コミュニケーション教育フォーラム`99に参加して 

[臼井直人]

 

 

3月20日東京都渋谷区にある東海大学代々木校舎において、同大学教育開発研究所と日本コミュニケーション学会関東支部主催による「コミュニケーション教育フォーラム'99」が開催された。

このフォーラムのテーマは「コミュニケーション教育の現状と課題」であった。近年日本の教育現場において、「コミュニケーション能力育成」がキーワードとなりつつある一方、教育におけるコミュニケーションについての概念や思想についての話し合いはまだ不足している。

このような認識にたち、このフォーラムではコミュニケーション学、社会心理学、日本語教育学、異文化教育学の分野で活躍する研究者・教育者によって、同テーマに関する提言が行われ、その後参加者も含めて討論が行われた。

当日は脱近代的なコミュニケーションモデルの模索の必要性から日本語教師養成、また異文化適応能力開発プログラムまで様々な発表が行われ、主にスピーチ・コミュニケーションの手法を通じての教育に携わる筆者としては、改めて「コミュニケーション教育」という言葉の多義性を思い知らされた。

しかし、この多義性ゆえフォーラムの各参加者の関心が多様であったり、また時間の制約やなどもあり、各提言の内容について十分な議論がしづらかったようである。今後提言は合同で行い、ディスカッションは分科会形式をとるなど、運営上の工夫が期待されるところであろう。

(うすい なおと 愛国学園大学講師 JDA理事)

 

  

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