9.1.1 論題の解釈はなぜ必要なの?

 

次郎君が本屋に行くと、「立ち読み禁止」と書いた張り紙がありました。しかし次郎君は構わず置いてあった椅子に座ると売り物の雑誌を読み始めました。すると店番をしていた太郎君は「立ち読み禁止なんだから、売り物の本を読まないでよ」と次郎君に文句をいいました。すると、次郎君は「僕は立ち読みしてないよ。座って読んでいるじゃないか」と反論しました…


(1) 解釈の必要性

上の例では、「立ち読み」という言葉について次郎君は「立って本を読むこと」と解釈し、その解釈に基づき「椅子に座って本を読む」事は禁止されていないと判断しました。一方太郎君は「立ち読み」を「売り物の本を店頭で読むこと」と解釈したのでこのような食い違いが発生します。つまり、「立ち読み」という言葉が何を意味するのか、どう解釈するのかによって禁止されている対象行為が異なってきます。

(2) 論題の解釈

論題の場合も同じで、その規定する範囲を特定するためには、論題の解釈をしなければなりません。ディベートでは、肯定側が論題を解釈し、その解釈に基づいてプランが論題の一例として示されます。否定側はその解釈が誤り、つまり妥当でないことを論証することができるわけです。

 


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