主催者挨拶

Takeshi Suzuki

 

日本ディベート協会(JDA)と東海大学教育開発研究所の主催による第1回議論学国際学術会議(TheFirst Tokyo Conference onArgumentation)の2000年8月7−9日の開催が、近づいてきました。社会世界を構築し、人々を説得するコミュニケーション行為である「議論」に関して、欧米では全米討論学会(AFA)やアムステルダム大学を中心に伝統的な学問の枠を越えた国際学会が開催されてきました。いよいよJDAの15周年記念事業として計画されたアジア地域としては初めての国際議論学会議が、2年間の準備期間を経て、世界各国から40名を超える発表者を迎えて幕を開けようとしています。

いままで議論学は、科学哲学や法学分野における論証研究や,討論教育として発展してきました。今回の会議は、議論を共通研究テーマとする研究者の国際的相互交流を図り、知的探求を進める場を整備することを目指しています。コミュニケーション学に限らず,法学・哲学・言語学・歴史学・社会学・教育学など、幅広い分野の研究者からの報告と参加を予定しています。

会議テーマは、「文化と議論: 『東洋』対『西洋』の図式を超えて」ヤArgumentation and Culture: Beyond メEastモ and メWestモユと銘打たれています。基調講演者には、『インド人の論理学』(中公新書)などの著書で知られる桂紹隆教授(広島大学)、社会論争分析の権威であるG.Thomas Goodnight教授(NorthwesternUniversity)のお二人、総括講演者にThomas A. Hollihan教授(Universityof SouthernCalifornia)が決定しております。会議では、テーマごとに部会・パネルに分かれて、活発な議論がおこなわれる予定です。活動は、すべてオリンピックセンターで行われ、希望者には宿泊等の手配も行います。さらに、会議録(Proceedings)を発行し会場にて配布予定です。

これまでさまざまな海外の議論学会議に出席してきましたが、いつも感心させられるのは発表の質の高さと、主催者と受け入れ国のホスピタリティーです。関係者各位だけでなく、直接には会議に関わっていない会員の皆様も、国内外からのお客様を一人一人がホストのつもりでむかえていただければありがたく思います。私も自分の力のなさを実感しながら、有能な委員会のメンバーに支えられて会議実行委員長として粉骨砕身しております。直前にせまった国際会議の開催の成功に、どうかよろしくご協力おねがいいたします。

 (鈴木 健 実行委員長、JDA副会長、津田塾大学助教授)

 

 



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