[師岡純也]
去る11月29日に、(株)バベルのご協力により、第三回一日日本語ディベートセミナーが開催されました。今回の講師はJDA理事の安井省侍郎と茨城大学講師の師岡淳也の2人で、会場は過去二回と同様、麹町のバベル・ビルでした。今回の受講者数は13人と、前々回(16名)・前回(32名)と比べて少な目でしたが、会社員、公務員、団体職員、教員と多様な職業をお持ちの方が参加されました(大学生も2人受講してくださいました)。また、年齢層も、20代前半から50代までと幅広いものになりました。参加者は、ほとんどが教育ディベート活動の未経験者で、ホームページを見て参加された方が大半でした。
午前中は、まずディベートの定義、目的、論題の種類など、教育ディベート活動全般に関して簡単なレクチャーを行いました。その後、第一回JDA終期ディベート大会B部門決勝戦のビデオを使用しながら、フォーマット、各スピーチの役割・構成法、ノートの取り方など、試合を行う際に必要となる基本的な知識の説明を行いました。
一時間の休憩を挟んだ後、参加者に3人から4人のチームに分かれていただき、試合の準備を開始しました。ここで、当日見学にいらしていた安藤温敏氏・瀬能和彦氏(両JDA理事)にご助力いただき各チームに一人ずつスーパーバイザーが付きました。試合の論題は「日本政府は積極的安楽死を法的に認めるべきである」で、関連資料は、事前にこちらが用意したものを、各参加者に配布いたしました。90分程の準備期間の後、練習試合を一試合行いました(B部門フォーマット採用)。試合自体は、経験者と未経験者とでレベルが若干異なりましたが、総じて予想以上に高いレベルのものになりました。
試合の講評の後、日本ディベート協会、日本社会人ディベート連盟(JBDF)、緑が丘ディベートクラブ、来春開催予定の第五回JDAディベート大会など、企業人の方が参加可能なディベート団体・活動の要項を紹介して、セミナーは終了しました。
私は、このような多様な職業と年齢層の方を対象としたセミナーの講師を受け持つことは、今まで経験にありませんでした。その為不安と心理的重圧とが入り交じった状態で当日を迎えましたが、受講者の方のディベートに対する興味とやる気のお陰で、大きな問題も無くセミナーを終了することができました。今更言うまでもなく教育ディベートは学生や公的教育機関のためだけのものではなく、誰にでも開かれた活動であるべきです。その意味で、近年、学生以外の方の教育ディベート活動への参加機会が増えていることは、とても意義深いことです。不慣れな講師のもと、また一日という厳しい時間的制約の中で、受講者の方がどの程度教育ディベートについて学ぶことができたかはわかりませんが、今回のセミナーをきっかけとして、今後教育ディベート活動に継続して関わっていただければ、講師としてこれ以上の喜びはありません。
最後になりましたが、今回のセミナーを開催するにあたりまして鈴木健氏、安井省侍郎氏、瀬能和彦氏、安藤温敏氏、そして(株)バベル様には、多大なるご厚意とご協力をいただいました。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。
(もろおか じゅんや 茨城大学講師)
jda@kt.rim.or.jp
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