが、デメリットについてのアタックからお伺いしていきたいと思います。そうですね価格競争国際競争の方のここで、何か、質の方が大きいんだ、というようなことをおっしゃってました。ここなんですけど、質っていうのは、どれぐらい、じゃあ、価格に影響しているんですか。それはちょっとわからないですか。

田中:まあ一応また後で出してもいいんですが、大体価格っていうのが、競争力の6分の1程度という風に言われてるんですね。

竹久:はい、結構です。分かりました。はい、じゃあ次移ります。この二枚目の資料で二枚目の資料で鉄鋼業っていうのは、すでにかなりコスト競争力コスト削減に努力しているわけですね。

田中:ま、というか、競争力維持に努めていて、競争力を非常に強い競争力他国の追随を許さない競争力を維持している、っていう話ですね。

竹久:なるほどわかりました。次の資料に移ります。じゃあ次、中小企業の話でしたよね。ここでお伺いしたいのは、すごく大切なことだと思うんですけど、この中小企業がバタバタ倒産した理由っていうのは、石油が上がっちゃったからなんですね。

田中:まあそうですね、はい。

竹久:で、ということは、やっぱりエネルギー価格の上昇が、やっぱり中小企業に与える影響というのは大きいという風に考えてよろしいでしょうか。

田中:だとしたら、現状でも潰れているっていう話で、私たちはむしろ炭素税を導入することは違うんだ、っていう話をしています。

竹久:あ、はい、わかりました。結構です。次移ります。で、中小企業に大きな削減の余地がある、っていう資料を、次の資料で読まれていました。で、ここなんですけど、余地があることは分かったんですけれども、その削減ができるんだ、っていうことを、どこで証明されました。

田中:ま、コスト削減に繋がるし、省エネルギーへの高関心の高まりが期待されるっていることは確認して欲しいのと

竹久:あ、分かりました、ということは

田中:もう一つあるのは、で、さらに言えば、国が補助金も出すということも言っていますよね。

竹久:あ、結構です。分かりました。じゃあ、確認しますけど、消費者の行動とか、企業の行動が変化することと、補助金があること、っていう理由から、中小企業も対策ができるだろうと予測されているわけですね。

田中:まあというか炭素税を取ることによってそうですね、社会構造が炭素に対して低炭素に向かっていく、と

竹久:はい、分かりました。社会構造の変化が重要なんですね。

田中:まあ、ん〜、そうなんですけどね

竹久:はい、分かりました。で、次行きます。えーとですねじゃあ、論点3の議論についてお伺いしていくんですけれども、

田中:肯定側ですね。

竹久:はい、肯定側の論点3。原油闘争の何でしたっけ。ガソリン価格の価格効果とかも全然違うんだっておっしゃってたんですけど、この資料って、違うんだ、っていうことまでは分かったんですが、で、政策のイメージが違うんだ、っていうことは、何となく言いたいことは分かるんですけど、実際どう違うんですか。ちょっと、違いが分からなくて

田中:要するに、原油価格っていうのは、例えばこの月はいくら、この月はいくら、っていうふうに変動しやすいわけですよね。で、それを見ていると、じゃあ、ずっと上がるわけじゃないんだったら、例えば省エネとかやる必要も無いんじゃないかな、とか、いろいろ考えるわけです。ところが、炭素税っていうのは恒常的にかかるわけですね。で、そこですぐに

竹久:はい、そこでちょっとお伺いしたいんですけど

田中:はい、いいですよ。

竹久:エネルギー価格って、そういう風にポンポン変わるわけですよね。

田中:そうですね。

竹久:そこで、じゃあ、消費者っていうのは、そこに炭素税の意味っていうのをどうやって見出すんですか。例えば、僕だったら、だってその、値段が毎日例えばガソリンスタンドとかで毎日値段が変わっているのを見ますけど、それを見て、「あ、この部分が炭素税か」っていうのは難しいと思うんですよ。

田中:あはは、まあ確かにそういうのは難しいかもしれないんですけど、アナウンスメント効果の所も見て欲しいんですね。要するにしかも、イギリスで、このアナウンスメント効果が実際に大きかったんだっていう実例も、この解決性のエビデンスの中で言われていて、ここを勘案するとどういうことになるかというと、まあ、まず炭素税が導入されることによって、国民の意識が、「あ、本当に二酸化炭素の問題はまずいんだな」という風に考えて、行動を変えていく、で、さらにその過程で従来品省エネ商品と従来品の価格差というものがある程度縮まっていく、で、そういうものを買った方がいいんじゃないか、っていうふうに国民が行動する、さらに言えば、企業

竹久:あ、分かりました。大丈夫です。ありがとうございました。以上です。[時間切れ]



否定側第二立論

否定側第二立論:玉置繁之 ただしつけ麺に限る

 

 まずこの大会を開いてくださったJDAの皆様、本当にありがとうございました。特に、瀬能さんとかいつも言っていることなんですけど、安藤さんとか、大会にも出たかっただろうに、こういった大会を開いてくださって、本当にありがとうございます。僕も安藤さんがどれだけディベートをしたがっているかっていうのは、実験室とかに入っているんで良く分かるんで、これで、大会を開いてくださっている安藤さんの労力というのは、本当に感謝しております。そして、予選やあるいはこの準決勝でジャッジをしてくださった皆様、本当にありがとうございました。予選でちょっといろいろとジャッジの方にもらったアドバイスとかを中心にデメリットもメリットも、昨日の夜に僕と竹久君の二人で、すごい、一斉に改定作業を行いまして、その結果が、この、デメリットのちょっと変革もあったりしまして、まあ、それで準決勝も勝てたので、本当にジャッジの皆様のアドバイスのおかげだったと思います。ありがとうございました。最後になりますが、パートナーの竹久君、彼は何か僕の力で上がったかのように、さもそんな風な感じで言っていたんですけど、実はそんなこと無くって、今回僕ってほとんど資料集とかアップしてなくって、ちょっとだけ資料をたまにカタカタって調べて、それで彼が作った立論とか、「う〜ん、ここら辺こうしたらいいんじゃない」って言ったぐらいで、実は僕、そんなに今回役に立ってなくって、本当にここに上がれたのは彼の力だと思っていおります。ありがとうございました。というわけで、そろそろスピーチの方を始めたいと思います。

 

 肯定側の論点12枚目の、経済に悪影響だという話がありました。まず1点目、なぜ温暖化で経済に悪影響を及ぼすのか、その証明がありません。2点目。それがプランによってどれだけ解決するのか、そこの証明もありません。そこ確認してください。

 その次、プランに行ってください。プランに関して、1兆円を省エネとか、1兆円を払い戻すとか言っていました。しかしながら、これはあくまで炭素税を導入、という話ですから、どう使うか、ということは、そこから発生するメリットはエクストラです。そこを確認してください。

 その次、論点3の小池の資料に行ってください。ここに関して、イギリスでアナウンスメント効果が大きかったって言ってました。しかし、どのように大きかったのか、そこの具体的な話が全く分からないわけなんです。そこの具体的な話がない以上、ちょっとこれは取れないと思います。

 次、論点3B2枚目の資料に移ってください。ここで、何か、3400億円の試算で省エネ投資10%という話がありました。しかしながら、ここに関しても、どのような計算で省エネができるのか、そこが全く分かりません。それに対して私のパートナーが根拠をもって、それができないということを1NRで示します。

 論点5に行ってください。論点5に関して、これはあくまで、日本がうまくやる、という前提。そして2番目として、これは日本のおかげで温暖化がうまく行くということ、これが前提となっていますので、それが発生しない場合はこの価値基準は取れません。

 

デメリット1

 デメリット1点目。まず鉄鋼のところに関しては、価格より質なんだ、というとこで2枚の資料がありました。まず1点目、彼らが2つ読んだ資料、両方ともチェックしていただきたいんですけど、これは「コストだけではなく質も」という話でした。しかも彼らの2枚目の資料では「コスト削減に努めている」そういうことを言っているわけです。コストも重要だと言うことを、彼ら自身の資料でも認めています。そこを確認してください。

 2点目。そして、国際競争力を保っている、ということに関しては、ここは2005年、2008年、この年号をちょっとメモっておいてください。お願いします。3点目、現在においてはどうなのか。現在国際競争というのが非常に激しくなっておりますので、負担は非常に価格転嫁は困難です。

 2009127日、フジサンケイビジネスアイ。…127日ですね、2009年の。

「日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長(新日本製鐵社長)は「温暖化対策は世界中の問題だ。工場などが海外移転を余儀なくされ、国際競争力を大きく損なう」と、産業界がコストを無視して取り組んでも地球規模の解決にはならないと懸念を表明する。鉄鋼業界の危機感の表れは、中国やインドの鉄鋼産業が急ピッチで台頭し、ライバルになりつつあることが背景にある。とりわけ、08年の粗鋼生産では、業界地図が大きく変貌した。アルセロール・ミタルがトップ、新日本製鐵が2位につけたが、中国の宝鋼集団が前年の6位から3位に浮上し、中国の4社がトップ10にランクインするなど存在感を増している。」引用終了。

 というわけで、このように非常にギリギリの中で価格転嫁は困難である。そこに関してはA1点目の資料を伸ばしてください。ですから無理です。

 で、その次。国際調整をするんだ、という話がありました。まず1点目、これに関しては肯定側は具体的にどのような方法で還元するのか、これが全く証明がないわけなんですよ。これが証明がない以上、これで大丈夫ということは言えないと思います。2点目、そしてですね、私たちのA1点目でも言っているように、例えば3400円でもですね、経常利益を超えるわけなんです。8000円だったら約24倍です。それを取り戻せるだけの還元が果たして本当に可能なのか、そこを肯定側がちゃんと証明するべきだと思います。

 というわけで、こういう風に鉄鋼業っていうのは、赤字が出てしまいます。そうするとどうなるか。A12枚目、貸し剥がしが起こる、ということを伸ばしてください。ここは全く否定されていません。そこを確認してください。

 その次、中小企業の話に行ってください。

 中小企業、まず1点目として、原油高で潰れていると話あ、ちょっとすいません、鉄鋼業に関してもう一枚証明資料を追加したいと思います。

 鉄鋼業っていうのは、イノベーションはえーと二酸化炭素に対して、イノベーションは進みません。

 2008…2008年地球環境産業技術研究機構副理事長、茅。

「鉄鋼生産の省エネが進んだだろうか、もしくは電力需要が減っただろうか、粗鋼生産量が減っただろうか、答えは否である。発電、鉄鋼、セメントなどのCO2排出量の大きい主要設備は30-60年くらいの寿命があり、簡単に作り替えることができない。また、作り替えるとしても、劇的に効率が良い技術がそもそも存在しないか、もしくはほどほどの価格で利用できるような技術が現時点では利用できないのである。[中略]石油価格が炭素価格で200ドル/トンCO2を超えるような価格になっているにもかかわらず、全体としてみると、思ったほど排出削減は進んでいない。」引用終了。

 ということですね。

 で、その次、じゃあ中小企業に行ってください。すいません。

で、中小企業、原油高で今でも潰れているじゃないか、という話がありました。1点目、まさにおっしゃる通りです。だから、そんなギリギリのところに、これ以上負担をかけて潰してしまう。これが問題だというふうに、私たちは考えております。2点目、そしてこういう風にですね、経常利益が悪化して、ひと・もの・かねの制限が強い中小企業には大きな負担になるということを、A2点目の資料を伸ばしてください。ここは認められています。3点目、そしてこれによってですね、資金繰りに対して深刻な影響を与えやすいです。

 日本生活金融公庫総合研究所、2008年。

「今後の金融機関の貸出姿勢について詳細に眺めてみると、世界経済の停滞や内需の低迷等を受けた国内経済の不振等から企業業績は全般的に悪化し、倒産が引き続き増加していること等もあり、金融機関の貸出姿勢は慎重化の度合いを強めている。貸出先の信用リスク評価をみると、前回景気後退局面ほどはまだ低下していないが、大企業よりも中小企業に対してより厳格化する動きがみられる。[中略]金融機関の貸出態度以外にも、業績悪化に伴う売上や利益水準の低下等から中小企業の債務負担割合は一層高まると考えられ、そのことも資金繰りの窮屈化要因となろう。今後の中小企業の資金繰りについては、より一層注視していく必要がある。」引用終了。

 4点目として、中小企業というのは、経済の源であり、そういったところが、環境税でダメージを与えることは非常に問題です。

 原油高騰・下請中小企業に関する緊急対策関係閣僚会議、2007年。

「わが国中小企業は、企業数で99%を超える高いシェアをもち事業所で働く従業者数は全体の約70%を占めている。いわば経済の活力の源であり、地域経済を支えている。環境税が導入された場合、環境負荷に対する新たな費用負担が生まれ、地域経済の活力にも影響する可能性もある。」引用終了。

 その次、コスト削減すればいいんじゃないか、という話がありました。まず1点目、これはあくまでやればいいと言っているだけで、できるという証明がありません。そこを確認してください。2点目、そしてそれがやったところで、どれだけの効果をもつのか、こういった負担を減らせるほどなのか、そこを彼らが証明すべきです。3点目、それは無理です。なぜなら資金的に余裕がないからです。

 日経デジタルメディア、2008年。

「大企業に比べて残念ながら中堅・中小企業の取り組みは進んでいない。その最大の要因として考えられるのはコストだ。売上が伸び悩む中で原材料費は高騰を続け、削れるコストはすべて削ってもなお収益改善がおぼつかないという厳しい経営状況の中、環境保全・低炭素化の必要性は十分認めつつも、そのために新たな投資をする余裕がないというのが中小企業経営者の実情だ。」引用終了。

 というようにですね、私たちが総合的に言いたいのは、この産業というのは、鉄鋼業にしても中小企業にしてもですね、今非常にギリギリなところにいるような、弱者なんですよ。そういった人たちに負担をかけるような税、こういったものは許されないということ、これは私たちのスタンスでも述べていますよね。そこを確認していただきたいと思います。

 それでですね、こういったところに関して、ダメージを与えると、日本経済全体にも悪影響を及ぼします。

 資料、山本、2004年。

「戦後、日本の産業がなぜ強くなったのか、自動車や精密機器などの商品がなぜ世界を席捲したのか。それは裾野の広い、[時間切れ]足腰の強い素材産業や、技能を誇る中小企業が存在したからです。」引用終了。



質疑応答

肯定側質疑:田中玉置

 

田中:じゃあ、始めていきたいと思います。

玉置:はい、よろしくお願いします。

田中:まず、言われていた、デメリットのところを見ていきましょう。コストも大事である、そして競争力が落ちつつあるという話で、中国がライバルになってきている、と。

玉置:中国やインドが。

田中:何どういう面でライバルになっているんですか。

玉置:まあ、ここでは具体的なことは書いていない

田中:書いてないですよね。そうですよね。

玉置:はい、そうです。

田中:はい、分かりました。次に行きます。イノベーションが無理なんだ、っていう話がありましたっけ。

玉置:え、どこですか。

田中:えーと、鉄鋼業のイノベーションは無理だっていう話ですね。

玉置:ええ。

田中:これは何ででしたっけ。

玉置:えっとですね、こういったところで省エネ投資といってもですね、こういったところの設備というのは非常に寿命が長いため、買い替えというのがそう簡単にはできないっていうのが一つと、二番目として、さらにそういう風に買い替えようと思っても、そんな技術がそもそも存在していなかったり、すごい高かったりするから、だからできないんだ、っていうことです。

田中:ん〜、なるほど、分かりました。鉄鋼業鉄鋼業の話にフォーカスして言ってましたっけ、このカードって。

玉置:えーと、ここに関しては、発電、鉄鋼、セメントなど、ということですね。

田中:鉄鋼のどういう部分の省エネができないんですかね。

玉置:ま、どういう部分、ということは、具体的には

田中:そこが大事だと思うんですよね。

玉置:ええ。

田中:まあ、じゃあ、あとで議論しましょう。じゃあ次行きます。えーと、何だっけなああそうだ、え、デメリットはいいんだメリットの話に移りたいんですけれども、した反論としては、どのぐらいまあ温暖化が原因で、しかもGDPがどのぐらい下がるのか分からない、といった話でしたよね。

玉置:ええ。

田中:なるほど。それから、税金を税収を何かに使うっていうのは、論題の外なんじゃないか、っていう話ですか。

玉置:そういうことです。

田中:んー、例えばちょっと聞きたいんですけど、税金って何のためにとるんですかね。

玉置:それはものにもよると思いますが。

田中:例えば、そうですね何でもいいと思います。あなたは今、多分働いていらっしゃると思うんで、いろんな税金を取られていると思うんですけど。

玉置:まあ、はい(笑)。

田中:じゃあ、例えば、そうですね何がいいかな社会保険料とかどうですかね。

玉置:社会保険料とか、ですか。

田中:はい。あれは税金ですよね。あれは何のために取っているんですか。

玉置:税金とは違うと思いますが。租税法の中には入っていないので。

田中:まあでもまあ、似たような、まあ僕税金詳しくないんで分からないんですけど、ただ、税金って、多分何かをの目的があって、当然とるわけですよね。それは当たり前ですよね。

玉置:まあ、何かの目的はあると思いますが。

田中:そうですよね。目的に応じて税金の、当然使途っていうのも変わってきますよね、そりゃ。

玉置:使途ってものは変わってくるどういうことですか。

田中:例えば、まあ、私たち今回、環境対策っていうものを進めていきたいと。その税金を、活用するっていう話なんですけどね。

玉置:はい。

田中:えー、まあいいや。それは後でやります。

玉置:はい。

田中:あと何があるじゃ、以上で。ちょっと短いですけど、終わりましょう。

玉置:はい。



否定側第一反駁

否定側第一反駁:竹久真也 ただしつけ麺に限る

 

 否定側第一反駁を始めます。

 まずデメリットの議論から整理してデメリット2の議論から整理していきます。

 まずですね、補助金で大丈夫なんだ、っていう話が出てきました。まず1点目、実効性がないですね。十分かどうか証明が無い。これがもし十分だと証明するならば、これは、証明責任はAFFにあります。2点目、少なくともですね、プラン固有によって、その、低所得者の人たちに負担が行くんだ、ここの部分は取られています。3点目、現状で苦しい人たちをさらに苦しめるような制度であるんだ、ということ、ここは証明されています。次、4点目、勝手に対策すればいいじゃないか、って言われてました。でもですね、実は低所得者の人たちっていうのは、対策が困難なんですね。

 2004年、NGO環境持続社会研究センター事務局長、足立。

「図表4-5は、炭素税を課した場合の所得階層別の負担額を示しています。低所得者ほどエネルギー使用量は少なく、若干炭素税の負担額は小さくなります。しかし、低所得者と高額所得者の所得格差はそれよりも遥かに」すいません、もう一回引用し直します。

「炭素税は省エネ努力で支払を減らすことができる税ですが、低所得の世帯は富裕な世帯と比較して、エネルギー消費がより少なく省エネの余地が小さいことは統計上も明らかです。富裕な世帯と比較して、太陽光パネル・CO2排出の少ない自動車・低環境負荷型の住宅の購入といった手段をとることも経済的に困難です。」終わり。

 よって、こういう風に、低所得者の人たちは我々が問題にしている低所得の人々っていうのは、対策が困難なんですね。で、5点目…5点目、で、ここで逆進性の話が問題になるわけですね。で、何でかっていうとですね、だから、要は、この炭素税によって、非常に負担を受ける人が低所得者なんですけど、それが何で深刻かというと、その人達は自分の努力で例えばエコカーをいきなり買ったりですね、お金がないんですよ。高いエコカーなんか買えませんよ。そういうことをできない人たちに無理矢理「おまえら炭素税炭素を減らせよ」って命令して、それでその人の生活を苦しめる、こういうことが問題なんです。で、これが、何で大きく取るべきかっていうと、これが6点目。炭素税っていうのは税金ですよね。税金っていうのは、やはり租税の観念に基づくべきだと思うんです。だから、払えない人に負担を強いるようなのは、逆進性が高くて、これは日本の租税の方針として間違っているわけです。で、炭素税というのは、どうやら巨額な税を税らしいですから、そういう巨額な税をですね、租税の方針に、間違った形で導入するというのは良くないと思います。7点目、最後にですね、肯定側はですね、税でなければダメとか、いろいろ言っているんですけど、結局ほとんどの反駁っていうのは、補助金があるからキャプチャーできますって話なんですよ。っていうことは、なんだか結局何か、なんで税じゃないと駄目で、じゃあ補助金で全部解決できるんだったら、別に今の制度で補助金をやればいいわけで、税でなければならない点を証明していない、税でなければならない点を証明していない肯定側と、税であったら駄目だ、という主張をしている否定側、どちらが優れているかというと、否定側だと思います。

 次、メリットの議論をさらって行きます。まず、メリット1の方、メリットの議論をさらっていきます。まずですね、内因性の部分から見ていきましょう。内因性の部分あ、ちょっと待って内因性、いいんです。解決性論点2のところなんですけど、まずいろいろ反駁がありましたが、まず1点目、えっとですね、結局肯定側も、何か、政策インセンティブが大事なんだとか、企業も大事なんだとかおっしゃってました。でもですね、結局肯定側も結局コストの問題なんですよね。質疑でも何度も聞かれたように。やっぱり、企業といえばコストを重視すると考えられるんですね。で、2点目、じゃあ、そのコストというものが解決されない限り、企業が行動しないわけですから、肯定側っていうのも、コスト面で何らかの、企業に変化があって、それが環境対策に向かうようになるんだ、っていうことを証明しなければなりません。で、3点目、仮に彼らは、何か、企業にとってメッセージ、とか言うかもしれないんですけど、ま、国からメッセージを送られたからって、実際、今でも環境は大事ですよね、って国が主張しているのに、企業は従っていないわけですよ。そういう中で、やっぱり政策のメッセージが、どれくらい企業のインセンティブに与える効果が大きいのか、これを証明する責任は肯定側にあると思います。で4点目、結局あ、すいません、4点目でその、最後の反駁で、過去の事例でうまく行ったから行くんだよ、っていうようなことを言っていました。ここなんですけど、何度も確認したんですけど、これっていうのは要は、イノベーションの、その源は投資なんですね。だから投資が起こらなければ駄目だ、っていうこと、ここを確認してください。で、投資が起こらない、っていうことを後でちょっと説明します。

 で、次。えーと次は論点3に移ってください。論点3なんですけど、ま、原油高の話は関係ないと言っていたんですけど、でも、この資料でいろいろ言っているんですよ、原油高とエネルギー価格高騰の関係とかでも、やっぱり普通に考えて、値段が上がるという現象が同じなのに、それで、何でそんなに違うのか、良く分からないですね。この説明っていうのは、質疑でも確認したんですけど、やっぱりちょっと、消費者の行動がどう変わるか、っていうのが良く分からなかったです。で、次、1NCのエビ[デンス]で読んだんですけど、これ、要はですね、1トンCO22万円にあたるすごい高いお金ですよね。これをやったのにうまく行かなかったわけですよね。で、そんな高いのでも駄目なのに、何で、その、安い、ガソリン価格の上昇で、そんなに消費者の行動が変わるのか、良く分からないですね。で、3点目、で、ここ、我々が疑問を提示したんですけども、長期的にインセンティブが続くのか、っていう証明、ここが無いよね、って言いました。で、ここに関して反駁無かったので、長期的には少なくとも続かないんでしょう。よって、まあ、この社会の変化というのも、消費者の環境への意識があまり変わると考えられないんですから、少なくともものすごくは起こらないと思います。

 次、重要性。重要性の1点目の、他の重要性の1点目は、これは、大丈夫だという話は無かったですね。他の国がついてくるなんていう証明は無かったですね。

 で、最後、投資なんですけど、結局税金という制度は、最初にお金を取る制度ですから、[時間切れ]企業の投資のお金が無くなっちゃいます。


肯定側第一反駁

肯定側第一反駁:佐藤瞬 創価大学DebateNetworkE

 

 はい、始めます。では税収プランのところから見ていきたいと思います。プランのところに対して、エクストラなんじゃないか、というふうに言っていましたが、2点反駁します。1点目、税金である以上、その使途を決めることは論題内です。たとえば消費税の増税の是非をめぐって、税収を社会保障に充てるか否かなど、税収の使途を含めて国会で議論していることと同じです。2点目、実際に欧州の炭素税導入国では、税収を社会保障の減額や、省エネの補助金にあてるなどして、制度設計をしています。炭素税の導入の是非を巡って税収の使い道まで決めることは問題ありません。よってエクストラではありません。

 では次に、論点12枚目のカードを見てください。ここで私たちが言っていることは何かというと、このまま対策をしないで行ってしまうとどうなるか。地球温暖化を放っておくとどうなるかというと、GDP5%ぐらい低下してしまうんだ、ということを言っていました。ここに関して、何故か、ということを言っていましたけれども、浸水してきてしまったりとか、産業自体がこのままエネルギーを使っていってしまうと衰退していってしまう、と。それによって5%減ってしまうんだ、ということを言いました。で、プラス、論点の5点目を見てください。ここでデシジョンルールがそのまま残っていますよね。そこで伸ばしてください。なので、より早く環境問題に関しては対策していくことがいいんだ、ということが、私の残っているので、この段階で、より環境対策にいいことは早めにやりましょう、ということなんです。

 で、ここを合わせてデメリットを見ていくと、どういうことになるかっていうと、デメリットが言っているようなことっていうのは、早々起きてしまうことなんですね、このまま放っておけば。そういうような産業っていうものを、何故救わなければいけないのか、っていうことを、彼らは証明すべきなんです。

 では細かく見ていきたいと思います。デメリットの鉄鋼業のところに関してです。で、まず国境税国境税調整のところに、どのようにそれをやるんだ、ということを言っていましたけれども、まず、どのようにやるかは簡単ですよね。彼らの資料中で、1トン2000円あたりの追加負担だって言っているんですよね。じゃあ2000円あたりを還元してあげれば、それは国境税でできるわけですから、そこの問題はクリアになっていると思います。で、また、国境税ができるので、この段階で国際競争力は落ちません。また、彼らは、現在は、激しい国際競争に追われているんだ、というふうに言っていましたけれども、実際には中国の鉄鋼メーカーっていうのは、過当競争の中で、品質に力を入れられていません。

 日経新聞ホームページ、20053月掲載より、引用開始。

「量だけではなく、質が重要だ。[中略]中国の鉄鋼メーカー自体も過当競争の中で技術開発や品質向上に力を入れる余裕がない。」引用終了。

 よって、本質本腰を入れて質の向上ができていない、と。つまり、ここの競争は、コスえーと、コストだけではなくて、質の面では、日本が圧倒的な優位なわけなんですから、そういう質の面が、より競争の上で高いのであれば、価格転嫁ができる、と。だから問題ない。

 次に、中小企業のところに関して、彼らはいろいろ言っていましたけど、まず私たちが、ノットユニークなんだ、という議論に関してはドロップされていますよね。現状でも、原油高とかによって潰れてしまう企業がある、と。で、問題なのは、ギリギリ生き残れてしまうプラン後生き残れるところ、現状では生き残っているところが、プラン後どうなるかっていったら、そういう企業というのは、イノベーションができるんだっていうことを、私たちの解決性のところで言っていますから、プラン後っていうのは、むしろこの中小企業っていうのは、イノベーションが起こるんです。

 次、低所得者のところに関して、彼らは、結局私たちのプランで社会保障費を減額するんだということを言っていましたよね。これのこれを差し引いた上で、どの程度低所得者に負担が行くのか、いうところを証明していませんから、この段階で彼らのデメリットがどの程度かが分かりません。またさらに、補助金を、えーとプラス、彼らは税金を払えない人に負担を負わせるのは駄目なんだ、ということを言っていましたが、私たちのプランでちゃんと再分配しているわけなんですから、ここは問題ありません。

 で、すいません、さっき、えーとそうですねえーと、次に、メリットのところを見ていきたいと思います。メリットのところに関して、彼らはですね、えーとまあ、基本的に、私たちの証拠ほとんど返ってはいなかったと思うんですが、詳しく見ていきたいと思います。まずアナウンスメント効果のところに関して見ていきたいと思います。アナウンスメント効果のところに関して、なんで違うのか、というところが不明なんじゃないかという風に言っていました。で、ここで私たちが言いたいのは、どういうことかっていうと、えーと解決性の1枚目の資料を伸ばして欲しいんですけど、ここで私たちが言っているのは、財源効果、っていうものがあるんだ、と。で、価格インセンティブ効果、アナウンスメント効果があるんだ、と。まあ、エクストラのところに財源効果をあてて欲しいんですけど、それもある、と。ていうふうに、国民の行動が意識、アナウンスメント効果によって、環境に優しいことをしなくちゃいけないんだ、という風に変わる、と。それで、彼らが証明すべきなのは、短期的たとえそれが短期的であったとしても、それがマイナスの行動に出ること、つまり、エコ商品を一回買ったのに、二度目はすごいエネルギーコストのかかるような製品を買うのかっていったら、そうじゃないですよね。より安いものを買う方が価格的にお得になるわけなのですから、そういった効果によって、より省エネ製品が選ばれる、ということ自体は発生していくと思います。よって、これによって、国民の意識っていうのは変わっていくわけなんですが、その段階でメリットっていうのは発生していくんではないかなっていうふうに思います。

 で、それはそうするとどうなるかっていうと、重要性で[時間切れ]言っているように、経済的な成長が起こります。


否定側第二反駁

否定側第二反駁:玉置繁之 ただしつけ麺に限る

 

[準備時間中]

 ロードマップさせていただきますと、まず、私たちのスタンスを伸ばした後に、じゃあ、それでデメリット2をして、それで肯定側が勝つにはどうすればいいか、という話をした後に、メリットをマクロに見ていって、それでデメリット1に行きます。で、メリットに関しては、ちょっとマクロな話をしたいと思うので、ちょっと新しいフローを用意していただければうれしいです。

[準備時間終了]

 

 はい、よろしいでしょうか。

 始めます。まず私たちが言っているように、我々は租税とはどうあるべきか、そこを考えなければなりません。そして、租税というのは、憲法的にも応能負担、つまり払える人が払わなければいけない、そういうことなんですね。私たちがデメリットで言っているように、弱者から無理矢理搾り取る、できないひとから無理矢理奪い取る、こんなことは租税として許されない。そこを確認してください。

 で、デメリット2。デメリット2に関しまして、少なくとも、低所得者の負担になる、という話が残っています。そして、再分配すればいい、という話がありましたが、しかしながら1点目、これはレイト[遅すぎる反論]です。2点目、さらに、どうやってするのか、という具体的な方法も不明です。3点目、さらに3兆円のうちいくらか返ってくるだけであって、全額が返ってくるわけではありません。ですから、負担は確実に増えます。というわけで、デメリット2は発生します。

 そうである以上どうなのか。メリットというのは、こういった弱者を虐げてまでやらなければならない、それほど非常に重要なことなんだ、ここまで言えなければ、論題は否定されるべきです。

 それでは、肯定側、マクロな話をしたいので、新しいフローを用意してください。

 肯定側は、まず2つの話があって、1つがCO2削減、もう一つが雇用の話でした。まずCO2に関して、ここは3つの効果があって、まず価格効果、アナウンスメント、補助金による投資、この3つですね。で、まず価格とアナウンスメントに行きたいと思うんですが、まず1点目としてですね、これはどれだけなのか、という話なんです。私のパートナーが再三言っているように、こんなものは日々の石油の動きの中ですごく小さい、それぐらいの部分しかもっていない。それなのに果たしてどれほどの効果があるのか、そこを確認していただきたいと思います。2点目、そして、石油ショックの時でも効果がなかった、そして彼らはですね、まあ何か、石油ショックとは違うんだっていう話を延ばしてくると思うんですけど、じゃあそれが具体的にどれくらいの違いになって、それがCO2削減ということでどれくらいの差になるのか、そこを証明するべきです。で、3つ目、補助金による投資ということ。まず1点目、補助金による投資は失敗しています。私のパートナーが1NCで読んだ山本のカードを伸ばしてください。1兆円近く投資しているのに失敗しています。ですから、これは効果がないと思います。2点目。さらにですね、ここちょっと、補助金で投資が減るっていう私のパートナーが出したターンを伸ばしていただきたいんですけど、ここに関して彼らは「補助金で大丈夫」という話でした。で、ここで考えていただきたいのが、まず1点目、補助金でですね、仮に返ってくるとしても、まず出るのは税として先にでる。ここ、当たり前ですよね。税として出て、それが後で戻ってくる、つまり、先にお金がなくなる、これはなるわけですね。ということは、その分当然投資は減るわけです。いくら補助金で返ってきたとしても、そうですね。ということなんですね。で、2点目、さらにですね、補助金で戻すって言ってるんですけど、これをどうやるのか、そこの証明が無い。3番目、さらにですね、まあ、補助金で戻ってくるのは3兆円のうち1兆円、つまり3分の1しか戻ってこないわけなんです。ということはですね、やはりこの効果っていうのは限定的であり、かえって投資はなくなると思います。ということで、ここは完全に返っていると思います。

 その次、雇用の話、で、4番目として、ここでCO2削減したとしてですね、日本一国がやることがどう違うのか、世界というのは、他の国もいっぱいやっているわけなんです。その中で日本一国がやるかやらないか、それが温暖化についてどういう効果をもたらすのか、そこが全く証明されていない以上、これは取れません。

 次、雇用の話。雇用の話は、結局投資によってイノベーションが起こる、という話でした。ですから先ほどの投資の話を伸ばしてください。このように投資というのはかえってなくなってしまい、雇用は減少してしまいます。というわけで、この時点で否定側にボートできると思います。

 ではデメリット1。デメリット1、まず、国税調整、1トン2000円戻すよっていう話がありました。まず1点目、これはプランと矛盾します。何でかっていったら、3兆円のうち1兆円ぐらいしか戻す資金がないわけなんですよ。他のことに使っているわけです。全額戻すなんていうのは絶対不可能です。2点目、さらにこういったことっていうのはですね、プランの具体性なわけですから、2ACとか1AC、もっと早い段階で明確にするべきです。ですからこれはニューであると考えて、考えております。

 その次、質が重要なんだ、という話。ここに関しては、ま、確かに質も大事なことは認めます。しかしコストも質も大事、これは肯定、否定両方とも認めていることですね。で、今ギリギリのところですから、当然コストというのも十分重要になってくると考えます。ということはどうなのか。価格転嫁ができる、しかも24倍ですから、多少価格転嫁ができたとしても、これは非常に重い負担になる。ということは、鉄鋼業は潰れてしまう。ここを確認してください。

 次、中小企業。中小企業に関して、ま、イノベーションが起こる、という話がありました。まず1点目として、先ほども言ったように、投資がかえって進まなくなります。2点目、さらに中小企業は投資している余裕がないという、2NCのカードを伸ばしてください。以上のように、鉄鋼業や中小企業、こうした余裕の無い人たちから税金をとって潰してしまう、[時間切れ]こういったプランというのは取られるべきではありません。ありがとうございました。


肯定側第二反駁

肯定側第二反駁:田中時光 創価大学DebateNetworkE

 

 今回の論題は何を基準に考えるべきか。論点5のデシジョンルールのところを伸ばして欲しいんですね。つまり、環境問題を考えるときに何が重要かっていったら、疑わしく原因が疑わしかったとしても、後悔しない対策をやるべきなんだいち早くやるべきなんだ。それは何故か。後から対策をすると、どんどんどんどん時間もかかるし、取り返しがつかないし、ここ大事なんですけど、コストがものすごい、めちゃめちゃかかっちゃうわけなんですね。ここが重要なんですよ。これ、私の1ARの、パートナーの伸ばしてましたけれども、結局、炭素に依存した社会っていうのをこのままずっと続けていけば、いつか経済的には限界が来るわけですね。これ、実際にGDP5%減っているっていうカードを引っ張ってもらっても分かると思うんですね。つまり、デメリット彼らの問題にしている、産業の問題にしても、国民の負担にしても、遅かれ早かれやってくる問題なんですよ。この問題をどうするべきか。なるべく早く、最小限に、今の最小限のコストで済ませて、早く対策をした方が、国内産業にとっても、地球全体にとっても、そして日本国の国益にもなる、ということを、これから証明していきたいと思います。

 では、否定側のデメリットを見てください。デメリットの鉄鋼の話に関しては、少なくとも、国境税調整によって、ある程度負担が減らせるということは認めてくれたと思います。ま、3分の1でもある程度は減らせるでしょう。で、2番目の話、価格転嫁ができるかどうか、国境税で調整した上で、さらに質も高いので、ある程度転嫁することができるだろう、というのは、まあ残っていると思うんですね。彼らは何かえーと他の国が伸びているとか言ってましたけど、彼らの証拠資料っていうのは、何故他の国が伸びているのか、っていう証明を全然していないわけなんですよ。私たちは少なくとも、中国に関して品質という面に関しては、あまりこれから伸びていかないだろう、というのが、1ARのカードで言われているわけなんですね。ここを考えていくと、少なくとも競争力というのはある程度維持することができて、転嫁もできる。そうなった時に、残る負担が果たしてどのぐらいの失業や、経済的な問題を引き起こすのか、っていうのはやはり彼らの証明責任なんですけれども、そこは証明されていない。しかもそれは、遅かれ早かれやってくる、という議論がありますから、この時点で、あまり大きく評価できないと思います。

 で、中小企業の話に関しても、現状で原油高で潰れているっていう話はこれでほとんどいいと思います。で、イノベーションの話は、解決性の話と関係してきますので、これはちょっと取っておきましょう。で、低所得者の話があったんですけれども、確かに、プランの2で全てを解決することはできないかもしれません。少なくともでも、お金をある程度逆進的なものを緩和することはできる、ということは認めてくれたと思います。で、大事なのは、その緩和された状態で、果たして低所得者の生活が、どのぐらい低下していくのか、プラン固有でどのぐらい低下するのかが分からない。そして、この人達が、じゃあプランを取らなければ助かるのか、っていう証明も、実は彼らはしていないわけなんですよ。原油で、本当に生活が苦しくなるんだとしたら、低炭素社会に向かっていった方が、長期的には、この人達にもメリットだということが言えると思います。

 では、肯定側のメリットを見ていきましょう。少なくとも肯定側の論点1の話がそのまま残っていると思うんですね。地球温暖化が進んでいって、CO2が原因であろう、と。それによって経済的な被害が起こっている。そして大事なのが、この被害を何とかするために、日本が野心的な目標を掲げて、途上国がそれができるかどうか注視しているっていう議論がありますよね。これがうまく行ったらどうなるかっていうと、論点4Aのエビデンスを伸ばして欲しいんですね。実際に、経済的にも環境的にもうまく行けば、途上国も、他の国も、ついてくるんだ、というカードが残っていると思うんですね。それが経験的に証明されている、と。確かに二酸化炭素の話じゃないかもしれませんけれども、少なくとも、経済的、環境的にうまく行けばついてくる、という可能性は残っているので、ここを伸ばしておいて欲しいと思います。で、じゃあ、日本がこの、環境と経済をうまくやるにはどうしたらいいのかっていうのが、論点2の内因性の話なんですけれども、少なくとも大事なのは、彼らが問題にしているのはあくまで現状の規制の枠組みでの話なんですね。規制の枠組みでは駄目だ、と。私たちは、税金という政策が無いとこれがないと変わらないんだ、という決定的な違いを出しているわけですね。で、さらに、イノベーションができるかどうかに関しても、これも現状の話で、論点3の解決性のBの資料を引っ張って欲しいんですけれども、ここで、イノベーションに対するモチベーションが出て、それによって負担が相殺される、っていう議論が最後に残っていると思うんですね。これによって問題ないだろう。それが現実的なんだ、というカードは私が2ACで読んだ、室田のカード…GDP473億ドル増加する、これが現実に近そうだ、ってカードが残ってますから、これを引っ張ってもらいたいと思います。で、えーとさらに論点3…CO2の効果に関しても、まあ疑わし部分があるにしても、少なくとも変わる部分がある。英国でもそれは実証されている。それによって、ある程度のCO2が削減されていくだろう、というのは認められていると思います。

 ま、これらをまとめていくと、少なくとも日本が経済的にも、環境的にも、うまく行く部分はあると思うし、長期的に[時間切れ]このプランは取った方が有効だと思います。以上です。

 

 

 




Go to Top Page

(注)このページに掲載されている情報の著作権はJDAにあります。無断での複製、転載を禁じます。