[臼井直人]
日本ディベート協会では、本年度も「日米交歓ディベート全米代表チーム日本ツアー」を開催することとなりました。この日米交歓ディベートプログラムは日本におけるディベートの普及そしてディベートを通じての草の根レベルの国際交流を趣旨として、日本代表チームの派遣と全米代表チームの招聘を毎年交互に行っているものです。
このプログラムは1960年代の初頭、米国スピーチコミュニケーション学会(TheSpeech Communication Association, 現・National CommunicationAssociation)の国際ディベート委員会から、当時上智大学ESSでディベートコーチをされていたJohnNissel 神父に届いた1通の手紙から始まりました。
Nissel神父のご尽力の末、1966年に明治学院大学のディベーター2名が初めての日本代表チームとしてアメリカでディベートを行いました。1970年代初頭、当時就任したばかりの現・上智大学ESSディベートコーチのScottHowell神父がこのプログラムを引き継ぎ、ディベートを通じての日米の交流は本格化し始めました。
その後、日本英語コンテストスピーチ協会(Japan English ForensicsAssociation,JEFA)が運営を引き継ぎ,さらに1980年代後半から日本ディベート協会が開催を担当して参りました。60年代から数えればすでに30年以上の歴史のあるプログラムであり、現在日本でディベートの指導やコミュニケーション教育に従事されている方の中にも日本代表としてアメリカをツアーされた方が多数いらっしゃいます。
本年度は以下の要領で日本ツアーを開催致します。
●来日メンバー
<コーチ>
キャサリン・パルチェウスキー博士 (Catherine Palczewski,Ph.D.)
パウチェウスキ−博士はノーザン・アイオワ大学 (University ofNothern Iowa)コミュニケーション学部準教授で同大学のディベートチームでコーチもされています。博士自身も学生時代はイリノイ州のノ−スウエスタン大学(NorthwesternUniversity)でディベーターとして活躍され、3年次には全米ディベート大会(National Debate Tournament, NDT)で準決勝進出。4年次には準々決勝まで進出し、その大会のベストディベーター賞部門で第4位となるなど、輝かしい成績を残されています。またパルチェウスキー博士は1987年に日米交歓ディベート全米代表ディベーターとして来日したこともあり、今回コーチとして2度目の来日をすることをとても楽しみにしていらっしゃいます。
パルチェウスキー博士からのメッセージ
<ディベーター>
マックスウエル・シュナラー氏(Mr.Maxwell Schnurer)
シュナラー氏は現在ペンシルバニア州ピッツバ−グ大学 (Univeristy ofPittsburgh)大学院の博士課程に所属されています。学部生時代はバーモント大学(University of Vermont) でCross Examination Debate Association(CEDA)の大会で活躍され、卒業後はノ−スキャロライナ州ウエイクフォレスト大学(Wake Forest University)のアシスタントディベ−トコーチとして、NDTディベーターをコーチしておられました。
エリック・ミンコブ氏(Mr.EricMinkove)
ミンコブ氏は現在バージニア州ジェ−ムズ・マジソン大学 (JamesMadison University)の学生で、去る3月に行われたNDTを含め、在学中に3回NDTに参加し活躍されました。
●日米交歓ディベート'99開催日程
1999年6月10日から27日まで。現時点で確定しているイベント開催地は以下の通りです。その他の開催地などは確定し次第JDAメーリングリストやホームページなどを通じて告知します。
6月10(木)来日
12(土)東京 英語ディベート教育シンポジウム
13(日)福岡 九州大学
14(月)小倉 北九州大学
16(水)京都 同志社大学
19(土)京都 NAFA関西
20(日)浜松 日本コミュニケーション学会
22(火)千葉 神田外語大学
23(水)東京 青山学院大学
25(金)東京 日本社会人ディベート連盟
26(土)東京 デイリーヨミウリ
27(日)東京 NAFA関東
●イベント内容
<公開ディベート>
主に各イベントでは日本人大学生や社会人と公開ディベートが行われます。論題は次の3つが用意されており、各イベントでそのうちのどれかが使われます。
Resolved: That the Japanese governmentshould take non-threatening diplomatic measures to promote amicablerelations with North Korea.
(1999年度前期日本ディベート協会推薦プロポジション)
Resolved: That the Japanese governmentshould make voting in national elections compulsory.
Resolved: That Japanese high school studentsshould learn to debate in English.
<講演>
公開ディベートと合わせてパルチェウスキー博士によるディベートやコミュニケーションに関する講演が行われます。テーマは2つ用意されており、各イベントでそのどちらかが行われる予定です。(ただしイベントによっては公開ディベートの内容についてのコメントのみの場合もあります。)
"Argument and Critical Thinking: Forensicsas Mental Exercise"
"NDT/CEDA Debate at Century's End: Form,Function and Trends"
この他、全米代表チームは6月12日に東海大学とJACETの共催による英語ディベート教育に関するシンポジウム、また20日には日本コミュニケーション学会年次大会における日米のコミュニケーション教育についてのシンポジウムに参加し、英語教育やコミュニケーション教育に従事する教員との研究会が開催されます。
お近くでイベントが開催されましたら是非お運び下さいますよう、お願い申し上げます。
臼井直人(うすいなおと 日本ディベート協会理事
日米交歓ディベート委員会委員長)
jda@kt.rim.or.jp
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