第14回ディベート・セミナーin 京都
講師報告
 

担当:松本 茂(JDA専務理事,東海大学教授)


2001年4月21日(土)に京都府立総合社会福祉会館(ハートピア京都)において第 14回ディベート・セミナーin 京都を開催した。京都での開催は,昨年4月に続い て,2回目。今回は,京都ディベートの会に加え,日本社会人ディベート連盟,関西 ディベート交流協会との共催で行った。

 会場のスペースの関係で25名定員としたが,当日キャンセル0名,当日飛び込み1 名ということもあり,29名での開催となった。四国から2名,名古屋から2名参加と いうことで,西日本でのディベートへの関心の高さを示していると言えるであろう。

 今回の参加者の構成は,ディベート大会にも参加したことがあるという上級者,大 会には参加したことはないが何度かディベートをやったことがあるという中級者,ま ったくの初心者という3つのグループが,それぞれ1/3ずつであった。講師としては むずかしいセミナーとなった。

 午前中の講義では初心者に合わせてディベートの基礎を説明し,今回特別に行った モデル・ディベートについては上級者にも配慮して,かなりつっこんだコメントする といった具体にどの層にも満足してもらえるように配慮した。

 モデル・ディベートは午後の練習試合の論題と同じもので行ってもらった。レベルの高い試合であったが,初心者にはついていくのがむずかしかったようだ。

 午後は,経験者と初心者をなるべくバランスよく組み合わせて3人1組のチームを 8チーム作り,各チーム1回ディベートを行い,1回審判を体験する方式で行った。 質疑応答は着席のままで行い,誰が質問して,誰が答えてもよいという方式をとった。

 「日本は首相公選制を導入すべきである」という論題は,初心者にとってはかなり むずかしいものだったが,自民党総裁選直前ということもあり,ある程度身近に感じられるものであったと思う。論題の選択は良かったと思われる。

 今回も京都ディベートの会のスタッフの献身的なご尽力により,スムーズに運営できた。また,関西ディベート交流協会,日本社会人ディベート連盟の協力を得た結果,このセミナーを通してこれらディベートの諸団体の交流が進んだことも大きな成果だったと言える。

 今回も遠方からの参加された方もいらしたことからも,京都以外の地域でセミナーを開催すべきであると強く感じた。
                     

参加者アンケート結果

 参加者数 29名 
 回収数  18名(回収率 62.1%)

○午前の講義について
  非常に満足 10名(55.6%)
 満足     8名(44.4%)
  やや不満 0名
  不満     0名
  <分析>
   講義としてだけ捉えた方と,今回取り入れたモデル・ディ
   ベートを含めた評価をしている人がいたようだ。質問が
   やや曖昧だったかもしれない。

○午後の練習試合について
  非常に満足  8名(44.4%)
 満足     9名(50.0%)
  やや不満 1名( 5.6%)
  不満     0名
  <分析>
 ご自分のディベートについて満足したかどうかという質問
  として捉えていらっしゃる方もいたようだ。練習試合の形式,
  論題,時間配分などにたいする評価をしてもらうためには
質問の仕方を変える必要があるかもしれない。
 
○セミナーに対するご意見・ご要望
・こういう機会をもっと増やしていただけたらなぁ・・・と思います。
・初心者もベテランの方も一つのところで受講できるというのは、初心者にと
 ってはとてもありがたかったです。アドバイスもしていただけたので感謝し
 ています。
・ディベートはそれ自体が目的というより、日常生活のコミュニケーション向
 上ということに意味があることが分かり、有意義でした。
・頻繁にやってほしい。
・テクニック的なことを教えていただければありがたいです。
 (例: 反駁の仕方など)
・疲れたけどとてもおもしろかったです。今後ディベートを行う機会があれば
 準備して実践したいです。
・勉強になりました。
・ディベートの基本的な考え方、実施方法がわかりやすく語られていました。
・モデルディベートを見せていただいてとても良かったです。
・今後ともこの様なディベートセミナーを多く開催していただき、ディベート
 を理解する人が増えていく事を期待しています。
・松本先生のお話はとてもわかりやすい。よかった。
・来年もぜひ開催していただきたいと思っています。
・松本先生のセミナーはなかなか聞けないので、とても貴重なお話をお伺いで
 きました。
・ディベートのイベントにしては珍しく時間通りでとてもやりやすかったです。



セミナーのトップページへ

(注)このページに掲載されている情報の著作権はJDAにあります。無断での複製、転載を禁じます。