第18回JDA ディベートセミナー報告


講義風景


練習試合前の準備風景


講義風景


練習試合前の準備風景


去る2月10日(日)、代々木の国立オリンピック青少年記念センターで開催されました第18回JDA One-dayディベートセミナーの報告をさせていただきます。
 参加者は34名。今回は会社の幹部の方が数名単位でまとめて参加、という申込みがいくつかあり、40名定員のところのべ60名近くの申込みとなりました。多くの方のお申込みをお断りいたしましたことをお詫びいたします(結局当日キャンセルも多発して34名となった次第です)。
 午前中に行なった瀬能和彦さんによる講義は、後に掲げるアンケートでもわかるとおり、今回も大好評。午後は「各自治体は家庭ごみの収集を有料化すべきである」という論題で試合を行いました。ジャッジとして安藤温敏さん、古宅文衛さん、小西卓三さん、菅家知洋さんにお手伝いいただきました。この場で改めて御礼申し上げます。 
 次回は4月28日(日)に開催いたします。皆様の参加をお待ちしております。

 JDA理事 篠 智彰


講師報告

瀬能 和彦(JDA理事、都立八潮高校教諭)


2月10日の日曜日に、第18回JDA One-Day Debate Seminarの講師を務めました。
今回のセミナーは、総勢60名と、申込者が多く、40番目以降に申し込まれた受講者の方には、前日までキャンセル待ちをして頂きました。しかし、結局、当日になって欠席された方がいたため、受け入れ能力はあったものの、キャンセル待ちの方々の受講をお受けすることができず、大変申し訳なく思っております。

今回も、セミナーは、午前はディベートに関する一般的な講義、午後は当日論題を発表し、チームに分かれて練習試合を行って頂きました。
午前中の講義は時間の割りに、盛り沢山の内容となりましたが、ディベートとは何かから始めて、ディベートの意義、議論の分析法、メリット・デメリットの作り方など、一通り大まかな流れを、演習問題を使いながら説明することができました。講師と致しましては、できるだけ受講者とインタラクティブに講義を行うことを心がけて講義を行い、結果として、こちらの期待通りに、受講者の方々も積極的に質問等投げかけられ、それにお答えしながら、活発な、楽しい雰囲気の中で講義ができたと思っております。

午後の練習試合では、「各自治体は、家庭ごみの収集を有料化すべきである。」という論題の下、練習ディベートを行っていただきましたが、これまでのセミナーと違い、論題を当日に発表するという形式に致しました。今回のセミナーでは、事前の準備は極力行わないで頂きたいと考えたからです。これまでのセミナーでは、論題をホームページ上で事前に発表しておりましたが、これは単に、論題について事前に調べておきたい受講生はそうしても良いということでそのようにしていたのであり、論題に関して事前にリサーチしておくことを”必須”としていた訳ではありません。ですから、もちろん、当日こちらがお配りした資料と一般的な知識のみで、とりあえずディベートが行える、つまり専門的な知識を必要としない論題が毎回のセミナーで使用されているのです。しかしながら、事前に論題を発表してしまうと、論題について、詳細にリサーチを行い、多くの資料を用意される受講生もいらっしゃいました。もちろん、論題についての知識を予め仕入れておくこと自体は、悪いことではないのですが、往々にして、当日受講生が持参した膨大な資料を、メンバー全員で、準備の最中に黙々と読み耽ってしまい、結果として受講生チーム内で打ち合わせをしたり、反論を考えたりする時間がなくなるということがありました。様々なアイデアを仲間と議論しあうというのは、ディベートの醍醐味の一つであり、是非ともみなさんに、経験していただきたいことでした。そこで、今回は、論題を当日発表することで、受講者同士の話し合いにもっと時間を掛けて頂くことにしたのです。当日練習試合の様子を見たり、他のインストラクターから様子を伺ってみると、こちらが意図していたように、チーム内での話し合いに多くの時間が割かれていたようです。

今回のセミナーの一番の目標は、講義の冒頭でもお話したのですが、とりあえずディベートとは何かを理解して、自分で経験してみるということでした。アンケートを拝見いたしましても、概ね良好な反応で、講師としても嬉しい限りです。受講生のみなさんには、更にこれから、各種ディベートサークルなどで、リサーチの仕方、議論の深め方、ジャッジの仕方など、いろいろと学んでいただけたらと思います。今回のセミナーが、受講生のみなさんのディベート・ライフの”はじめの一歩”になることができましたら、幸いです。

参加者アンケート結果


○ディベートの基礎を短時間で学ぶことができ大変ためになりました。午後の「試合」は、終了後の講評がとても役に立ちました。(会社員)

○短時間で反論することが難しかった(思いつくまで時間を要した)。(会社員)

○大変頭を使いました。思ったことを順序立てる、また相手の出方を予想し対応することが課題です。強く主張する(根拠に基づき)ことができるよう今後も日常から心がけていきたいと思います。(会社員)

○ディベートの体験ができたことが大きかった。ディベートの何ぞやということが理解できただけでなし、自分に足りない点等が明らかに再認識できた。(会社員)

○非常に勉強になりました。本やビデオでは知ることができないディベートに関するノウハウを知ることができた点が良かったと考えています。(大学教員)

○練習試合では緊張しましたが、いい経験でした。業務に活かせる部分とそうでない部分があると感じた。(団体職員)

○今までいかに議論をしていなかったか痛感した。感情的にならない様に相手に迫る、自分の立場をはっきりさせる、相手の弱点を見破るといった技量が足りないことに気づかされた。勉強になりました。(会社員)

○自分の弱点(整理した話すことが苦手)があらためてわかったので、今後に活かせるようにしたいです。(学生)

○以下の3点で勉強になりました。1点目、ディベートに対する理解が一層深まった点、2点目、練習ディベート試合を行なうことにより技術がbrush upされた点、3点目、ゴミ処理有料化についての知識がついた点。(学生)

○人の話を聞く難しさを感じると共に、聞いた話に対して反論するのが難しいと強く感じた。(会社員)

○基本的な内容に関する理解が深まった。(会社員)

○なかなかディベートの仕組みが理解できないのと、相手側の意見をよく聞いてかみあった議論をかわすことが難しいのとで困ってしまいました。とても勉強になりました。

○ほぼディベートの仕組みはわかったが、実験であったためやや緊迫感に欠けていた。特に論点をシビアに深めることと何が一番重要な論点であるかの判断や、事態の変化のなかで柔軟に対応していくことなど学ぶ点は多かった。(会社員)

○ディベートに触れるのは初めてで面白かった。ただ頭で理解しても実際にやるのは難しい。何度も実践してテクニックを磨けばもっとうまくなれると思うが、なかなか時間が限られる。このようなことは、やはり学生までにきちんとみにつけておくべきものだと感じた。(会社員)

○ディベートは非常に難しいなと感じた。(会社員)

○一度試合を経験したので、午前の講義を聞いて納得したり改めて認識したところもありました。練習試合も(同じ資料を用いているのでよけい)肯定、否定のアドバイスがそれぞれよく理解できました。いいご指摘をありがとうございました。

○基本に戻って勉強ができたことが良かったです。自分では理解しているつもりでも、やはり、実際にはできていないことばかり(きちっと論拠を示せていない、話す順序、話し方がわかりやすくできない等)でした。実践を続けてがんばっていきたいと思います。(会社員)

○今回は基本の確認で参加しましたが、改めてこれまでのディベートで見落としていた点を確認することができました。(会社員)

○おもしろかった。物事を広く、またディベートの目的でもある論理的思考、本質(ポイント)など、日常に深くかかわる「頭の使い方」の勉強になりました。もっともっとディベートにかかわるきっかけになりそうです。(会社員)

○論理的に説明する以上に相手の話をメモをとりながら聞くことが難しかった。(会社員)

○ディベートのルールを理解しました。しかし同時に自分のまとめる力の低さをあらためて認識しました。(会社員)

○思っていたより面白かった。数回参加すればやり方が分かってくるのではないか。短い時間の中で相手の論点を理解し、発言していくことの勉強になった。(会社員)

○楽しかったです。一方でディベートの難しさを痛感しました。特に時間内に自分の考えを述べるのは難しかったです。(大学教員)

○総論的には理解したが、どの様なディスカッションが有効でよいディベートかは学べなかった。(会社員)

○主張するためには根拠の整理、準備が必要なこと、相手側の主張を客観的に傾聴する難しさを認識した。(会社員)

○実際にやってみることの効果は絶大だと思いました。手法、考え方は本を読んでいるだけでは若干誤解している面もあったので、説明を聞く価値もあるなと思いましたが、やはり、実践(特に短い時間内での対応)の方法はやってみなくてはわからないものでした。(会社員)

○いい勉強になった。職場での職員の訓練に今後どのようにとりいれていくか、これからじっくり考えたい。小中学生から身につけていかれるよう社会に行政にはたらきかけて頂きたい。(会社員)

○実践が重要なことがよく分かった。講師の説明が明快、明朗でよかった。

○あっという間に終わってしまいました。うまく話せませんでした。尋問は一対一がいいです。

○午後の練習試合は私にはちょっと難しかったなと感じたものの、午前中のレクチャーのほうは「かゆいところに手が届く」という感じで、とても有意義だと思いました。午後のほうについては、やはりもう少しストラクチャーを大切にスピーチをしなければと反省しております。内容的なものはある程度仕方ないにせよ、スピーチの作法というか、相手の理解のしやすい話し方とい
うのは練習しておきたいと思います。(学生)

○新たな経験ができた。ディベートを通じて種々のアイデアがでるものだと分かった。(会社員)

○ディベートの基礎知識を知りまた体験ができ、ありがたかったです。資料も講義もわかりやすくて良かったです。また試合の際に試合後も適切なアドバイスを個々にいただけて大変参考になりました。今後の業務(研修)に活かしていきたいと思います。(大学教員)


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