Japan Debate Association

第18回JDA春季ディ ベー ト大会決勝戦

2012年3月4日

論題:日本国政府は原則全ての物品及びサービスに対する消費税の税率を上げるべきである。

肯定側:よろしいならば論争だ(玉置繁之・松田拓)
否定側:Utsuyo!!MIRAIGA(榊原陽介・小林茜)

編集:安藤温敏

はじめに

2012年3月4日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて、第18回JDA春季ディベート大会が開催された。三試合の予選の結果、決勝戦に進出したのは「よろしいならば論争だ(玉置繁之・松田拓)」と、「Utsuyo!!MIRAIGA(榊原陽介・小林茜)」のニチームであった。

決勝戦のジャッジは、筧一彦氏、田村洋一氏、長尾健児氏、廣江厚夫氏、師岡淳也氏の五名。このうち筧、長尾、師岡の三氏が肯定側に投票し、「よろしいならば論争だ」チームが優勝した。本大会のベストディベーター賞は、玉置繁之氏が獲得した。

本トランスクリプトは、決勝戦の模様を収録したものである。

本トランスクリプトに掲載されている証拠資料の出典情報は、不十分であり、原典の確認は行っていないので、使用を検討する際は、必ず原典にあたってから利用していただきた。

肯定側第一立論

肯定側第一立論:松田拓 よろしいならば論争だ

はい、始めます。

はじめに観察として、税制度とはどういうものなのかを考察します。

1 税というと、「一方的に取られるもの」というイメージがあるかも知れません。しかし、実際は、国民全員が安心して暮らしていけるように支え合う、お金を移転させる所得再分配の手段なのです。

内閣府税制調査会、2007。
「この社会で安心して暮らしていけるように、国民は租税を共に負担し合っている。少子高齢化が進み、疾病への備えや、老後の生活が国民の一層大きな関心事となっている中、国民がお互いに支え合う要請はこれまで以上に高まっている。こうした、国民が暮らしを支え合う制度の基礎は、医療、年金、介護などの社会保障制度にあると広く認識されている。[中略]現在の我が国では、個人間の再分配機能において社会保障が主要な役割を果たしている。」おわり。

そして、このような社会保障を担保するために税金は不可欠です。

同資料より。
「社会保障制度は、社会保険料のほか税を原資とする公費によっても支えられており、その額は大きく、予算に占める比重も高いうえに、今後も大幅に増加することが見込まれる。社会保険料と税のバランスについては、基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることが法律で定められている。」終わり。

このように、社会保障のために税は不可欠です。

2 そして、その社会保障にあてる税として、消費税が最適です。

経済学者、石、2009。
「社会保障給付費は経済の好況、不況に関係なく、高齢化に対応して年々かなりの規模で着実に増加する性格のものである。したがってその財源は、毎年安定的に、しかも多額に調達できるものでなくてはならない。経済成長による税収の自然増、不安定で景気の波に左右されやすい法人税や、累進税率を強化して高所得者層に重課する所得税、あるいは税収が限られる資産課税などは、安定財源足り得ないであろう。将来、すべての国民が等しく負担を「広く」「公平」に分かち合うしかほかに選択はない。かかる視点からいえば、オールジャパンで費用を負担し合える消費税以外に安定財源の候補は見当たらない。」おわり。

実際に消費税は他の税と違い、景気に影響されにくい税です。

財務省、2010。
「税収は、景気の動向や税制改正といった影響により変動しています。所得税、法人税の税収は景気動向に左右されやすい一方、消費税の税収は10兆円前後で推移しており、比較的安定しています。」おわり。

3 判断基準です。

いずれ増税が必要になる今、早い段階でやるべきです。

慶応大学、土居、2007。
「高齢化に伴う社会保障給付の増大に伴い、いずれ増税が必要な状況にある中で、我々に残された選択肢は、明日に増税するか、明後日に増税するか、の二者択一しかありません。それでいて、増税額は、増税を先送りするほど多くなり、増税額が多くなるほど景況悪化の度合いは大きくなります。そう考えれば、目先の景況悪化を恐れて増税を避ければ、将来に多く増税しなければならず、その際には大きく景況を悪化させることになりかねません。」おわり。

ここでプランです。

1 消費税を2018年までに10%とします。
2 増税による収入を年金、医療、介護、少子高齢化対策等の社会保障費にあてます。
3 その他必要な措置を取ります。

なお、プランの2点目の税の使途については、2012年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱について」と同じなので、論題を採択した場合同時に採られるアクションと考えます。

メリット:社会保障の安定。

内因性。

1 現在、社会保障費は毎年10兆円足りない計算になります。

みずほ総合研究所、鈴木、2011。
「1999年以降、消費税収の国分はその使途が高齢者3経費に限定されてきた。2011年度の消費税収12.8兆円のうち、国分は7.2兆円となっており、この全額が高齢者3経費に充てられている。しかし、高齢者3経費は17.2兆円あるため、消費税収との差(いわゆる「スキマ」)が10.0兆円存在する。これは、高齢者3経費を消費税収で賄うことを前提とすれば、毎年10兆だけ国の社会保障源が不足していることを示している。」おわり。

2 今まではそれを国債で補っていました。ですが、それは既に限界に来ています。

財務省、2012。
「社会保障を支える財政に目を転ずれば、我が国財政は、税収が歳出の半分すら賄えず、国及び地方の長期債務残高は平成24年度末には対GDP比196%に達すると見込まれる極めて厳しい状況にある。こうした状況を放置すれば、国債市場における我が国の信認が失われ、その結果、金利が大きく上昇し、財政危機に陥る事態にもなりかねない。現に、こうした財政危機が生じた欧州諸国においては、国内外に保有される国債が信用を失った結果、政府が借入れを継続できなくなり、年金・医療など社会保障分野の給付削減措置が講じられる事態にもなっている。」終わり。

重要性

1 このままでは社会保障費が削られることになります。実際に社会保障費が削減方針にあり、貧しい人が苦しんでいます。

しんぶん赤旗、2009。
「小泉内閣が決めた社会保障費の抑制方針です。二〇〇二年度から毎年、社会保障費の自然増分から二千二百億円削減されてきました。抑制の対象は医療、介護、年金、生活保護と社会保障のあらゆる分野に及び、庶民への痛みの押し付けの結果、「生きること」自体が脅かされる実態が広がっています。[中略]高すぎる国民健康保険料が払えずに正規の国保証を取り上げられた世帯は約百五十八万世帯にまで広がっています。受診を控え、手遅れで死亡する例は後を絶ちません。」おわり。

内因性でも示したように今後は更にお金が不足し、国債の発行も困難であることから、現状を放置すれば、こうした問題はどんどん広がっていくと考えられます。

2 社会保障を充実させ、国民の最低限度の生活を守るためにあらゆる手段を尽くすことは、国家の義務です。

日弁連、2006。
「健康で文化的な生活を営む生存権を保証する憲法25条、個人の尊厳原理に立脚し、幸福追求権について最大の尊重を求めている憲法13条、そして、すべての人の「適切な生活水準の権利」の実現を求める経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約11条に照らせば、本来、国及び地方自治体には、貧困の連鎖を断ち切り、すべての人の尊厳に値する生存を実現する責務がある。」終わり。

解決性

1 プランを導入し、消費税を引き上げれば、内因性の1点目で述べたような収入と支出の合間を埋めることができます。

内因性1点目の鈴木さんの資料より。
「「一体改革」成案では、5%の消費税率引き上げによって「スキマ」の解消が図れることとされた。但し、この「スキマ」は国分だけではなく、地方分についても同様に扱われる。[中略]この「スキマ」は2015年度には12.8兆円に拡大するが、消費税率を今から5%引き上げればその「スキマ」が埋められる。」おわり。

実際に、例えば観察の2でも示したように、現在5%の消費税で10兆円の収入を安定的に得ているように、5%の増税効果は10兆円規模の安定財源となります。

2 そして、社会保障が安定することで、将来不安の払拭、潜在需要の顕在化という2つの点で、雇用が拡大します。

日本経団連、2010。
「消費税率の引き上げによる歳入増を、少子化対策を含む社会保障制度の再構築に充てることにより、国民の将来不安を払拭する。また、こうした取り組みにより、医療・介護・保育分野における需要が顕在化し、雇用も増加すう。」おわり。

メリットは以上です。ありがとうございました。

否定側質疑

否定側質疑:小林→松田

Q:はい、よろしくおねがいします。
A:よろしくおねがいします。
Q:では、プラン後のところから聞いていきたいんですが、一番最後の資料のところで、消費税の収入が上がって、社会保障の不安が解消する、っていうところまでは分かったんですけど、その後、需要が拡大するから雇用が上がる、っていうストーリーでしたっけ。
A:そうですね、解決性2点目の話ですね。
Q:そういうことなんですね。
A:要するに、社会保障対策っていうものに、お金を充てることによって、不安が払拭してきて…
Q:そこについてちょっと伺いたいんですけれども、社会保障対策をする、っていう姿勢を見せることで不安が解消するのか、あるいは、なんらかの制度の変更が加えられることで不安が解消するのか、どの段階で不安が解消していきますか。
A:将来不安の払拭に関してですか。
Q:はい。
A:それは多分いろいろ考えられると思うんですけど、1つとしては、やっぱりその…国がこういうふうに動くことによって、今後は、社会保障とかが安心だから、今まで貯蓄に回していた分を消費に使おうかな、とか、そういうことが考えられると思います。
Q:はい、分かりました。では次に、プランのところで、今の民主党の改革に則るんだ、っていうようなことをおっしゃっていたんですけども、その内容というのは、具体的には、社会保障はどういうふうになっていくんですかね。
A:社会保障の制度ですか。
Q:はい。あの…じゃ、もう一度そこを説明していただけますか。
A:んっと、とりあえずここで言っているのは、プランの2点目の話だと思うんですけれども、税の収入源はどうするか…使い方をどうするか、っていうと、年金とか医療とか介護とか少子化対策等に、我々のプランでは使うんですね。で、それっていうのは、今の、閣議決定されたアクションと同じだよ、っていう話をしているんですけどね。
Q:つまり、幅広く、年金とか、少子化対策とか、いろいろなところに使う、っていうようなことになっているっていうことなんですよね。
A:まあ、そんな感じですね。はい。
Q:なるほど、分かりました。では次に、現状の問題のところで、今、崩壊してきている制度っていうのは、ここで述べられているのは、年金の話だけでしたね。
A:ん、年金…
Q:何が今ダメになってきているのか、もう一度説明してもらえますか。
A:いわゆる高齢者3経費って言われるもので、基礎年金と高齢者医療と、あと介護とか、そういうものですね。
Q:年金、医療、介護の費用が問題だ、っていうお話だったんですね。はい。では次に…、これはちょっと、メリットの直後のところで示されていた資料だと思うんですが、消費税の税収の話なんですけれども…すいません、発生過程の方に伺わせていただきますね。そちらで、5%で、今後スキマが埋まるっていう話があったんですが…
A:はい、1点目の話ですね。
Q:この、税収の算出根拠っていうのは、現状の消費水準のままで計算すると、税収がまかなえるっていうような計算でよろしいですかね。
A:んー…ちょっと待ってください。えっと、それは、今の…今足りない分を、拡大しているのも含めて、っていうところだと思います。内因性の1点目の資料とも連結していると思うんですけど、そこを見ると、多分そういうことを言っていますね。
Q:じゃあ、その5%のときに入ってくる収入の算出の方法をもう一度教えてもらえますか。
A:えっと、算出の方法…[時間切れ]
Q:ありがとうございました。
A:ありがとうございました。

否定側第一立論

否定側第一立論:榊原陽介 Utsuyo!!MIRAIGA

はい、ではまず簡単にスタンスを言います。

消費税は、貧困者も必ず払わなければならない税です。一方で国が集めた税収を後から貧困者に配るなど…そういう税です。つまり、担税力のない者に税を課すと、必ず悪影響を受ける人が出るため、そのような税制をとるべきではありません。

では、デメリット。

デメリット「貧困の拡大」。

発生過程「景気の悪化」

1 プランによって消費税率が上がります。
2 増税によって景気が悪化します。以下説明していきます。

まず、現在貯蓄のない世帯や貧困世帯が多くあります。

資料、2008年、税経新人会全国協議会、久保田。
「金融広報委員会というところの「家計の金融行動に関する世論調査」によると平成19年の無貯蓄世帯比率は20.6%にも達している。前述の著作「格差社会」では2005年の貯蓄ゼロ世帯は22.8%になると書かれている。「日本の統計」によると推計世帯数は5,000万弱だから1,000万世帯、2,500万人が貯蓄ゼロで生活していることになる。[中略]年収100万円以下が男女あわせて366万人、100万円超200万円以下が666万人、計1,032万人となって、全体の22.8%を占める。」引用終了。

増税に拠って、家計の消費税負担は倍増します。

資料、2010年、国家公務員一般労働組合。
「消費税引き上げが家計に与える衝撃は大きい。第一生命経済研究所の試算によると、夫・専業主婦・子ども2人の家族世帯では現行の5%で年平均18万円を負担しているが、10%になれば、負担は35万円とほぼ倍増。年収200万円台前半の世帯でも、負担額は年13万円から25万円に増え、月換算で約1万円の負担増だ。[中略]軽減策の柱になりそうなのが「給付付き税額控除」。一定以上の所得の人に税額控除を行いつつ、所得税を免除されている人に現金を給付するものだ。民主党の玄葉政調会長は6月20日の講演で、給付額について触れた。生活必需品にかかる家計の費用を月5万円とし、そのうち消費税10%分の5000円、年間で計6万円を給付するとしている。しかし、家計調査で最も年収が低い352万円未満の層を見ても、1ヶ月の消費支出16万円のうち、食料や住居など生活必需品の相当分は12万円だ。「月5万円」という設定は実生活を見ていない」引用終了。

こんな感じなんで、ひも付きの補助金があったとしても、これだけまずい、という話をしています。プランではそういうものはないので、もっとまずい、ということが言えると思います。

次です。生活必需品の物価上昇は、貧困世帯にとって死活問題です。

資料、2008年、日本民医連。
「消費税について堀毛さんは、現場の医師の立場から「税金の重さは耐え難い状態になっています。この現実から、税のことを考える必要がある。消費税増税は何としても反対です」と。石油高騰で暖房も使わず、湯たんぽでしのごうとして低温やけどになった患者が増えていること、真冬の釧路で暖をとるために流木を拾っている人もいたことを紹介、「こういう人たちは、消費税が一%上がるだけでも生き死にに関わる」と強調しました。」引用終了。
一般的な世帯でも、生活必需品の物価上昇のために贅沢品の購入を減らし、内需が縮小します。

資料、2011年、大和総研経済調査部、渡辺。
「購入頻度の高い品目の物価上昇は、家計に強く認識されるため消費者マインドを冷やしやすい。また、消費者物価指数を生活必需品を多く含む基礎的支出品目と不要不急のものを多く含む選択的支出品目に分けても同様の傾向がある。値上がりで生活必需品への出費がかさむせいで、生活にゆとりをもたらすような選択的支出品目を節約せざるを得ない状況が見え隠れしている。」引用終了。

アンケートでも、消費税によって消費が縮小することが証明されています。

資料、99年、元大阪税関、平野。
「この傾向は消費税アップの翌年にも継続し、8月には前年同月比2.4%の減少、期間的には10ヶ月連続のマイナスという、1963年に統計がとられて以来の記録となったのです。消費税アップの7ヶ月後の日本経済新聞の調査では「支出を減らしている人の理由」として「消費税引き上げ」と答えた人が68.8%、2位が「老後に対する不安」で65.5%となっており、国民の消費引き締めの理由が消費税アップによるものと将来不安とであることが証明されています。現に、消費税アップによって97年の消費者物価は2.0%もの上昇率となり、前年は0.1%上昇に過ぎなかったことと比較すると、その上昇率は際立っています。」引用終了。

続いて、インパクト。

消費税をこれ以上増税しても、貧困者や中小企業にそれを支払う力はありません。担税力のない…ごめんなさい、貧困者ですね…貧困者には余力がありません。担税力のない国民の生活を破綻させる税制は許されません。

2006年、日弁連。
「しかし、そもそも、健康で文化的な生活を営む生存権を保証する憲法25条、個人の尊厳原理に立脚し、幸福追求権について最大の尊重を求めている憲法13条、そして、全ての人の「適正な生活水準」実現を求める経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約11条に照らせば、本来、国及び地方自治体には、貧困の連鎖をたちきり、全ての人の尊厳に値する生存を保証する義務がある。」引用終了。

…多分[肯定側と]同じ資料だと思います。
こういう価値観に我々は立ちますので、これが守れないと深刻です。
じゃあ、残った時間で反論していきますので、肯定側の立論を見ていただけますでしょうか。
解決性が二つあったと思うんで、解決性に反論していきます。
まず、解決性1、5%の税によって、スキマをプランで埋められる、っていう話があったと思いますけれども、これについては、埋められません。どうしてかっていうと、法律で明確に税の使途を決めないと、社会保障の方にお金が流れていかないからです。

2008年、ジャーナリスト、岩瀬。
「日本は今まで消費税を累計188兆円ぐらい取っています。それはみんな法人税の減税に使われました。老人のために使うためだということだったけれども、計算してみると、老人の為には7%強しか使われていません。ですから今度、年金や社会保障の為に消費税を増税するのだと言っても、実際に使われる保証は何もありません。」引用終了。

ですから、理論上うまくいくかもしれないけれども、実際はそうは問屋が卸さない、ということですね。
はい、次です。解決性2点目に行きます。これは何か、安心感が与えられることによって、消費を刺激して、経済が良くなる、という話だったと思います。しかしながら、
1点目、発生過程…我々の立論の発生過程の5点目の資料を見てください。そもそも貯蓄がない人っていうのがたくさんいるわけですから、そういう人たちは消費ができない、ですから、こういった要因には結びつかないということが言えると思います。
2点目として、過去にですね…プランが言っているのは、民主党の案のようなものを実行したんですけれども、その時にもうまく行かなかったという例があります。

2011年、専修大学経済学部、町田。
「民主党の新成長戦略は新ケインズ派経済学に立つ研究者の考えを取り入れており、消費税増税を社会保障の充実に充当するならば、経済の成長を促進し、「強い経済」「強い社会保障」「強い財政」が一体的に実現するとする。しかし「社会保障・税一体改革」では消費税増税による増収額は最優先で基礎的財政収支の赤字圧縮に向けられるのであり、需要を刺激する社会保障の充実に充当されるのはほんの一部にすぎない。2010年代半ばまでに「経済を好転させることを条件として」という条件が満たされる可能性は低いが、一定の景気回復の下で強行した場合には、1990年代の橋本内閣の「財政構造改革」と同様に経済のさらなる停滞を招く恐れがある。1990年代後半に入ると、日本経済はバブル崩壊後の不況から回復しつつあったが、橋本内閣は大蔵省主導の下で財政再建を最優先し、1997年度から公共事業を圧縮するとともに、消費税率の3%から5%への引き上げを断行した。財政政策の誤りを主因として、日本経済は再び停滞軌道に戻り、1997年における拓殖銀行・山一證券の倒産、「デフレ・スパイラル」と金融システムの麻痺を招いた。」引用終了。

終わります。

否定側質疑

肯定側質疑:松田→榊原

Q:始めます。よろしくお願いします。
A:はい、お願いします。
Q:デメリットの方から見ていきたいんですけれども、デメリットの上から二枚目の資料ですね、一般家計に負担が多いんだ、っていう話があったんですけど、要するにこれ、結局、どれぐらいの差があるんですか。
A:プラン前後ということですか。
Q:そうですね。
A:そうですね…ここ、5%と10%の比較をしているんで、例えば、夫、専業主婦、子ども二人の家族世帯だと、負担が18万から35万、ま、倍になる、ということです。
Q:で、そこなんですけど、その、家族っていうのはわかったんですけど、その年収とか所得っていうのは、試算に入っているのはどれぐらいの人なんですかね、それっていうのは。
A:どういうことですか。
Q:そういう人達が、所得がどれぐらいの人が、どれぐらいの…
A:ああ、なるほど、分かりました。ここで出ているのは、年収200万円台前半の世帯だと、例えば負担額が13万から25万になるって言っていますね。
Q:200万だとそれぐらいっていうことですね。
A:はい、そうです。
Q:それが、この資料で述べられていることっていうことなんですね。
A:そういうことですね。
Q:はい、わかりました、ありがとうございます。では、次の資料、まとめの資料のところなんですけど、実際1%でもやばい人っていうのはどれぐらいいるんですかね。
A:どうでしょうね。それはちょっと資料では言っていないですね。
Q:なるほど、わかりました。ありがとうございます。じゃあ、その次の次の、アンケートの資料がありましたよね。これ、アンケートって、どういうアンケートなんですか、これは。
A:どういうアンケート、というのはどういうことですか。
Q:例えば、どういう人を対象に何年に行なったとか、そういう話なんですけど。
A:そうですね、日経新聞の調査って書いてあるんで、一般的な例に従うんだったら無作為に電話をかけた、とかじゃないですか。
Q:日経新聞が、無作為に、何人ぐらい、とか、そういうのは無いんですか。どこで、とか。
A:資料には載っていないですね。
Q:なるほど。で、やったのが、99年なんですかね。
A:やった年ですか。
Q:やった年ですね。
A:アンケートをした年は、この本が書かれているのが99年なので、それより…
Q:まあ、それより前だろう、ということですね。
A:そうですね。
Q:わかりました。じゃあすいません、ちょっと、アタックの方を聞いていきたいと思います。アタックの一番はじめの解決性の一点目のところに打たれた話なんですけれども、社会保障費に使われない、って話がありましたよね。これって何でなんですかね。
A:それは原因はたくさんあると思うんですけれども、例えば、その、政府の中での利害関係だとか、利権構造だとか、そういうものがあるんじゃないですかね。
Q:なるほど。この資料で言っているのは、意見なんですか。
A:ん?
Q:この資料で出ているやつは、実際に過去そうなったっていうことで…
A:いえ、過去の話です。
Q:過去の話。
A:過去に、累計188兆円くらい、2008年までに取ったんですけど、それで取ったものが実際には7%ぐらいしか使われていなかった、ということですね、有効に。
Q:なるほど、7%しか使われていなかった。
A:はい。2008年までの累計の例ですね、だから。
Q:はい、なるほど、分かりました。ありがとうございます。その次の、解決性の2点目に関して言っていた、最後の資料っていうのは、それも同じようなことなんですかね。
A:一番最後に言った資料っていうのは、そういうことも含んでいますし、それから解決性2点目に対するアタックという側面もあって、消費を刺激しないよ、ということですね。
Q:消費を刺激しないよっていうのと、社会保障費には使われないよっていうことですね。[時間切れ]ありがとうございました。
A:はい、ありがとうございます。

肯定側第二立論

肯定側第二立論:玉置繁之 よろしいならば論争だ

はい、始めます。

まず、デメリットの全体的なアタックをしたいと思います。

まず、スタンスのところで、関税がどうのこうのという話がありましたが、これは何故大事なのかがわかりません。

そして、Aのところで、現在貧困が多い、という話でした。

1点目、これは認めましょう。だからこそ固有性が無いんです。これらは全て現状で起こっていることであって、否定側のスタンスですと、こういった人たちを救うことはできないんです。ですから、これは固有性がありません。

2点目、ターンです。私達の観察の1を伸ばしてください。つまり、ここで言っているように、税というのは、取っておしまいなのではなく、国がお金を一旦預かって、それを貧しいひと、困っている人に、社会保障として配る政策なのです。ですから、そうした人たちを救うためにこそ、消費税が必要です。

3点目、実際にそうした方が、低所得者には得です。

経済評論家、細野、2010。
「消費税の増税分が全部社会保障費に充てられるというもとでは、消費税が上がると弱者が損をするとか苦しくなるというイメージがあると思うんですけれども、弱者にとっては得なんですよ。それはどういうことかといったら、まず消費税というのは基本的に所得が多い人ほどたくさん払うわけですよね。その一方で、所得が低い人はそんなにお金を使えるわけじゃないから払う消費税も少ないんですよね。だけども、消費税で得た、増税分で得たすべてのお金を使って、国が全員平等に社会保障をやるわけですよね。例えば医療費何%にするとか全部平等に行うので、低所得者であればあるほど負担よりもサービスの方が沢山受けられるんです。だから実は、消費税のアップというのは弱者にやさしい政策ということ。」おわり。

ということです。

3点目、そして、だから消費税なんだ、ということ。それは、観察の2点目を伸ばしてください、消費税というのは、社
会保障に使いやすい、安定した財源なんです。

4点目、そして、観察の3を伸ばしてください。ここ、完全にターンです。つまり、こういったものがあるのであれば、だからこうやって、後にすれば後にするほど、どんどん重くなっていく、だから今、早い段階でやるべきであるという、そういうことなんですね。そこを確認してください。

その次、Aの2枚目の資料に行ってください。
2枚目の資料なんですけど、これ、5%から10%に上がったら、消費税を払う額が倍になる、当たり前のことじゃないですか。これ、当たり前のことを言っているだけであって、じゃあこれでどれほど苦しむのか、っていう話はありません。

その次の1%の話についても、結局じゃあ、どれほどの被害なのか、という話、そして2番目として、先ほどの、弱者の方がむしろ有利である、という話、これも取ってください。

その次、購入が減って経済に悪影響を及ぼすんだ、という話がありました。それで、解決性のところでアタックにあった、96年にマイナスになった、という話、これもまとめて返したいと思います。

まず1点目、消費税増税は経済に悪影響を与えません。諸外国でも経験的に証明されています。

読売新聞、2月
「BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は、「消費税率引き上げを早期に行い、社会保障制度を安定させることが、個人の不安を取り除き、活発な消費にもつながる」と指摘する。[中略]大和総研の熊谷亮丸氏が、1980年以降、付加価値税率引き上げを行った欧州各国の67の事例を分析した所、駆け込み需要や反動減があっても、ならしてみれば経済成長率に大きな影響はなかったという。」終わり。

このように、経済に悪影響は及ぼしません。
では2点目、じゃあ何で、彼らが言っているように、消費税増税時に経済に悪影響があったかというと、それは消費税のせいではなく、同時期に起こった山一證券の倒産や、アジア通貨危機など、別の要因です。

大和総研、2012。
「1997年の景気落ち込みの「主犯」が消費税の引き上げであったとは言い難い。景気後退の主因は、①1997年の秋口に北海道拓殖銀行の経営破綻、山一證券の自主廃業などが相次ぎ、国内の「金融危機」が深刻化したこと、②「アジア通貨危機」が発生したこと、という2つの要因である。[中略]これに対して、消費税引き上げの影響を直接的に受ける個人消費は、1997年4-6月期に駆け込み需要の反動から大きく減少したものの、7-9月期にはプラスに転じている。」おわり。

3点目、実際にそうしたことはなかった。消費税の導入時には、そうした問題はありません。
中小企業の倒産データを、1000未満切り捨てで引用します。

財団法人、中小企業連合研究機構ホームページ。
「87年:12000件、88年─これが施行時です─:10000件、89年─導入時です─:7000件、その次の年、90年、6000件、その次の年、91年、10000件。」
というふうに、別に増えないのです。ですから、こういった、他の要因であるというふうに考えられると思います。
その次の、アンケートの所で、消費税の引き上げが66%、2位が老後の不安。そうなんです。だからオフセットなんですよ。つまり、老後の不安を解消するということ、これは私たちのプランでできることですから、ここに関してはオフセットになっていると思います。

その次、ケースに戻りましょう。

ケースのところに対しては、法人税の減少に使われてしまうんじゃないか、という話がありました。

1点目として、今は違うんです。彼らが言っているのは2008年の話とか、あるいは2011年の町田の資料なんですけど、今閣議決定された…2012年2月時点で閣議決定されたものにおいては、社会保障費に使う、ということ、これが明確にされています。ですからこれを取ってください。

2点目として、仮に法人税の減税に使われたとして、それっていうのが、消費税の安定した10兆円、これをも上回るほどの法人税の減税を行うのか、そこの論証責任は当然否定側にあります。これが論証できない限り、これはターンにはなりません。

3点目、少なくとも、彼らの資料によると7%強は、最低でも使われているんです。こういったことを考えれば、少なくとも消費税を上げた方が増えるということ、これは確実に起こります。

4点目、仮にですね、法人税の減税を行ったとしましょう。行ったとしたら、ターンアラウンドです。むしろそれはいいことです。

資料です。経済評論家、勝間、2008。
「もうけに課税する場合の問題は国際比較での公平性です。日本の法人税の実効税率は約40%と、30%前後が中心のOECD諸国より高い水準です。法人税負担が重いと、税金の低い香港、シンガポールなどへ脱出を図る企業が出かねません。国際競争力低下も考えられます。また、法人税収に依存しすぎると、景気変動の影響を受けやすくなります。トヨタ自動車は6日、営業利益見込みを1兆円減らしました。その結果、単純計算で約4000億円もの税収減になってしまいます。」おわり。

というようなことなんです。つまり、こういうふうに不安定な法人税をやめて、消費税というふうに内容を変えていく、こちらのほうがいい、っていうことと、あと、海外競争力を落とさない。こういった点で、法人税を下げたとしても、これはメリットだということです。

実際に法人税を下げることで、企業を行かないようにしていることで成功している国がいっぱいあります。

NSJ日本証券新聞、2010。
「近年のグローバルな税率下げ競争下にあって、日本の法人税率は、世界最高水準に取り残されてきたと言えよう。[中略]近年、韓国やシンガポールが戦略的な法人税率引き下げを推進し、外国企業誘致や自国企業引き止めに成功している。国内空洞化が懸念される日本の現状は、決して円高のみの責任にはできないだろう。」おわり。

こういうふうに、成功することもあるわけなんです。ですから、仮に法人税に使われたとしても、それはそれでメリットなんです。

その次、貯蓄のない人は消費をしないんだ、という話がありました。しかしそれは違うと思うんですよ。貯蓄ってあくまでストックであって、フローで収入があったら、それで使うじゃないですか。そこ、全然当たっていないと思います。

その次、ダメだった、という話があったと思うんですけど、1点目として、これは、先ほども言ったように、今っていうのは、彼らの言っているのは、あくまで2011年の資料で、今は、使うようなことが、閣議決定されている、という話、これを確認してください。

2番目のところで、90年の、橋本さんの財政再建で消費税を上げた時にダメになった、といった話があったと思うんですけど、これは別の要因であって、そういった別の要因─例えば、山一證券の倒産とか、アジア通貨危機などの影響である、という話、これは、先ほどデメリットサイドのところでも言っていた通りです。ですから、ここを当てておいてください。

最後、私達の重要性の1点目を伸ばして欲しいんですけど、つまり、現状を放っておいたらですね、例えばこれ、2000億削減しただけで、こんなに、100万世帯もの人が保険証を取り上げられるとか、そんなことがあるわけなんですよ。ですから、この、10兆単位のもの、これを放置すれば非常に危険です。

以上です。

否定側質疑

否定側質疑:榊原→玉置

Q:はい、よろしくお願いいたします。
A:お願いします。
Q:否定側のフローシートを見ていただきたいんですけれども、社会保険料が…資料を使って一番最初に言った反駁って何でしたっけ。
A:一番はじめの反駁は、税を上げるっていうのは、ただ取っておしまいじゃなくて、皆に再分配する政策であって、それをすることによって、弱者にもむしろ有利な政策である、と。
Q:ああなるほど、わかりました。で、社会保険が充実することによって、弱者に行き渡るんだ、という話だと思うんですけれども、どういうような行き渡り方をするんですか。何が行き渡るんですか。
A:例えば今の…私たちのメリットのインパクトを見て欲しいんですけど、例えば今だったら、保険料の引き上げによって保険証を奪われちゃう人が出てきたりとか、あるいは高いから医療を受けられないとか、例えばそういう人がいるわけなんですね。こういった人達に対して、少なくとも、例えば保険料を引き上げる必要がなくなるとか、あるいは、支出を削減する必要がなくなる…
Q:ああ、分かりました。じゃあ、どこに行くか、っていうことは具体的にわかるわけじゃないけど、何かしらの恩恵があるんだろう、ということですか。
A:ま、医療、年金、介護、少子高齢化に使われます。ま、人間全てに関係ある…
Q:ああ、分かりました。じゃ、次に行きます。購入が落ち込むんだ、という話のところに対して、三点反駁があったと思うんですよ。まず、一点目の反駁って何でしたっけ。
A:一点目は、諸外国で、別に消費税増税は経済に悪影響を与えていない、という話です。
Q:それはどういう分析なんですか。
A:どういう分析というのは、80年以降、付加価値税率─まあ、消費税みたいなものなんですけど─欧州各国67の事例があるんですけど、それを分析したところ、駆け込み需要とか、あるいはその反動減とかはあったものの、ならしてみればあまり大した影響はなかった…
Q:じゃあ67個見た上で、全体的な傾向としてそうなった、っていうことなんですか。
A:ま、そうですね、はい。
Q:ああ、なるほどそうですか。じゃあ、個別で見てどうこう、っていうことは、別にこの資料で言っているわけではないですよね。
A:この資料では言っていません。次の日本の例で話をしています。
Q:分かりました。じゃあ、その日本の例ではどういう話をしているんですか。
A:日本の話は、二点目の反論っていうのは、あなたの解決性アタックで読んだ気がするんですけど、あれっていうのは、別に消費税のせいじゃなくて、アジア通貨危機だったり、山一の倒産だったりとか、そういった別の要因があった、という話。で、じゃあそういうのがなかったらどうだっただろうかっていうことを考えると、あなたたちは導入時を挙げたと思うんですけど、導入、つまりゼロから3に上げたときどうだったかって言ったら、その時は別に企業の倒産数も増えていないから…
Q:じゃあ、企業の倒産数っていうのを目安というか、根拠にして、消費税固有では別に悪影響はないよ、ということを言っているんですか。
A:まあ、ここの例ではそういう話ですね、はい。
Q:ああなるほど、そうですか。じゃあ、消費税の…まあいいです。じゃあ、肯定側のフローシートに移っていただきたいんですけれども、税の使い道について、閣議決定がなされた、っていう話があったと思うんですけれども、それは、閣議決定で決まった、っていうことは、これから未来永劫ずっとその決定は覆らないんですか。
A:いや、そんなことはないと思います。ただ、今一番起こりうる、起こる可能性が高い政策だと思います。
Q:ああなるほど。じゃあ、その、少なくとも短期的に、これが変わることはないから、メリットは起こるだろう、という…
A:今考えうる最良の見積もりだとは思います。政府が実際に決定しているわけですから。
Q:はい、わかりました。じゃあ終わります。ありがとうございました。
A:ありがとうございました。

否定側第二立論

否定側第二立論:小林茜 Utsuyo!!MIRAIGA

始めます。よろしくおねがいします。

では、デメリットの発生過程を補足したいと思います。発生過程2点目として、
B、企業の負担。増税によって中小企業の負担が増加します。なぜなら、大企業の圧力によって増税分を価格転嫁することができないためです。

資料、2012年、日本共産党、大石達也より引用開始。
「中小企業4団体の調査では、小零細企業の6割近くが「消費税」を転嫁できていないと答えています。一方、大企業も税務署に「消費税」を納付しますが、「消費税」をすべて価格に転嫁できるので、大企業自身の負担にはなりません。さらに、大企業の中には、部品などを納入する下請け業者などに「消費税分の単価切り下げ」を無理強いして、仕入れの際に実質的には「消費税」を払っていない場合もあります。「消費税」の引き上げは「中小業者の営業を破壊」するものです。」引用終了。

その結果、10万件以上が企業倒産します。

先ほどの日刊ゲンダイより引用開始。
「「消費税は赤字でも払わなくてはなりません。赤字経営の企業にとって、消費税の負担増は致命傷になる。いわば日本企業の75%が倒産予備軍です」少なく見積もって赤字企業の5%としても、10万件が倒産の危機に直面するのは間違いない。」引用終了。

倒産によって失業や自殺が増加します。

資料、2010年7月30日、東京新聞より引用開始。
「斎藤さんは新著「消費税のカラクリ」で消費税率が二けたに上がれば、5.2%の完全失業率が10%台へ悪化すると説いた。消費税のしわ寄せを最も受けてきた中小零細企業や自営業者が追い詰められるためだという。[中略]「消費税は赤字でも収めなければならない。払えなければ、滞納するしかないが、税務当局の消費税取り立ては格段に厳しい。過去、それが原因と見られる自殺もあった。それだけが原因ではなくても、(自殺の)引き金になりかねない」中小零細の自営業者らを心理的な面から圧迫する危険があるという。「中小零細企業や自営業者らへのしわ寄せが自明なのに消費税が増税されるとする。その意味は、彼らは「世の中が自分たちをもう要らないと言っている」と受け止めるだろう。」」引用終了。

3、企業と家計が圧迫されることで、国の税収も減少します。

資料、2012年、労働総研より引用開始。
「消費税の5%から10%への増税は、家計消費需要を13兆9180億円減少させる効果を持つ。それによって国内生産額が21兆2643億円、付加価値額が12兆2046億円減少し、GDPは2.53%減少することになる。その結果、労働量が、就業者ベースで157.5万人分、雇用者ベースでは114.9万人分失われることになる。それにともない、国・地方合わせて税収が2兆1660億円減少する。」引用終了。

以上より、デメリットが発生します。

これについてなんですが、肯定側の議論の方に対して、税収がプラン後に減ることはない、景気が低迷することはない、っていうお話があったと思うんですけれども、これは、我々が最初に出した資料っていうのは、97年の段階で、それは別の要因だったっていう議論があったと思うんですよね。ですから、この実証によって、デフレは起こることはない、っていう話だったと思うんですけれども、よく我々の資料をもう一度確認してください。この資料内で言っていることっていうのは、消費税が増税されたことによって、拓殖銀行とか、山一證券が倒産してしまった、で、その結果、景気が低迷した、っていう話ですから、日本で過去に実証的に、実際にこういうことが起こっているので、海外の実例でいろいろあったのかも知れませんけれども、日本でやるとこういうことが起こってしまうっていう、この部分を取ってください。残っていると思います。

で、中小が、実際に倒産してないじゃないか、という話があったと思うんですが、これに関しても、これは、否定側が短期的に、勝手に倒産件数を出しているだけで、実際には、影響が長引いて、消費税によって、かなりの業者が倒産してしまいました。

資料を…2009年、共産党、前衛より引用開始。
「日本では1997年4月、橋本内閣は消費税率を3%から5%に引き上げた。国民の負担増は、消費税増税で5兆円、特別減税の打ち切りや医療保険の改悪を合わせると9兆円にのぼった。回復基調にあった日本経済は6割を占める家計消費が冷え込み、経済全体の足が引っ張られ、企業経営にも悪影響が広がり、不況が広がった。この結果、企業倒産が激増し、2000年には負債総額が歴代一位となっている。」引用終了。

このように、実際長期的に見ると、かなりの企業が打撃を受けているということになっています。
では次に移ります。肯定側の方の議論を見て欲しいんですけれども、プラン後の解決性のところで、収入の使い道が結局何になるのかが分からない、ということが議論になっていたと思います。これに関して、法的に今決定をされているからOKなんだよ、っていうお話だったんですけれども、まず1点目として、過去にも実際にそういう使途っていうのは決定された上で消費税が上がった、それは先程の97年の実例の資料でも言っていたことなんですけれども、そういうことをしたにも関わらず、実際には法人税減税など他の分野に使われてしまったということですから、それが実際に低所得者をカバーできるかどうかっていうことは、全く立証できていないと思います。
そして、2点目として、それが幅広く社会保障っていうものに使われたとしても、それは少子化対策なども含む話ですから、例えば子ども手当のようなものに使われてしまったら、それは別に低所得者の人たちにとって、何のカバーにもならないわけです。ですから、これは別に肯定側が言っているような制度が採られたとしても、低所得者にとってプラスになるとは言えないと思います。

そして、肯定側のスタンスのところを見てください。スタンスのところに対して、実際はそういう、税を取って社会保障をするっていう制度は間違っている、ということを反駁します。

2008年、OECDより引用開始。
「格差対策として増税と歳出増に頼るのは一時しのぎにしかなり得ない。格差縮小への唯一の持続可能な方法は賃金と資本所得の根本的な拡大に歯止めをかけることである。特に、人々が就職でき、自身と家族を貧困状態に陥らせないだけの賃金を獲得できるようにしなければならない。すなわち先進国では、失業・障害・早期退職給付に頼るのではなく、人々の雇用を確保し、良好なキャリア見通しを提供する方に格段と注力しなければならない。」引用終了。

ですから、むしろそうやって配るんじゃなくて、最初から負担を減らして、雇用をちゃんと確保するっていう方向を取っていくのが正しいんです。

そして実際に、もう一度戻るんですけれども、否定側の方の倒産の話ともかぶっていると思うんですけれども、倒産が増えなかったっていう証明がありましたね。その、倒産の件数が仮に増えていないとしても、失業者が出ていないっていう証明には全くなっていないと思います。むしろ倒産していないのだとしたら、その負担の分を、失業者を、たとえば沢山だして、リストラしたりなんかして、それを吸収していると見るのが当然ですから、そう考えていくと、結局このプランを取ってしまうと、政府っていうのは全くその、雇用を守れないっていう方向に流れてしまいますので[時間切れ]、良くないと思います。終わります。

肯定側質疑

肯定側質疑:玉置→小林

Q:はい、お願いします。
A:よろしくおねがいします。
Q:まず、OECDの資料に聞きたいんですけど、雇用とかを作るのが大事だっていう話だったと思うんですけど、じゃあ、あなたたちは、この足りない社会保障費であったりとか、そういったものをどうやって補おうというのですか。
A:まずそれは、現段階でどの程度不足するのかわかりませんけれども、そういうことよりもむしろ、消費税を取ることによって、現状より悪化してしまうことの方が問題なんじゃないかなって考えています。
Q:つまり、悪化を先送りしていく、っていうことですか。
A:いえ、少なくとも、その…
Q:すいません、聞きたいのはですね、どうやって、再建していく、あるいは、こういう社会保障を立てなおしていくつもりなのか、ってことなんですけど、建てなおさなくてもいい、ってことですか。
A:今のままでもある程度はカバーできるんじゃないかなと思います。
Q:了解。じゃ、次行きましょう。次でちょっと、デメリットで追加されたリンクに聞きたいんですけど、まず確認したいのが、一つはですね、この、赤字企業にとって…10万件が倒産っていう話があったと思うんですけど、ここ、確認したいんですけど、企業にとっても、まず、下請けに対して、痛みを押し付ける、と。
A:はい。
Q:あの、当たり前ですけど、車って部品なかったら作れないですよね。
A:うん。
Q:ですよね。
A:はい。
Q:じゃあ、その部品作っている会社が、潰れてしまうほどに負担を押し付けるんですか。
A:ですから、沢山ありますよね、部品を作っている企業は沢山ある中で…
Q:別の所を選ぶんですか。
A:別のところに流れるっていうこともあり得るんじゃないかなと思います。
Q:なるほど、じゃ、次聞きたいんですけど、ここで、10万件とか、10%台になるとか、117.5万人とか、いろいろ数字を挙げられていたと思うんですけど、これらの数字の根拠って、どういう試算をしたんですかね。
A:まず、10万件が、っていうのは、すでに今倒産予備軍で当落線上…
Q:なるほど、ここで確認したいのは、赤字が75%なんですよね。じゃ、この75%の企業のうち、このまま放っておいて潰れなくて、かつ消費税によって潰れてしまうのが、何で10万件なんですか。そこが全く分からないんですけど。
A:ですから、そう言っているのは…
Q:赤字をずっと垂れ流し続けたら、当然潰れてしまいますよね。
A:はい。ですけど、そういうところに最後のダメ押しをする事によって、少なくともそれぐらいは倒産するんじゃないか、っていうことです。
Q:なるほど。じゃ、次行きましょう。次の10%台になるんじゃないか、っていう話、これは根拠は何ですか。
A:10%とは何ですか。
Q:失業が。斎藤さんの話ですね。東京新聞の。
A:はい。これも恐らく倒産によって、ということだと思いますが。
Q:はい、じゃあまあいいや。次行きましょう。次の所なんですけど、アジア通貨危機のせいか、山一のせいか、消費税のせいか、っていう話なんですけど、すいません、山一とか、あれが、何で消費税のせいで潰れたんですかね。それって、誰がどこで言ってますかね。
A:この資料の最後のところで、申し上げているんですけれども…消費税率が3%から5%に引き上げを断行した財政政策の誤りを主因として…
Q:すいません、財政政策の誤りを主因、って、別に…これって消費税を上げたことが主因なんですか。山一が潰れるのの。というのも、大企業って、価格転嫁できるんですよね。その山一みたいな大企業が、なんで消費税で潰れるんですか。
A:経済全体として弱くなってしまった結果、山一證券なんかにも悪影響が及んだんだろうなと思いますけど。
Q:なるほど。まあいいや。

否定側第一反駁

否定側第一反駁:榊原陽介 Utsuyo!!MIRAIGA

はい、始めて行きます。

じゃあ、否定側のフローシートを見ていただけますでしょうか。さっきの2ACに再反論していきます。
まずですね、我々のスタンスにケチをつけられました。このスタンスをどうして取らなければいけないのか分からない、という話があったと思うんですけれども、国家が取るべき、っていうのは、国民の生活をどう保障するかっていうことについては、多分共通認識が肯定・否定にあると思うんですよ。で、そのスタンスをとる以上は、我々否定側のスタンスっていうのに従っても別に不思議は全くないということが言えると思います。

続いて2点目。我々の現状分析に対して、現状で貧困があるということを示しているだけで、固有性がない、みたいなことを言っていたと思うんですけれども、しかしここで、我々が1NCで出した3つ目の資料を、これ、注目して欲しいんですけれども、本当に貧困にある人っていうのは、消費税が1%上がるだけでダメだ、っていうことを言っているんですね。ですから、この1%でも致命的になりうるということがあって、これは十分固有性を示すに足りうる資料ではないかな、というふうに思います。

続いて、1点目です。ここで肯定側さんはですね、立論の観察のところから資料を引用して、税は取るだけではなくて、還付をして、むしろ還付をすることによって、貧困者というのは、かえってプラン後救われるんだ、という話があったと思います。しかしながら、1点目、それはですね、配分がきちんとされれば、の話ですよね。しかし配分はされない、ということを、我々はさっきから申し上げております。

2点目、実際配分されるのは7%だけですし、閣議決定があるっていう話もあったと思うんですけど、閣議決定というのは、今の閣議で決定しただけであって、別に次の閣議で覆る可能性だっていくらでもありますし、少なくとも長期的に安定した財源でなければならないって言っているのは肯定側ですから、そんな閣議で決定したから大丈夫だ、なんてのは、長期的に安定しているというのはとても言えないのではないかと思います。
続いて、3つ目として、1NCのですね、3つ目の資料を見て欲しいんですよ。これ、何を言っているかというと…さっきと同じ資料なんですけれども…ごめんなさい、2つ目ですね、すいません。2つ目の資料で、ここでどういうことを言っているかというと、消費税が5%から10%になった場合、やばい人が沢山いる、と。で、そういう人たちっていうのは、月に何万の還付金があっても、全然足りないんだ、っていうことを、この資料は言っているんですよね。ですから、仮に社会保障がうまく行ったとして、ある程度還付金とか、そういう形で充実したとしても、全然それだけでは、貧困層は救われないんだっていうことは、この資料から言えると思います。だって月に5万でも足りないんですからね。きちんと理想的に行っても、5万円も家庭に社会保障が回るかどうか、ちょっとわからないから、怪しいと思います。

次に行きます。それから、別の反駁として、スタンスの最後に肯定側に出されて、社会保障の話っていうのは、後にツケを回すことはダメで、早く実行しなきゃダメなんだ、っていう話がありました。しかし今実行したらどうなるか考えて欲しいんですけれども、今ですね、苦しい人、企業が沢山いるっていうことは明白だと思います。それは、つい今引用したように、月5万も還付があっても足りないような民間人もいますし、それから2NCで、追加でパートナーが出してくれた資料で…2NCで2つ目に出した資料ですね…現在赤字の企業が沢山ある、って話がありました。こういう、崖っぷちにいる人が沢山いる中で、それでも早くやらなきゃいけない、早くやらなきゃいけない、っていうのは、それは、今現に、社会保障で一番守るべき貧困層っていうのを無視した意見であって、国家の政策としては誤っているのではないかということが言えると思います。

次に、肯定側のフローシートに移ってください。肯定側のフローシートで、ちょっとターンでですね、法人税がもし減税されるようなことになったらそれはいいことだ、っていう話があったと思うんですよ。しかしながら、2点反駁します。

まず1点目として、法人税が下がっても、企業に経済的なインパクトはほとんどありません。

2009年、マネーガイドJP。
「法人税を5%減らしても、企業全体のコスト圧縮効果はわずか0.08%に過ぎないのです。思い切って10%減税したとしても、たったの0.16%です。この程度のコスト削減で、国際競争力が高まることなどあり得ないのは明白です。一方で、全企業での人件費合計は197兆円あります。法人税5%分(1.1兆円)というのは、人件費をわずか0.5%カットするのと同じレベルなのです。[中略]同様に、日本全体で売上原価は約1000兆円かかっています。法人税率5%分は、製造原価をわずか0.1%分減らすことと同じです。つまり、5%の減税など、莫大な製造原価や人件費に比べれば、無いに等しいレベルなのです。」引用終了。

ですから、法人税が多少下がっても、全然インパクトは無いんです。
反論の2点目として、過去に実際法人税が下がったことがあったんですけど、その時にも全然効果がありませんでした。

2004年、参議院政策秘書、合田。
「1989~90年の引き下げの前後には、設備投資の高まりがみられるが、これは法人税を引き下げる前の、87年ころからの増税の延長にあるものであり、明らかにバブルの影響とみるべきであろう。一方、1998~99年の引き下げは、設備投資に何の効果も見られない。法人税の引き下げは、法人のキャッシュフローを増加させているが、それが設備投資にプラスの影響を与えてはおらず、もっぱら借金の返済に充てられている。」終わります。

肯定側第一反駁

肯定側第一反駁:松田拓 よろしいならば論争だ

はい、始めます。

まずメリットから見て行きましょう。メリットの方、スタンスの話なんですけれども、まず1点目の話として、先送りしちゃ駄目っていうところに対して反駁があったと思うんですけれど、まず1点目として、このアタックっていうのはNewです。

2点目として、まずロジックは残っています。今そのまま放置してしまうと増額してしまうんですから、今やろう、という、このロジック自体は残っているので、そこを伸ばしてください。
OECDの話もあったんですけど、これ、ちょっとデメリットとも関わってくるんですが、これっていうのは、否定側のスタンスが、まず一貫していません。

そこで、解決性のところから見ていこうと思うんですけど、まず解決性です。法人税の…使われないんだ、っていう話があったと思うんですけれども、まず1点目として、これっていうのは昔の話であって、何故、どこが違うかっていうと、ここで今回プランで言っているのは、目的税化するんですよ。そういうふうに、目的税として使う、っていうところは言っているわけですから、そういうふうに使われる。
2点目として、仮にそうじゃなかったとしても、7%自体は使われるっていうこと自体を彼らは認めているんですから、そこは伸ばしてください。

じゃあ、その結果法人税に使われるんだ、っていう話があったと思うんですけれども、そこに対して、法人税…インパクトが云々っていう話が伸びていたと思うんですけど、まず1点目として、彼らが言ってきた、インパクトが無いっていう話は、利益で見た場合、そういうふうなものがインパクトが無いって言っているだけであって、法人税というのは、利益が上がれば上がるほどそういうものがのしかかってくるわけですから、ここには当てはまっていないと思います。

2点目の反駁で、設備投資の話があったと思うんですけど、ここに関しての話では、私たちは移転しない、っていう話をしているんですよ。勝間さんの2ACの話を伸ばしてください。実際にそういうふうに、移転をしないって…引き止めているっていう実例があるんですから、そこの実情を伸ばしてください。

で、結果、税収がどうなるかって話なんですよ。税収が…彼らは97年度の例を持ってきて、減るんだ、みたいな話をしているんですけど、まず1点目で、彼らは97年っていうのは、私たちの2ACで読んだ資料の最後を見て欲しいんですけど、結局プラスに転じているんですよ。この事実を取ってください。実際97年を見ても、実際にプラスに転じている。

2点目で、彼らが、山一が…消費税が…やったことで、山一が潰れたとか言っているんですけど、実際そんなことはなくてですね、そこは取らないでください。

2点目で、実際は大丈夫、というところは、さっきの、実際にはプラスに転じた、というところを見てください。
じゃ、すいません、ネガの方に行きたいと思います。

ネガなんですけれども、まず2つ大きく反駁があって、まず1点目として、これは先ほど言ってるんですけれども、現状でもこういう問題っていうのは起こっているんですよ。なので、差がどれぐらいかわからない。

2点目として、同じぐらい…スタンスは同じだと思うんですけど、こういう貧困者を救えるのは、私たちのプランなんだっていう、ここを確認してください。

で、リンクの2点目のところに関して、ターンアラウンドが伸びていた部分に関して、今や苦しいんだ、みたいな話があったと思うんですけど、ここは私たちのターン、先ほどの反駁を伸ばしてください。後伸ばしにすると、もっとやばいんです。

で、貧困層の話で、彼らは結局1%でも駄目な人がいるんだ、みたいな話をしてるんですけど、これ、私の質疑を見てください。何人いるかっていうのは、結局わからないんですよ。だから、どれぐらい、結局救えるのか、っていうのが分からない。

次、中小企業の話が大きく伸びていると思うんですけれども、まず大きく分けて4点。

1点目として、じゃ、どれぐらい転嫁できないのかっていうのが分からないんですね。

2点目。それ故に、どれぐらいそういうふうに企業が潰れるのか、っていう話があるんですよ。彼らは10万件が潰れるんだ、みたいな試算を読んでいるんですけど、この資料だけじゃなくて、他の資料にも言えるんですけれども、どういう試算でこういう数字が出ているのか、っていうのは全くわからないんです。例えば、10万件の試算っていうのは、今現在でも赤字の企業が75%いるから、10%上げると10万件潰れる、とか言っているだけで、どういうふうなロジックでそういう数字を出しているのか、っていうのが全く分からないんですね。

で、4点目として、実際に企業っていうのは…別に消費税っていうのは、そんなに大した要因には考えていません。

中央大学教授、森信、2012。
「自由経済の下では、価格は需要と供給によってきまる。コストによって決まるわけではない。事業者は、為替レートや国際市況の変化により日々変わる原油価格や1次産品価格に応じて、製品価格をその都度変えているわけではない。消費者への価格転嫁が容易でない場合には、節約や生産性の向上などあらゆる努力を行い、それを吸収しようとする。日々変動するコストを全体として織り込んで、マージンを確保しつつ商売を行うのであって、消費税率の引き上げはコスト変動のワンノブゼムにすぎない。大企業や競争相手も同じ条件である。倒産が続発するという議論はまやかしであろう。」おわり。
ということで、実際にこういうふうに、企業は節約する努力とかすればいいわけですから、問題ないです。
次の話として、財政が結局下がっちゃうんだ、って話があったと思うんですけれども…その次のインパクトの話として。で、実際これは我々の実質を取ってください。
終わりです。

否定側第二反駁

否定側第二反駁:小林茜 Utsuyo!!MIRAIGA

はい、始めます。よろしくおねがいします。

ではまずですね、否定側の方から確認していきたいんですけれども、もう一度否定側の深刻性のところを見てください。ここの深刻性では、結局、貧困層とか、そういう生活をしていけないような人を、いかに救うかということで、今後救わなきゃいけないんだと、で、増…すいません、肯定側ですね。肯定側の方で、そういう人達を救わなきゃいけないんだ、ということを、肯定側は言っていたわけなんです。では、肯定側のプランでそれが守れるかっていうところが問題になっていると思うんですけれども、肯定側のプランは何をするかっていうと、とにかく消費税をかけて、それを社会保障目的で使う、って言っているだけなんです。で、その場合の社会保障目的、っていうのが何なのか、っていう説明は全くなくて、その中には少子化対策なんかも含まれているわけですから、それによって貧困者がカバーできるかどうか、っていうところは分からない、ということがまず一点。

そして、2点目として、仮にそれが弱者に対して、お金として回っていくんだ、ということが分かったとしても、明日のお金が足りない弱者に対して、その政策って全然意味が無いんですよ。例えば、一年分のお金をある程度の期間が経った時に給付します、ってなったとしても、もう1%上がっただけで、明日から物が買えなくなってしまうっていうような人びとがいるんだ、っていうこと、この事実は、デメリットの現状分析のところの資料を参照してください。Aのところでも言っているように、明日の生活が立ちゆかなくなってしまうかもしれない、消費税によって生きていけない人たちにとって、この、後からくる社会保障っていうのは全く無意味ですので、この家計の負担によって、貧困になってしまう、この部分は残っていると思います。

では、企業の方から発生する方も同時に見て行くんですけれども、企業の方に関して、倒産の統計なんかのデータに関していろいろやり取りがあって、結局97年の例っていうのは、山一證券の部分もわからなかったし、中小企業も倒産していないんじゃないか、という指摘があったと思うんですけれども、倒産していない、っていう部分に関しては、言及されていたんですが、それによって失業者が増えていない、っていうことは全く言えてない、この部分
は、もう一度取ってください。

そして、後から出てきた資料で、コストはワンノブゼムにに過ぎない、っていう資料がありましたよね。この資料に関しても、生産性を上げたり節約することによって吸収するから大丈夫なんだっていう話だったんですが、でも、節約するっていうことは、結局それは労働者の解雇などにつながっていって、貧困層を増やしてしまうような結果になってしまう。で、そうなってくると、私たちが出したスタンスに対する反駁を参照して欲しいんですけれども、そういう貧困者を増やしてしまうような方向性で税を取って、社会保障を充実させる、っていうのは、そもそも矛盾しているし、国家としてやるべきではない、この部分で、もうスタンスは立っていないと思うので、肯定側が想定しているような、貧困者にとってやさしい生存権を保障するような社会っていうのはできていないんじゃないかなと思います。この時点でメリットとして評価できないと思います。

で、法人税の件もあったんですが、法人税は、これは結局は、企業に対してお金が回るとか、そういう話しかしていないわけですから、それが貧困者の明日の生活を助ける、という証明に全くなっていないので、このラウンドにおいて大きな議論ではないと思います。

では、否定側の方を見て行きましょう。

否定側の方で、議論になっていたのは、1点目として、今後どうせやらなきゃいけないんだから、それを加味したら、否定側のデメリットっていうのはどうせ生じるんじゃないか、っていうような話もあったんですけれども、まず1点目として、今後消費税をやらなきゃいけない、という証明は足りていないと思うんです。消費税をやることによって、固有に、こういう倒産とか貧困という問題が出てきてしまうわけですから、その方法を取るかどうか、という議論を今しているわけですから、それを積極的に取らなくてはいけない、消費税によって、これを直さないといけない、っていう証明は、やっぱり肯定側はしないといけないと思います。ですから、今後と変わらない、ということは言えないんじゃないかなと思います。

で、今後このまま行った場合、というのは、やっぱり中小企業っていうのは、今でもキープしているところはあるわけですし、貧困者の方々にとっても、直接生活に負担が来るような、食べ物が買えないとか、そういう事態は無いわけですから、問題ないと思います。

肯定側第二反駁

肯定側第二反駁:玉置繁之 よろしいならば論争だ

はい、肯定側の議論から行きましょう。

現状の観察をご覧下さい。まず、1のところで言っているように、税というのは、何らかの目的を持って、何かに使うためにやるものだ。再分配に使うものだ。そこは認められています。解決性で法人税の話は反駁します。

で、その次、じゃあ2番目。消費税というのがベストであるということ、なぜなら安定財源となっているからであるという話、ここを伸ばしてください。このように、消費税は重要です。

では3つ目、そしてこの、オブザベーション3点目、これは肯定側に単独の投票理由になります。なぜかというと、これっていうのは、放っておけば、どんどん負担っていうのは重くなっていく。なぜかというと、一気にがくっと上げなければならないから。だから、こういうふうに後回しに後回しにしていく政策、これは駄目なんです。だからもしやるんだったら、今、早いうちにやってしまったほうがいいんだ、という話、これが全く否定されていません。で、ここに関して、消費税が、とかいう話もあったんですが、まず1点目として、これ、完全にニューアーギュメントですし、2点目として、どんな形、例えば私たちが言っているような、社会保障費の削減、法人税の増税、色んな手段であったとしても、デメリットはあると思いますし、デメリットが無いと言いたいのであれば、否定側が証明すべきでした。ですからこの時点で肯定側にボートできると思います。

じゃあ、内因性行きましょう。

内因性の1点目のところで、10兆足りないということ、そしてこれでは限界だ、という話、ここが完全にドロップされています。

インパクト。

その結果何が起こっているかというと、社会保障費の削減、あるいは保険料の増大によって保険証を取り上げる、こういった政策が行われているわけなんです。で、ここで見て欲しいのは、2000億の削減によって、100万世帯も保険証が取られているわけなんです。こうしたふうに、これが10兆も足りなければ、非常に大変なことになるだろう、ということ、これは何ら否定されていません。
その次、こういった人たちを救おうとすること、救おうとする事自体が国家にとって大事だという話、この2番目のスタンスを伸ばしてください。

では解決性。

解決性で、10兆円安定して入るということ、ここは認められました。じゃあ、それをどう使うのか、で、法人税に使うんじゃないか、という話。まず1点目として、今回目的税としているんだ、という、私のパートナーの話を伸ばしてください。

で、2点目、実際にですね、社会保障がこれだけ不足するとなっている、そして閣議決定もされている、こうした状況のなかで、かつてやったからといって、法人税の減税に充てるということ、これ、明らかに乱暴過ぎると思うんですよ。こうした現状を考えると、今回はそうしたことに使わないというふうに考えるのが自然だと思います。

3点目として、仮にちょっと法人税の減税に回したとしても、それが10兆の安定資産、これをも上回るほどであるということ、これは全然言えていないと思いますので、この時点でメリットは残っていると思います。実際、例えば、7%は使っていたわけです。

4点目として、仮に法人税を下げるのであれば、企業の競争力維持というメリット、これはこれで発生するわけですから、そういったメリットもあります。ですから、これによってメリットはゼロにはなりません。
というわけで、貧困層は…私たちが言っているような人たちっていうのは、私たちのプランによっては救えるんですが、彼らはどうなのか。デメリット行きましょう。

デメリットのところ、まずですね、ここで確認していただきたいのは、結局ですね、今でも非常に色々貧困者で困っている人っていっぱいいるわけですし、今後どんどん増えていくわけなんですよ。そういった人たちに対して、彼らは何なのか、放っておこう、って言っているだけなんですよ。それっていうのは、まさに彼らのスタンスに反することで、要は私たちっていうのは、再配分という手段によって、救おうとしていること、これ自体が大事だ、という話をしています。ですから、このスタンスに乗っているのは、むしろ我々だと思います。

その次、私のターンアラウンド…オブザベーションの1で伸ばした話を伸ばしてください。つまり、ここで言っているように、例えば所得が多い人は、より消費に使う。だから消費税もいっぱい増税する、ところが、例えば医者にかかりたい、こんなの誰でも行くことだと思うんですけど…病気になるのは皆同じだと思うんですけど、そういった時に、例えば保険証が取り上げられてしまって、行けなくなってしまう、こういったことが無いように、例えば社会保険料の引き上げを抑える、あるいは社会保障の質を増やす、こういったことを、プランによってできるようになるんだ、というターンアラウンド、だから低所得者にむしろ優しいんだ、という話です。ですから、低所得者にはむしろ私たちのプランの方が優しいです。

じゃあそれに対して、経済への影響、これが論題を否定するかどうか、ここがポイントだと思います。
まず、1点目として、諸外国において、実際に経験的に否定されているということ、そして、日本の導入時の話っていうのは、これは大丈夫だった、という話。そして、98年は別の要因だった、という話、これらが全て通っています。で、日本の導入時にリストラしたんじゃないかっていうんですけど、それ、言いたいのであれば、当然否定側が論証するべきです。失業率が増える、っていうんであれば、否定側が論証すべきでした。それはなかったと思います。

で、じゃあどうなのか、っていうと、まず貧困者に与える影響はどれほどかわかりませんし、中小企業に与える影響っていうのは、ワンノブゼムに過ぎないという話、そして彼らのスタンスというのは、全く実証的でなく、ただ何の根拠もなく言ってるだけなんですよ。それに対して、私たちは実証ですから、取ってください。ありがとうございました。

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